March 24, 2014 22:24

"Frozen"

Frozen_(2013_film)_poster

観てきました。
邦題は『アナと雪の女王』。
全米2013年11月27日公開。
日本2014年3月14日公開。

*****

この映画は、2013年の11月頃にアメリカ出張をしている頃、
テレビでしきりに宣伝をしていました。
その時は、雪だるまのオラフのキャラがフォーカスされ、
鼻に人参を刺すシーンが良くやっていたので、
ただのサンクスギヴィングに合わせたコメディ映画かと思っていました。

ところが、意外とアメリカではヒットしたようで、
アカデミー賞でも受賞したりして、
日本では公開前から、「ディズニー史上最高の映画!!」的な感じで大体的に宣伝をしていました。

ということで、妻と一緒に、
大分期待して見に行きました。
(前売り券を色々な金券ショップに見に行きましたが、
通常はどこでも売っているはずなのに、
これに関しては、どこに行っても見事完売。
凄い人気です。)

******

さて、感想の程は。


確かに、映像は綺麗だし、
雪の女王ことエルサはめちゃくちゃ綺麗だし、
(自分の魔法で作り上げたドレスがよく似合う。
金髪の感じと、あのドレスの色と、バックグラウンドの雪の白色が、
見事にマッチしていた)
エルサが、戴冠式の後に、
つい魔法を使ってしまい、
そのまま雪山に一人逃げてきて、
そこで、”Let It Go”を歌いながら、
段々と自分の城を作り上げて行くシーンは、
流石に鳥肌が立つ程感動しました。


しかし、ストーリー展開が平坦というか、
あくまでもテーマが分かりにくい。

姉妹の愛情を描いた上に(つまりヒロインが2人)、
更にヒーローが2人(実際は1人は悪役)、
合計4人も出てくるので、今いち分かりにくい。

映画を見終わった後に残るのは、
Let it goの映像が凄かったな、
そしてエルサが綺麗だったな、
そういう事です。

*****

ディズニー映画というのは、通常は分かりやすく、
シンプルなテーマが一貫されています。
しかし今回の映画は、
最近の傾向に合わせたのか、
テンポも早く、笑いを狙ったギャグ満載で、
コメディ映画の傾向で売っているのかと思いきや、
実は、感動を狙っているという、
ちょっとどっち付かずの映画になっている気がします。

俺としては、”Tangled”(『塔の上のラプンツェル』)の方が、
まだ良かったな、と思います。

*****

今回の映画は、ディズニーとしても実験的な箇所も多くあったのかもしれませんが、
コメディっぽさと、感動的な映画っぽさ、
両方を欲張った為に、結局、どっちも得られなかった、
そんな感じでした。

*****

個人的には、この映画が始まる前に上映された、
『ミッキーのミニー救出大作戦』(原題:Get A Horse!)
の方が良かった。

Get_a_Horse!_poster


こっちは、映画は始まって最初の方はずっとモノトーンで、
「なんだ、なんでこんな古い映画を流すのかな」と思っていたら、
ミッキーたちがスクリーンに叩き付けられる描写が出てきて、
「あれ、こんな昔に、こんなカッコいい描写があったんだ」と感心していたら、
急にスクリーンのこっち側にミッキーが吹っ飛んで来て、
「Oh, my nachos!!」と叫ぶ観客がいて、
その映像が、凄く画期的でした。
2Dで観たのですが、
これは、3Dで見たら、きっと凄く感動したんだろうな。

*****

というわけで、映画自体はそんなに悪くはなかったし、
登場人物は(特にエルサ姉さんはとても綺麗で)魅力的で良かったのですが、
ちょっと、ストーリー決めの絵コンテの段階で、
もうちょっと話し合えたんじゃないかなと、
そこが惜しい映画でした。

2014/3/24 22:17


PS,それにしても、Let it goの歌を歌うシーンでの、
エルサが自分のドレスを変えて、
窓に向かって歩くシーンでは、
歩き方(というか腰の振り方)が色っぽくて、
見た時にかなりドキリとしました。
ヤバいっすね。

それと、このエルサ役の声優のイディナ・メンゼルは、
普段の声は良いのですが、
歌となると、自分の力量を出し過ぎで、
声を伸ばす時は、声が枯れるというか、気張った声になるので、
全然エルサに合っていなかった。
あの可愛い顔には、あのおばさんの声は合っていません。

