January 30, 2014 22:16

「ロスジェネの逆襲」 池井戸 潤

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半沢直樹の最新作単行本。
2012/6/29初版発行。

*****

昨年の夏、「やられたらやり返す。倍返しだ!!」のセリフに誰もがハマったであろうドラマの続きとなる話です。

東京セントラル証券に出向させられた半沢は、
そこで、IT企業の電脳雑伎集団、及び、
そこが買収を仕掛けようとする東京スパイラル、
そして、半沢のいる会社の親会社、東京中央銀行の人間たちと、
バトルを繰り広げる・・・ というのがあらすじ。

*****

結構期待して読み始めましたが、
正直言って、余り面白く無かった。

半沢の出番が、本の後半まで余り無いことと、
登場人物が多すぎて、誰が誰だったか覚えられず、
人物相関図を何度も見返す事になってしまった。
(行きと帰りの電車の中で10分ずつくらい読んでいたので、いつも話が途切れてしまったせいもあるかもしれない。
いや、俺の記憶力が悪いだけか)

それから、半沢が最後に、東京中央銀行の頭取を交えての会議の場に入り込んで行き、
そこで全員を前に打ち負かすシーンは流石に興奮したが、
そこで半沢が明かす事実も、実際には、
自分の部下であり、且つ、東京スパイラルの社長である瀬名と小学校時代の親友だった森山が、勘のいい男で、彼が色々な事を見破れたからこそ、その真相に気づけた、というところも大きい。

よって、半沢個人の力でその真実を見破ったというよりは、サポーターの力が大きいので、
半沢が最後に会議の場で、自分の敵を打ち負かしても、余り面白みが無い。

*****

それと、文体が個人的に好かない。
淡々と書かれていて、この手の小説を読み慣れている人はきっと好きなのかもしれないが、
自分は、どうも馴染めなかった。

また、登場人物の人間描写が余り深く無い。
あくまでもリアルさを追求する為に、逆に、小説としての脚色が少なく、
一人一人の人間像が、そこまで見えて来ない。
だからこそ、登場人物の事を、最初は覚えにくかったのかもしれない。

*****

どちらにしても、この小説に対する高評価が多い中で、
個人としては、余り面白いと思えなかった。

ただし、この小説の中で、
「人間、働く場所の大きさやブランドなどは関係なく、
どこに行っても輝ける人間こそが、本物なんだ」
というくだりがあるが、それには同感する。

俺も、数年前までは、働く会社の大きさやブランド、給料、見栄、
そういったものに拘っていたが、
結局は、今自分がやっている仕事を自分がどれだけ好きになり、
それを極められるか。
それが一番大事であり、そこを芯に毎日を過ごせば、
仕事はどんどん楽しくなって行く事。

そこは、非常に共感する。

*****

きっと、自分の様に、
登場人物を一回できちんと覚えられない人よりも、
スラスラッとこの世界に入って行ける人の方が多いだろうが、
そういう人ならば、きっとこの小説も、楽しんでサラッと読めてしまうと思う。
文字自体は大きく、話もそんなに長く無いので。

ちなみに、「半沢直樹」の続編は、
またテレビドラマ化されるか、
または、テレビよりも収入の多くなる劇場版にするかで今は話し合われているらしいが、
どちらでも良いから、ぜひ続編を作って欲しい。

結局は、テレビのインパクトが大きすぎたんだろうな、と思う。

2014/1/30 22:13


追記:
それにしても、登場人物の中には、
腐った奴らばかりで、
こんな奴らばかりがいる企業が実際に日本には沢山あるとしたら、
そりゃ相当まずいな、と思う。

考える事は、自分の出世と、保身。
同じ会社の上司や先輩、後輩と意見が食い違う場合には対立し、
自らの保守の為だけに会社に通う。

そういう事には自分は全く興味がありませんが、
そんな風にだけは絶対にならない様にしましょう。

*****

そして、最近実際にやってみて痛感しましたが、
半沢直樹の様に、曲がった奴らには正面からガンガン歯向かい、
「やられたらやり返す。倍返しだ!!」的な生き方を実際に会社でしてみると、
一瞬相手を打ち負かしてスカッとはするけれど、
ハッキリ言って、かなり疲れるし、
色々と敵を作ります。(当たり前だ)




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