December 07, 2012 23:31

「ダンス・ダンス・ダンス」by 村上春樹

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村上さんの「ダンス・ダンス・ダンス」を読み終わりました。

たしか、2週間くらい前からちびちびと読み出して、
今日に至った気がします。


この2週間くらいは、
そんなわけで、とても楽しませてもらいました。

毎日、すこーしずつ読んで行きました。

*****


正直、この小説は、
2010年の冬に、他の本とまとめて買って、
それから、今までずっと読まずに来ました。

何回か、この本を読もうと試みたのですが、
毎回、最初の数ページを読んだところで、
どうもその世界観に入り込めず、
途中で断念していました。



先月の半ばに実家の方に帰った際にも、
この上下刊を持って移動をしていたのに、
結局全く読まずに終わりました。


****

ということで、
ちょっと、最初の部分をブレイクスルーすれば、
きっと面白くなるさ、と、
少し読み出したところ、
一気にはまってしまいました。


1988年に講談社より発刊。


*****


このお話は、前作の「羊をめぐる冒険」から続いていますが、
中々、素晴らしい世界観を持っています。


今回の方が、一作目の「風の歌を聴け」、
及び二作目の「羊をめぐる冒険」よりも、
読み易くなっている気がします。


*****


まだ読み終わったばかりで頭の中がまとまっていないので、
余り長くは書きませんが、
1つ言えるのは、
物語の出だしから、最後の部分まで、
ずーっと単調な感じで流れてくるのに、
最後の最後で、一気に加速して、
話が展開して行く、という感じ。


そして、最後のシーンでは、
やはり、体の中をアドレナリンが走りました。

好奇心と、恐怖と、ぞわぞわとした感覚が、
一気に来る感じ。



*****


この小説は、やはり「暗闇」や「向こうの世界」をテーマにしていること、
また、登場人物の多くが死んでいくことから、
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
「ノルウェイの森」
などと相通じるところがたくさんある気がします。



村上さんはやはり、
自分の書く物語を通して、
「向こうの世界」
「人間が奥底で繋がる、闇の世界」
を、描こうとしているのかもしれません。


*****


そして、その「世界」を、
リアルに描き出すからこそ、
好奇心とともに、恐怖感が、
読む者を襲うのです。


*****


ちなみに、最後は一気に話が加速して、
怖くなって行ったので、
今は、恐怖感と、「いやあ、すごかったな」感しか残っていませんが、
最後に辿り着くまでの、
主人公の僕と、周りの登場順物とのシュールなやり取りは、
とても面白く、読んでいて心地の良いものでした。


一人、登場人物で、
五反田君という、
僕の中学時代の同級生が出て来ます。



彼は学生時代から何をしてもカッコ良く、
周りの女子は、みんな彼に惚れているのですが、
そんな彼のことを、毎回主人公の僕が、
ちょっと皮肉に、表現する部分が多々出て来ます。


そして、そのシュールさは、
村上さんが自分のエッセイ(「村上朝日堂」など)で、
よく出す、あの独特の笑いの感じと似たところがあるので、
読んでいてとても面白かったです。



1つ爆笑したのが、
ある日、五反田君が、
主人公の家を訪ねに来た時か何かに、
彼はごく普通のVネックのセーターと、普通のチノパンと、
普通のテニスシューズか何かを履いているのですが、
そんな適当な格好でも、
やはり彼は誰よりも目立っていて、
「エルトンジョンが、オレンジのシャツと紫のジャケットを着て、
ハイジャンプをしているくらい目立っていた」
という感で言い表している部分があります。

ここは本当に笑いました。

*****

ということで、
夜中に無音の中で、クライマックスを読んだこともあり、
未だにちょっと怖さが残ってはいますが、
全体的には、とても良い意味で、方の力が抜けた感じの小説で、
とてもいい雰囲気を抱えています。



2012/12/7 23:31




追記:
そういえば、これで村上さんの長編小説は
全て読んでしまいました。
ちょっと残念。


これからは、また今までの長編小説を読み返したり、
または、まだ読んでいない短編小説やエッセイなどを
読んで行こうと思います。





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