(通常、ディズニー映画の主題歌は、
例えばアラジンにしても、映画の中で歌われる場合は、
声優は上手く歌う必要はなく、
可愛い声で、あくまでもキャラクターの性格を反映させて、
それ以上は、つまり声優の色は出さずに、歌えば良い。
なのに、イディナ・メンゼルは、
このLet it goのシーンでは、
自分の歌手としての声を出しすぎていた。
それが、折角感動するシーンなのに、
ふと、「おいおい、声が全然合ってねえぜ」と白けてしまう事になった。

最終的にエンドロールで、デミ・ロヴァート(あのX Factorのウザい太ったオバさん)が、これまた力んで歌うから、良いんですよ、という話。
そんな事を、見終わった後、彼女と話していた。


オリジナル版


日本語版


*****

というわけで、決して映画として悪い訳ではないのですが、
残念な箇所が結構ありました。
もしくは、期待せずにただ見に行けばよかったのに、
日本のマスコミが、余りにも「ディズニー史上最高作!!」と騒ぎすぎたのかもしれない。


ファンの皆さん、ごめんなさい。

*****

ちなみに、何よりも面白かったのは、
アカデミー賞授与式で、
あのジョントラボルタが、
イディナ・メンゼルの名前を紹介する前に、
"the wicked talented,
one and only〜"
みたいに散々前置きを必要以上にした後、
本人の名前を間違えたという。

あれはやっちゃったねと、
妻と一緒に何回も話題にしていました。

(この様子は、妻が先に授与式の映像をYoutubeで見て、
「あれ?私の聞き取りが間違ってたのかな?」と気になって調べたら、
結局はジョントラボルタがf%&d upしたということが判明。

"Wicked"とかの言い回しに気を取られ過ぎです、
トラボルタさん。














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コメント一覧

11. Posted by SAYAKA   April 04, 2014 21:13
お忙しいなかコメントに返事してくださってありがとうございます。
伝わってよかったです〜〜。
ちなみにコメントを読んだキングさんともFBメッセージで何度か熱く語り合いました。(笑)
ほんと、長々とすみませんでした。
ああでも、伝えることができてほんとよかったです。
忘れた頃にでもまた観てみてください。きっと新しい発見があるはず。
ちなみにこっちでは先々週からブルーレイが発売になってまたフィーバーが再開しております。
ちなみに最近こっちでは搭の上のラプンツェルのラプンツェルとエルサ&アナがいとこなんじゃないか説まで出てきてすごい盛り上がりになっております。
いとこかどうかというのは信憑性ゼロですが、実はエルサの戴冠式の日に別な国からお客さんが続々と船から降りてお城に向かっていくシーンで、なんとラプンツェルとフリンの後姿が映ってるので、次回観る機会がありましたらそこに注目してみてください。
10. Posted by shun   March 31, 2014 22:02
追記:
ちなみに、昨日家に帰ってきてM Kingと一緒にアメリカ版予告編を見てみましたが、納得しました!あれだと、エルサの事はあくまでも悪役としてしか触れられておらず、「彼女は悪い女、しかし実は彼女は私の姉なのよ」的な感じでしか触れていないので、まるで、アナとクリストフ、+オラフの3人の冒険劇、みたいに見えます。
そうやって劇場に行くと、実はああいう話だった・・ そんな展開に、きっと良い意味で裏切られて、感動する作りだったんでしょう。
This is all because of Japanese trailers, man!!という感じです。
9. Posted by shun   March 31, 2014 21:57
さやかさん、超丁寧な解説、本当にありがとうございます!

さやかさんのこの解説を読んで、「なるほど〜!!!」が何回も出てきました!まさに、「なるほど〜」という感じです。

さやかさんの言うとおり、これはきっと、ネイティブだからしか、または今のアメリカの人たちだからこそ分かるポイントがたくさんあっただろうし、そういう意味でも、さやかさんが前の"Brave"のコメントで、「ぜひ英語でみてください!」と勧めてくれたんだな、というのが分かりました。

歌の解説もありがとうございます。そんなに色々な仕掛けがあったなんて、全然気づいていませんでした。もう一回今度はよく注意して聞いてみようと思います。

さやかさんが劇場で感じたその一体感、羨ましいです。

もしかしたらこの映画は、英語がわかって、かつ、ネイティブのニュアンスも分かり、同時に、今のアメリカの若者(というか人々)の状況が分かってこそ、本当に良さが分かる映画なのかもしれませんね。

