March 14, 2015

"Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)"

birdmanposter

邦題『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
米国公開2014年10月17日。
日本公開2015年4月10日。

*****

飛行機の中で昨日観ました。
シカゴ→成田の便。

感想。
かなり良かったです。

最後のシーンは、衝撃的でした。
まさか、ああいう展開になるとは、という感じです。

しかし、フィルムが始まってから終わるまで、基本的に一貫して、
長回しスタイルでの撮影。
もちろん、途中で何回も切っているんでしょうが、
まるで、一度もフィルムを切っていないように見えるその手法。
Wikipediaを見ると、
「本作の撮影を担当したエマニュエル・ルベツキによると、本作が1回の長回しで撮影されたものだと観客に思わせるために、本作のカメラワークと編集には非常に高度な技術を要したという」(引用先)
とあります。

その手法のおかげもあり、
不思議なほどに、飽きずに見られるこの作品。

そして何より良いのは、
ブロードウェイの舞台裏の雰囲気などが、リアルに再現されているところ。

俺は個人的に、ブロードウェイの役者さんとたまたまNYで出会ったことで、
彼の舞台裏にも入れてもらえる機会があったりしたので、
そういう意味でも、あの辺の雰囲気がよく感じられて、とても感じるところがありました。


また、主演のマイケル・キートンを始め、
エドワード・ノートン、
ザック・ガリフィアナキス、
そしてエマ・ストーンも良い演技をしていました。
みんな、まさに、ブロードウェイの演技をそのまま画面に収めたようで、
まるで、目の前で生の演技が行われているような、
そんな雰囲気を醸し出していました。

*****

主人公のリーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、
かつてはバードマンという映画で一躍活躍していたものの、
今は全く売れていない俳優。
そんな彼に、過去の自分(バードマンの声)が語りかけ、
「お前も、今TVに出ているクソみたいな俳優なんかよりも自分の方がよっぽど凄いことを、
また、バードマンの続編をやって見せつければいいじゃないか。」と言ってきます。
(そこで、TVには『アイアンマンで一躍人気が出たRobert Downey Jr.です』と彼がインタビューを受けているシーンが出たりして、実在の人物名がガンガン出てくる。ロバートダウニーJrもあんな風に言われる対象として出るのも、彼本人もジョークとして笑っているんだろうなと思うと面白い。)

そんな声に対して本人は、
「消え失せろ、この声よ!お前はもう過去なんだ!今の俺は、このブロードウェイで再起をかけるんだ!」と言いながら、
超能力を使って、自分の楽屋のものを投げたり、飛ばしたり、
色々な視覚効果が入ってきます。
(もちろんそれは全て彼の錯覚なんだけど。途中、NYの街を飛行したあと、
自分の劇場の前に降り立って、中に颯爽と入っていくシーンがあるんだけど、
そこで、実はタクシーで来ていただけで、運ちゃんが、「おい!金もらってないぞ!」と言って追いかけるシーンがあったりして面白かった。)


丁度自分も、この映画を見る前に、
飛行機の中で日記を書きながら、
自分の人生に対して考えを巡らせていたので、
その、「過去に自分が輝いていたと思える時期」と、
今の「そうでもない時期」を照らし合わせながら、
自分との内なる声と葛藤しながら語り合うその彼の姿が、
何か心に迫るものがありました。

*****

他にも、この映画で、彼が演じる劇の作品は、
レイモンド・カーヴァーの作品『愛について語るときに我々の語ること』だったので、
村上春樹が好きな僕としては、
村上さんが好きなこの作品が、この映画の中で取り上げられていたので、
そういう意味でも、へえという感じでした。
(ま、実際はこの作品を読んだことはないけれど)

*****

映画の中で定期的に流れる、ドラムのスコアもかっこよかった。
心地いいドラムとシンバルのリズム。
それに合わせて、最初のOpeningとClosingのシーンで出てくる
役者の名前などを、文字であわらす手法もかっこよかった。
とてもスタイリッシュで、オシャレだった。

*****

それから、エドワード・ノートンもかなり色が強かったですね。
彼はFight Clubで僕は知りましたが、
彼のあの存在感はとても好きです。
決して、「大好きな役者」ではないけれど、
主演ではなく、サポーティングアクターとして持ってくるには、
最高の役者だと思います。

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*****

最後の終わり方は、あまり気分のいいものではなかったので、
そこだけは、ちょっとありますが、
全体的にとてもよくできていて、
また劇場で見ても良いな、と思わせる作品でした。

2015/3/14 12:38



PS. 途中で、
舞台の最中に、マイケル・キートンがタバコを吸うために建物の裏口から出ていたら、
ドアを誰かが閉めてしまって、
中に入れず、
そこから、仕方なくパンツ一丁の姿でブロードウェイの街を
自分の劇場の表まで歩いて移動するシーンがあった。
そこがすごく面白かった。

なんとも、マイケル・キートンという役者は、
俺はあまり知らなかったけれど、
なんだか、こっちの心に迫る表情をしてくれます。
とても心に残るものがありました。



shunsukesekine at 12:40コメント(0)トラックバック(0) 
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