April 20, 2014 20:39

『坊っちゃん』 夏目漱石

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1906年4月発行。
自分は、夏目漱石の本を考えたら殆ど読んだ事がなかった。
去年の夏、高校時代にちらっと読んだ『こゝろ』を読み返してみたくらいで、
他の作品は全く読んだ事がない。

先日、本屋でこれを見かけて、260円で買った。
何気なく読み始めてみたら、これが面白くて、
あっという間に読み終えてしまった。

*****

『坊っちゃん』のストーリーは全く知らなかったけれど、
主人公の言わば「坊っちゃん」が、
その真っ直ぐな性格と歯に衣着せぬ辛辣な物言いで、
自分が経験したり会う人間の事を叩き落として行く様がとても良い。

思えば、俺も高校を出て留学するまでは、
「何でみんなこんな風に考えないんだ」と、自分の価値観が絶対的だと思っていたので、
この主人公の坊っちゃんが、自分が働く事になった四国の中学で、
会う先生たちに対して、
「こんな笑い方をしやがって。まるで女みたいな気持ち悪いやろうだ」的な感じでこき下ろして行くのを読んで、すごく気味が良いとともに、何だか若い頃の自分を思い起こした。

また、この坊っちゃんはすごく真っ直ぐな性格で、
それが災いとなり、周りの人間とぶつかっていくわけだけれども、
それが自分と重なる部分もあって、そんな意味でも読んでいて面白かった。
「ああ、俺ももっと自分に自信を持って生きて行こう」、
そう思える部分が多々あった。

*****

それにしても、夏目漱石の本というのは、こんなに面白いものだったのかと、
30歳になってやっと気づいた。
この本を自分が10代の頃に読んでいたら、果たして今ほど面白いと感じたかどうかは分からないけれど、
でも、もっと若い頃に、夏目漱石を始めとして、
いわゆる、歴史に残っている文学作品をもっと読んでおけば良かったなあと思う。

(学生の頃は、漱石を始めとしたいわゆる文学作品は、
学校のテスト用に、作者と作品の名前だけを覚えるもの、
そして、その中身は、(読んだ事はないけれど)きっとつまらないもの、
という勝手な頭があったと思う。)

*****

そんなわけで、次は『三四郎』あたりを読んでみたいと思う。

2014/4/20 20:38





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