日本の映画の予告編というのは、この映画に限らず、アメリカ版のそれとは違い、ストーリーを丸出しにしてしまうことが多く、「なんでこんな風に宣伝するの?」と思うことが多々あります。もしかしたら、この映画も、そうやって、日本の宣伝の仕方に、間違った方向で伝わってしまったのかもしれないなと思いました。

また次回は、さやかさんの感じた視点で見てみようと思います。

それにしても、こんなに詳しい、というか、本当にこの映画の良さを理解して解説している日本語の解説者は、日本にはいないんじゃないかなと思います。このさやかさんの書評をぜひ、ディズニージャパンに送りたいくらいです!(笑)

本当にありがとうございました。
8. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 16:38
最後です!
この映画が公開された時、場内では観客に物凄い一体感があったし、あたしのまわりでは普段はディズニーに興味ない映画製作友達(特に男性陣)や、女の子どころか男の子、ましては大人全員が絶賛していて本当に只ならぬエナジーが溢れていました。
友達の子供で4歳になったばかりの男の子と11歳になったばかりの男くさいゲームばっかりする男の子をそれぞれ知っているのですが、2人とも先週出たブルーレイを毎日見て歌を歌っていると聞きました。
今まで女の子が主役のディズニーでこんなに男の子の反響があった作品はなかったので、ディズニーの底力を感じずにはいられません。
エルサ人形はディズニーランド内でもまだ品切れだし、恐るべしです。
だから、きっとアメリカで観ていたら多分感想も違っていたかも、と思わずにはいられないのです。
とりあえずあたしは、日本のディズニーのマーケティングのせいだと思うことにします。(笑)
長くなって本当に本当にごめんなさい。
7. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 16:20
ちなみに映画の歌を担当した人達はブロードウェイで大ヒットした”アベニューQ”(カーミットでお馴染みのMuppetsの製作者によって作られたミュージカル)や”Book of Mormon”(サウスパークのライターが描いたミュージカル)の作曲者でもあり、ギリギリラインのジョークや皮肉を得意とする売れっ子ソングライターさん達です。ちなみにフローズンの曲はこっちでは大人ばかりか、女の子も男の子も全曲一字一句間違えずに歌える子が多いほど流行っています。
イディナ・メンゼルの声、特に喋りは確かに好みが分かれるかもしれないけれど、Let it Goの高音の部分をあんなに綺麗に出せて、且つ全ての曲を感情たっぷりに歌いこなせるのはやっぱりブロードウェイ中心にやってきた経験値と、過去に商業的成功を収めたミュージカル映画出演経験があることでキャスティングするとなると、最終的に彼女が一番適していたのではないかと思います。
デミ・ロバートの声は完全にポップス向けだし、やっぱり高音の出し方は完全に勢いに任せていてキンキンして灰汁が強すぎて、ブロードウェイの歌唱法には適わないかと思うのです。(ちなみにおばさん化してるけどまだ21歳とか。すごい貫禄ですよね。 笑)
6. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 16:06
気づきにくいコメディ要素で言えば、アナと王子が出会って歌う歌の中で王子が"It’s crazy, we finish each other’s"と歌うのですが本当だったらその後に来る言葉は"sentences"のはずなのにアナが"sandwiches"(アナは食いしん坊なのでサンドイッチと言ってしまう、プラスsentences、にかかる語呂合わせのジョーク) って言っちゃって、王子もつっこまっずにむしろ"That’s what I was gonna say!"って言ってのっかっちゃったり、オラフのソロで"Winter's a good time to stay in and cuddle. But put me in summer and I'll be a"というところでは最初の文に出てくる韻を踏むのが普通で、その詩のルールに従うとpaddleとなるところを(実際paddleというはずのところでオラフの目の前にはpaddleが出てくる。これはもう完全に夏になるとオラフは溶けて水溜りになるんだよいうオラフには避けようのないメッセージ)オラフは"Happy Snowman!!"って言ってものすごいポジティブっぷりを見せたり、子供も大人も大爆笑な小ネタが、台詞どころか歌にも散りばめられているんです。
5. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 15:52
