December 30, 2012 14:50

「スティーヴン・タイラー自伝」by Steven Tyler(原著)田中武人 (翻訳), 岩木貴子 (翻訳), ラリー・フラムソン (翻訳)

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"Does the Noise in My Head Bother You?: A Rock 'n' Roll Memoir"の日本語訳版。

昨日から読み出して、
さっき読み終わったが、
もの凄く読みにくかった。

原著の方は、2011年の5月頃、
出版された頃にAmazonで買って、
今年の10月から11月頃にかけて読んでいて、
もの凄く面白かったけれど、
ところどころ、意味が分からない部分があったので、
日本語訳を読みたいなと思っていた。

いざ、日本語訳を呼んでみると、
一つ一つの文章は、
その意味をきちんと訳しているんだけれど、
スティーヴン・タイラーのオリジナルの言い回しが持つ韻(ライム)のリズムや、
彼独特のユーモラスな言い方が、
日本語訳ではかなりかき消されている。

よって、文章全体に「流れ」がなく、
まるで、一文一文が、つっかえながら存在している、
という感じ。

俺は既に、英語で読んでいたので、
その原文の流れと記憶が頭にあるまま、
「ああ、日本語訳だとこういう意味なのね」
という感じで、既に解いたテストの答え合わせをするような感じで、
「参考書」という感じで流し読みをしたので良かったが、
これが、いきなりこの日本語訳の方を最初から読んで行くと、
とても読みづらいと思う。


読みづらいもう一つの理由は、
スティーヴン・タイラーの話は、行ったり来たりするし、
何かの話題をしている最中に、
「ちなみに、これに関することで・・・」と
別の話題がバンバン入り込んでくるので、
普通の頭で読んでいると、
「え?今何の話をしていの?」
と混乱してくる。

不思議と、英語で読むと、
その「イライラ感」や「話が行ったり来たりするな」
という印象は残らなかったのだけれど、
なぜか日本語訳を読むと、
その印象が際立ってくるので、
読む事にとてもパワーを使うし、
読み終わって、すごく疲れる。
で、文章のまとまりが無いように感じられて、
読み終わった後、気持ちよさが残らない。

*****

ボロクソに言ってますが、
翻訳者は3人で協力してやったみたいで、
その点に関しては、大変だったんだろうな、と思います。

そもそも、スティーヴン・タイラーのあの独特の言い回しを、
そのリズムやフローを崩さずに、
別の言語(しかも、英語とはかなりかけ離れている日本語)
に訳す事は、不可能なのではないかなと思います。


*****

というわけで、
恐らくこの本は、日本語版はあまり人気が出ないと思いますが、
原著の英語版の方は、とても面白いし、
スラスラと読めるので、
ぜひ英語版をおすすめします。

2012/12/30 14:48






追記:
日本語訳のありがたいところは、
文章の途中で出てくる、様々な単語や固有名詞に対して、
引用が付いているところ。
なので、そういう意味では、
この日本語訳は良く出来ていると思う。

でも、日本語訳にした後のゴツゴツ感がありすぎるというか、
余りにも文章全体に流れがないので、
その点は、
オリジナルの良さを再現できていないので、
もったいないなと思う。


*****

思うに、英語を日本語に訳す際というのは、
英語の原文をそのまま直訳していると、
決して、「自然な日本語」にはならないもので、
だからこそ、英語を訳す際には、

,泙此英語の原文の意味を捉える
△修譴髻英語の意味をそのまま直訳せずに、
日本語で『流れ』のある文章に置き換える
最後に、原文の意味がきちんと通っているか、
文章の校正をする

という手順が必要だと思います。
これは、どんな文書を訳す際にも、
または、通訳をする際にも同じです。

それに対して、
この本の日本語訳版の文章が持つイメージは、
 岼譴聴譴弔留儻譴慮曲犬髻△修里泙淞礁した」
◆崋,法△修琉譴聴譴弔諒絃呂髻△燭世弔覆合わせた」
という感じがしてなりません。

日本語訳にする以上は、
A.「英語の原文の意味を、直訳でも良いから、
できるだけオリジナルに忠実に、再現する」という場合と、
B.「オリジナルの英文と、意味は100%同じではなくても良いから、
より、オリジナルの文章が持つ『流れ』や『ニュアンス』を大事に、
意訳する」
という2パターンが考えられると思いますが、
この日本語訳は、完全に、前者を取ったと思われます。

偉そうなことを言っていますが、
英語の文章を日本語に、
しかも、オリジナルの英語の文章が、
支離滅裂で、英語でしかニュアンスが通じねーよ、
という文章(まさにこの本)を訳す際には、
かなりの苦労を要するのだと思います。




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