September 16, 2013 23:02

「千秋の讃歌」 落合信彦

08775363

2006/6/26発行。
この本は、2006年、俺が大学の頃、
夏休みに日本に帰ってきて就職活動をしている時に買った。
当時受けていた会社の一つ、その会社が入っているビルの1階にあった本屋で見つけて、
その夜に買った記憶がある。

その後、アメリカに持って行って、
大学のクラスの前なんかに、クラスのある教室の前で読もうとしていた事を覚えているが、
結局その頃は、余り落合の小説の話に入って行く事ができず、
何度か出だしの部分を読んだものの、
最終的に最後まで読まずに終わっていた。

その後、アメリカを去る際に一度向こうの本屋に売って、
日本に帰ってきて、また読んでみたくなって、
再度Amazonで買って、でも、数年放置していて、
今回、初めて読破した。
4日間で読んでしまった。

*****

今回のテーマは、プロジェクト・オメガ。
その内容とは、環境を操作する兵器fの話。
この本では、2004年のインドネシア、スマトラ島沖の津波や、
2005年8月のハリケーンカトリーナ、
また、1998年以降の地球温暖化は、
全てアメリカが仕組んだ「環境テロ」であると唄っている。

果たしてそれが真実かどうかは分からないが、
確かに、地球温暖化が起きている理由は解明されていない事などから、
一理あるかも、と思ってしまう。

昨日から台風が日本を襲っているが、
今回もやはり、今年の猛暑により、海面の温度が高くなっていた事が、
より大きな台風を引き起こす要因となっていると、
今朝のニュースでやっていた。

この本の中でも、カトリーナに関しては、
アメリカが大西洋をその兵器により照射し、
海面温度を上げた事によって、もたらした惨事である、と。

*****

また、読んでいてビックリしたのは、
この本の中で、主人公の佐川たちが途中で逃げる為に隠れる場所として、
メキシコのチチェン・イッツァが選ばれていたということ。

チチェン・イッツァはマヤ文明の残したピラミッドであり、
ちょうどこの年の終わり、2007年の正月に、
俺はたまたまグアテマラのティカールへ行っていたので、
同じ様な時期にマヤ文明のことが取り上げられていて、
奇遇だなと思った。

俺にとっては、2005年のハリケーン・カトリーナも、
自分がそのハリケーンがニューオーリンズを襲う数週間前に訪れていたこともあり、
非常に身近なニュースだったので、
この本は、ちょうどタイムリーで、
自分が辿った軌跡に近いものが描かれていた事を知り、
何とも奇遇だな、と思った。

*****

話の流れとしては、落合は最新のテーマを採用する分、
やはり彼の初期の作品、オイルを扱ったものの方が、
「自分の畑」という感じがして勢いがある。

新しい作品になるほど、
そのテーマを調べて書いている感じがして、
小説全体に、初期作品にみられる流れる様な勢いがない。

しかし、毎回、彼の作品がダイナミックさとスケールの大きさを兼ね備えているのは事実であり、
その面白さに、また次も読みたくなってしまう。

2013/9/16 23:01





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