そしてキャラクターの喋り方は皆今時の若い子が喋るようなかんじの喋り方でネイティブにはすごく身近に感じてにしっくりハマるんです。アナの王子に対するあの非常に"awkward"なかんじなんかは、アメリカ女子がアメリカン男子と話す時の非常にありがちな会話だし、オラフの天然コメントとかはタイミングやテンポも今のアメリカのコメディそのものですごく生きてくるし、クリストフが冷静に"Wait, you got engaged to someone you just met that day?Who marries a man they just met?Didn't your parents ever warn you about strangers?"って冷静につっこむところなんかは、今まで数回、ましてや一度しか出会ってないのに王子と結婚しちゃったディズニープリンセス達に対する皮肉的演出になっているし、ディズニーに興味ない人でも普通に楽しめるように描かれているんです。
4. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 15:41
そしてその洗脳状態で映画を観すすめていくと、真実の愛なんなのかというのがオラフがところどころでいう意味深な台詞("Love is putting someone else's needs before yours"や"Some people are worth melting for."等)と共に見えてきて、最後の方でやっと”真実の愛って王子様とのHappily Ever After じゃない。自分が心から大切にしたいと思う気持ち、自分を犠牲にしてでも守りたいと思う気持ちなんだ”というディズニープリンセスを夢みる女の子達へのウェイクアップ・コールなのかもしれないメッセージが溢れ出し、これまでの予告からの伏線が、強く強く生きてくるんです。
3. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 15:28
そしてその予告で得た知識でいざ映画を観ると、
,泙沙佶紊陵弔ず△でてきて、そこで事件が起きて、さらに色々あって成長して、城の外の人々、そして姉からも隔離されたアナは年頃ゆえにいつか王子様と・・・と願うほどこれまでの過去ゆえに真実ではない”真実の愛”を夢見るようになっている。
△世らこの流れで王子が出てくると、この時点で観客は”ああ、いつものディズニーだ。アナはこの王子と一緒になるのね。”とワンパターンだと思っているディズニーの王道に自ら簡単にひっかかる状態になっているのです。
その状態で進んで観ていくと、エルサとひと悶着あるも、城は王子が守ってアナはエルサを探しに山に行って、きっとそこそこのクライマックスがあって仲直りするんだろうな、で、一緒にエルサを探しに行く事になったクリストフはエルサとくっつくんだろうな、という風にさらに観客自らディズニー王道ストーリーに洗脳させてしまうのです!
だから最後の方であの王子がとんでもない手のひら返しをする頃には、アナと同じぐらい観客はショックを受けてしまうんです。
(実際あたしが劇場で観ていてHansがアナに”Oh Anna, if only there was someone out there who loved you.”って言った時は館内の大人全員が息をのむのが聞こえたほど皆すっごくびっくりしていました。しかもこのせりふ、子供向けとは思えないほど残酷!これはDVボーイ並みですよ! 笑 こんな残酷な台詞、ライオンキング以来聞いたことない!)
2. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 15:08
まず予告!
これ、アメリカと日本版とでは予告が全く違うんです。
アメリカでは映画の重要な部分に触れているようで触れていないのに対し、日本版の予告は、映画の大まかな流れがほぼ分かるかのような、ダイジェストのような内容になっているのです。
アメリカの予告編ではエルサは完全に悪役のように見せられているし、アナの姉だということは見落としやすいぐらいカジュアルに一度だけ触れられているだけなので、”真実の愛”のテーマが全く分からないようになっていて、ただの冒険アニメに見えるようになっているのです。
なので蓋を開けてみたら、キャラクターは一人ひとりバックグラウンドがしっかりしていて性格にも現実味があるし、ストーリーは今までの典型的ディズニーと全く違うストラクチャーになっているしでいい意味で裏切りばっかりだったので、それがヒットの原因のひとつではないのかと思うのです。
1. Posted by SAYAKA   March 26, 2014 14:44
そっか〜〜〜フローズンいまいちでしたか・・・。
普通なら人によって違うもんな、で終わるんですけど初めて観た時あたし自身本当に、”ディズニーの黄金期と呼ばれていた時代がついに帰ってきた!”と思ったぐらい衝撃を受けたのと、その時の映画館の劇場内でも大人も子供も皆揃ってうわぁ〜〜〜ってなってたのと、本当に文字通り全米が沸いたので今回はちょっと何故フローズンがあたしの中で良かったのか、そしてなぜ全米に受けたのかをちょっと説明させてください!押し付けではないのですが、しゅんくんになら伝わるはず・・・!(笑)この抑えられない気持ちをきいてください。

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