August 11, 2013 23:24
「アメリカン・ポップ・アート展」
妻と一緒に行ってきました。
新国立美術館。
通常の入場料は1500円、
前売り券は1300円ですが、
会社の近くのチケットショップで、
9月9日までに入ることが条件のチケットを、
1000円でゲット。
12時過ぎから、1時間ちょっとかけて観てきました。
*****
俺は、正直、ポップアートには全く興味がありませんでした。
多分、妻が行きたいと言わなかったら、
絶対行っていないと思います。
でも、彼女がすごく楽しみにしていたというのを聞いて、
先日チケットを買ってきました。
中に入ってみて、アンディ・ウォーホルの作品などを見ても、
「ああ、これがあの有名なウォーホルか。でも、だからなに?」
という感じで、全然感動しませんでした。
(大学のアートヒストリーのクラスで、
ウォーホルは確か1日以上取り上げて先生が解説していた記憶がある。
ウォーホルが映画の中で撃たれて死ぬ、というストーリーの映画などを見せられて、
「ずいぶんとナルシストなアーティストだなあ」という印象が強くて、
全然好きじゃなかった。)
俺は元々、ルネサンス時代の絵画など、
「技術」の凄さを賞賛してしまうタイプなので、
こういう、感性だけで走っている現代アートは、
どうもAppreciateできないところがあった。
でも今日は、妻に、
「これらのどこがいいの?」と聞いて、解説してもらった。
Pop artは、Popular Art。
つまり、大衆向けの、意味は特にないが、
パッとみて、「ああ、これ良い!」と思われる雰囲気を持つ作品。
「Pop artっていうのは、
これをTシャツにしたら、人が買うかどうかなんだよ」
との彼女の言葉に、なるほどおと思った。
確かに、ウォーホルやロイ・リキテンスタインの作品をTシャツや
ポスターやマグカップにすると、
つい、欲しくなってしまう。
その、色使い。その、感覚。その、感性。
それらを、心が感じるままに、
難しいことを考えずに、
ただ、「好きか嫌いか」で感じるのが、
ポップアート。
ロイ・リキテンスタイン/Roy LICHTENSTEIN
《鏡の中の少女》/Girl in Mirror
1964年 106.7×106.7cm
エナメル/鋼板
*****
ということで、
クレス・オルデンバーグの《ジャイアント・ソフト・ドラム・セット》など、
意味が分からない作品だらけでしたが、
中々楽しめました。
シュールです
彼女は、このアーティストの作品に、
特に感激したみたいです。
「ティーバッグ=ミッキーマウス」
みたいな意味不明の作品もありましたが、
ああいう感性が大好きみたいです。
「こんなに心を動かされたのは久しぶり」
と言っていました。
(この発言は特に、
懐中電灯から黄色い光が漏れて、
山から河に溢れ出している作品について言っていました。)
これ
クレス・オルデンバーグ/Claes OLDENBURG
「ティーバッグ=ミッキーマウス」
*****
僕は、妻とは結構色んなところで感性が合いますが、
同時に、俺は真面目一直線なのに対して、
彼女はいかに手を抜いて楽をするか、効率よく生きるかが得意。
俺は、真面目な頭の固い奴らの本ばかり読んで生きてきて、
お笑いなんかは「時間の無駄」と思って一切TVを見ずに生きてきましたが、
彼女は、お笑いや下らない番組、つまり、笑いこそ大事なものであり、
それらを観るのが大好き。
そんな、似ているところは似ているけれど、
違うところは全然違う2人が、
やはり、今日も、
ポップアートを全然理解できない人間と、
それに、今までにないくらい衝撃を受ける人間。
「こうも、人間によって、
感じ方が違うんだな。
しかも、かなり似ているはずの夫婦なのに、
こうも、感性の違うところは全然違うんだな」
ということに、何か深いものを感じました。
以上。
2013/8/11 23:22
追記:
ちなみに、妻いわく、
クレス・オルデンバーグ(Claes OLDENBURG)の作品には、
ダリやゴッホなど含め、
今までみたどんなアーティストの作品よりも心を動かされたそうです。
「この人の存在を今まで知らなかったことが恥」
とまで言っていました。
そこまで言わしめるクレス・オルデンバーグ。
僕には全くその良さが分かりません。
(彼女が他に好きだった彼の作品は、
「ベイクドポテト」
「クマ」
「クマ=消火栓」など。
ベイクドポテトなんて、ただのベイクドポテトをいたずら書きした様な作品と、
実際に立体で作ったただの作品です。
これ
クマは、ただのクマの落書き。
このクマじゃないけど、
こんな感じのクマ
「クマ=消火栓」に至っては、
意味が分かりません。
でも、彼女にとっては、
心を何よりも揺さぶられたそうです。
本気で、「もう一回観たい」と横で言っています。
そして何より、
「彼の作品を、自分と同じ様に『これは良い』と評価している人間が
他にもいて、こうして、彼の作品が世の中で評価されて保存されている、
そのことが何よりも嬉しい」そうです。
もしかしたら、誰もが彼の作品を良いと思うのかもしれませんが、
凡人である僕には良く分かりません。
完全にクレス・オルデンバーグ氏はヘンタイゾーンだと思いますが、
しかし、妻は彼の作品に今日出会えて、
本当に人生生きてて良かったということです。
よかったよかった。