April 06, 2013 22:56

"Flight"

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観ました。
やっと観ました。

素晴らしい映画でした。
感動しました。
とても良かった。

****

俺は、他人の映画の評論を見るのが嫌いで、
特に、その映画を観に行く前に
それらを見てしまうのは、本当に嫌うけど、
今回、この映画の劇場情報を調べる際に、
Googleレビューが下に出て来てしまって、
星が5つ中、3つとかしか付いていないレビューを、
ちらっと見ていたので、
「あれ?評判は悪いのか?」
と思っていましたが、
何のその。

最高の映画じゃないですか。

恐らく、この映画の評価が低かった人は、
もっと、サスペンスとか、アクションとか、
別のジャンルのものを求めて観に行ったんじゃないかな、
と思います。

この映画は、「自分との対峙」がテーマです。

*****

アルコール、及び薬物依存症のWhip(デンゼルワシントン)。
その彼が操縦する飛行機が、
飛行中に壊れ、
飛行機は真っ逆さまに急降下して行く。

そのどうしようもない状況で、
彼は見事、一度逆さまになって水平に飛び、
下へ落ちるスピードを逃した上で、
不時着できる場所を見つけて、
そこへ、
また機体を元に戻し、
不時着する。


しかしながら彼は、フライトの朝も、
ベッドから出る直前に鼻からコカインを吸い、
機内でも、機内アナウンスを乗客にしつつ、
片手でオレンジジュースのボトルにウォッカの小瓶を2本入れ、
それを飲んで操縦する。


*****

機体が墜落し、
その後、彼はヒーローともてはやされるのもつかの間、
彼の体からアルコールとコカインの反応が出て、
それに対して、弁護士チームが必死に証拠隠滅に走る。

そこで、彼は、
最後の証人喚問を迎える。

そこで彼の取った行動とは・・・?

****

という感じのあらすじ。


予告編では、余り触れられませんが、
この映画は完全に、
アルコール依存と、薬物依存、
そして、その中で、
人は、自分とどう向き合って行くのか、
ウソをつき続ける人生が、如何なるものか、
自分の事を守る為に、
相手に、ウソを付いてくれ、という事が、どのようなものなのか、
妻と息子に愛想を尽かされ、
一人さみしく、アルコールに浸っていきて行く事が、
どのようなものなのか−−−−−

そのようなことを描いています。

*****

アメリカ人が良くハマる現状を描いています。

よって、アメリカの現状を余り知らない人は、
映画が淡々と進んで行く感じがして、
つまらないのかもしれません。

また、デンゼルワシントンのファンでない人にも、
やはり、つまらないかもしれません。

しかし、彼は本当に演技がうまい。

上に書いた様な、
自分の保身のために、
相手に、少しの嘘をついてくれ、と、
頼むときの、
その、後ろめたさと、微妙な心情。

そういったものを、些細な表情で演じ切ります。


*****


【ここからはネタバレあり】




























最後、彼の入っている刑務所に、
自分の息子が訪れる時。


それまで、息子が登場したシーンでは、
"Who are you?"
(あんたは一体誰なんだ!?)
と罵倒され、自分の買った家を、
今では自分の事を憎む妻と息子に追い出される始末。


しかし、最後のそのシーンでは、
青空の下、
息子が、
「父さん、大学受験のレポート用に、
エッセイを書かなきゃいけないんだ。
手伝ってくれよ」
との言葉とともに、
デンゼルワシントン演じるWhipが、
「どれ?どんな題名なんだ?」
と聞くと、
「今まで自分が会った中で、一番尊敬できる人物」
という題名であることを知り、驚く彼。


その後、息子が、
自分の携帯の録音機能をONにした後、
こう聞く。

"Dad, Who are you?"
(父さん、父さんは一体、”誰”なんだい?)



