January 11, 2014 16:24

「烈炎に舞う」落合信彦

_SX230_

読みました。
オリジナルは1996年初版発行。

*****

かなり面白かった。
分厚い本だけど、あっという間に読み終わりました。

舞台は、1980年代後半。
天安門事件とベルリンの壁崩壊が起こる前。
中国とソ連という二つの共産主義=アメリカにとっての悪をこの世界から亡くす為に、CIAが仕組んだプロジェクトを決行する男と、
それに対して歯止めをかける日本人主人公の闘い。

落合の作品は、水戸黄門の様で、
毎回展開は同じものの、決して裏切らないハードボイルドさとグローバル感があります。

今回も、主人公の富島新五と、敵対するアントニオ・ガルシアーノ(父親日本人、母親グアテマラ人のハーフ)は、実は父親が同じだったという展開。

富島は高校を主席で卒業後、「大学は時間のムダ」との理由から、ホテルで4年間働く間に、独学で英語、中国語、スペイン語をマスター。それと同時に経済や歴史、世界中の文学からスピノザ、デカルトなどの哲学までをもマスターする。
言語に至っては、ホテルのバーでバーテンダーをやりながら、そこに客として来る人間と話す中で、世界各国の英語の訛りから、ブリティッシュイングリッシュ、アメリカ南部の訛りなどもマスターするという凄さ。

その後彼は、1年間フランスの外国人部隊で体を鍛えた後、更に2年程世界をバックパックで周り、ビジネスのチャンスを得る。
そして25歳で日本に帰ってきた後は、父親の友人の助けもあり、銀行に1500万の融資を出してもらい、商社を始める。そして数年後には、「情報」を扱う総合商社の社長として、31歳ながら、世界を股にかけて仕事をこなす。

・・・ここまで書いてみると、何だか俺が高校から大学時代、そしてその後卒業後の進路を考えていた道筋とかなり似ていることが発覚。この本を読んだ記憶は無かったが、結局は、落合がいつも本で書いている事にかなり影響されていた事を認めざるを得なかった。

(主人公の仲間で、中国人の陽という人間が出て来るが、彼は優秀な頭脳を持ち、大学を17歳で主席で卒業する。その後日本の東大大学院に留学生として来るが、中国政府から支給される生活費は一ヶ月5万円。その内2万円を本に使い、残りの3万円では生活も出来ず、結局風呂は3日に一度、そして最終的には中華料理屋でバイトをするも、フラフラになり栄養失調で倒れるところを、たまたま仕事帰りに歩いていた富島に助けられるという展開。
留学生なら、栄養失調になる前に、誰か周りの人が助けてくれるだろうと思うので、そこの展開にちょっと無理がある。でも、本代に一月2万円を使うという設定は、落合のエッセイで、彼が実際に会った中国の若者の話で書かれていたので、そこから引用してきた事が分かる。実際の話では、給料の半分以上を本に使う、という話だった気がする。)

*****

とにかく、落合の世界を目の当たりにして、「すげえ!カッコいい!」と純粋に憧れていた若き頃の自分は、彼の小説にかなり影響を受けていた様です。
今では、彼の小説もかなり展開が強引なので、それは無いだろうと突っ込みたくなるところも満載ですが、やっぱり彼の作品は、自分にとって心地良いのです。

2014/1/11 16:22




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