そこで、デンゼルワシントンは、
虚をつかれたような顔をして、
瞬きしたあと、
少しだけニヤッと笑って、
こう返す。

"That's a good question."
(良い質問だな。)


*****


本当に、良い映画でした。
心にジンと来ます。

ぜひ、見てみて下さい。

2013/4/6 22:55




PS.ちなみに、
弁護士役でドンチードルさんが出ていますが、
彼の出る映画は、結構感動するヒューマンドラマ系の
良い映画が多いですね。

アダムサンドラーとの"Reign Over Me"とか、
"Hotel Rwanda"とか。


それと、デンゼルワシントンさんが
思いっきり薬を吸うシーンがありますが、
そこの描写も、かなりリアルに、かつ面白く描かれていて、
良かった。

ヤクの売人、かつ友達みたいなやつが出て来て、
そいつの演技も面白かった。

最後、デンゼルワシントンが、
公聴会の朝に酒を飲んでしまって、
べろべろになっているのを、
コカインでシャキッとさせよう、という時に、
部屋に来る。

その時に、弁護士を含む二人が、
彼のバッグに手を触れようとすると、
"Get off your f&%k'n hands, you mother f$%kers!!"
みたいな。


思いっきり、"The America"
という感じの映画でした。


*****

PS.あともう一つ。
この映画の中には、「信仰」「宗教」というものも、
テーマとして出て来ます。

Whipが事故後に入院する病院。
そこで、ガン患者に会います。

頭を丸く剃って、顔色も悪い彼は、
WhipとNichole(もう一人の主人公)が、二人で非常階段で
タバコを吸っていると、
下から歩いてくるのですが、
そこで、彼らに話しかけます。


「俺は、神様に選ばれたんだ。
このガンも、特殊なものだってよ。
俺が、神様に、『このガンを俺に下さい』って頼んだら、
神様はくれたと思うか?
答えはNOだ。
つまり、I'm chosen.(俺は選ばれたんだ。)
同時に、俺は神様に、
『この病気を治して下さい』と頼んだけど、
これもダメだったよ。

結局、人生の全ては、
神様がそうなるようにできているんだよ。
そして、そうやって思うことで、
同時に、一番楽になるんだ。」





また、Whipの隣で飛行機を操縦していた
副パイロットの白人の男性。

彼は、信仰深く(キリスト教)、
事故後にベッドで寝ている姿の際にも、
彼の横には、同じく信仰深い妻が付き添っています。

そして彼らは、Whipが酒を飲んでいた事をしっているからこそ、
この飛行機墜落事故は、
機械のせいでもあると同時に、
Whipにも、同じく責任を問いただしたいのですが、
見舞いに初めて来た彼に対して、
最初は、
「あなたはあの日、ベストコンディションじゃなかった。
(事故の原因が)機械のせいだろうと、
あなたが酒を飲んでいた事に変わりはない。」
と冷たく言い放ちます。


しかしその後、
「だが、この事故はそもそも、
神様が仕組んでくれたものだったんだ。
We're the chosen.(私たちは神に選ばれたんだ。)
Amen. Oh Lord, Jesus.」
と言って、妻と3人で、手をつないで、祈るシーンが出て来ます。


その時、Whipは、
複雑な表情をしているわけです。
恐らく彼は、キリスト教信者じゃないかもしれないし、
例えそうであっても、信仰深くない。
決して、今回の事故を、
「神様がしむけた事だから」という風に、
片付ける、というよりは、
自分の中の葛藤と、自分のことだけで忙しい。




そしてまた、
Whip自身も、酒に浸りながら、
Nicholeに、
"I chose to drink!
My wife left me and my son hates me, because I chose to drink!!
NOT drink chose me!
I chose to drink!"
(俺が、酒を飲む事を選んだんだ。
酒を飲む事が俺を選んだわけじゃない。
俺の妻が去ったのも、息子が俺を憎んでいるのも、
俺が酒を飲む事を自分で選んで、
そうするように自分の意思でしているからなんだ!)

と、叫ぶシーンがあります。


つまり彼は、
「誰かに(自分の意思や行動を)選んでもらう」
ということではなく、
「自分で、どうするか選択して行く」
ということに、拘りを持ち、
また同時に、そう思いたい、
という意思があるのでしょう。


だからこそ、
それが、公聴会での、最後の『選択』にかかってくるのです。



*****

2013/4/7 8:22am













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コメント一覧

2. Posted by shun   April 12, 2013 00:10
ひろさん です さん、
コメントありがとうございます。
そうですね。最近のハリウッド映画とは違って、とても中身のある良い映画でした。ぜひお勧め致します。
1. Posted by ひろさん です   April 11, 2013 03:11
最近のブログを拝見しました。
良い映画のようですね。お決まりのハリウッドアクションかと思っていました。 私もそのようなホロッとする映画が好きです。

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