October 20, 2012 17:53

「アリス=紗良・オットからヤナーチェックまで」

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2012/10/20 17:07-

昨日は、Oさんと一緒に呑んだ。

Oさんは、6月に会社を退職した方。
初めて一緒に呑んだのは8月で、
その後、先月(9月)も一緒に呑んだ。

それ以来、「毎月呑みましょう」
てな感じになっている。

*****

昨日は、9月と同様二人で呑んだ。
ワインを呑みながら、
Oさんの持つ、全部で1000万近くする
超高級オーディオで、
クラシックやオペラ、ロックにジャズなどを聴く。

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彼が使っているアンプはマッキントッシュ製で、
それだけで確か100万近くするとか。
それから、彼の持つスピーカーは、
片方で100万、両方で200万、だったかな・・・?

アンプとスピーカーを繋ぐぶっといケーブルも、
一本数万円の単位で、
段々と、その空間にいると、

「このケーブルは一本2万円」
「お、それなら僕にも買えそうですね!・・・??(絶対に買えない)」

的な感じで、段々金銭感覚が麻痺してくる。


*****


前回は、ワーグナーの『ニーベルングの指環』の
映像を観たり、
あとは、彼が最近買ったという
これまた高級なアナログレコードプレイヤーで、
ジョン・コルトレーンを聴いたりする。


今回は、
彼が今度名古屋にリサイタルを聴きにいくという、
アリス=紗良・オット(アリス=さら・オット、Alice-Sara Ott)
の、先日発売されたばかりのアルバム、
『ピクチャーズ』を聴いたり、

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後は、俺がぜひ良いスピーカーで聴いてみたいと思い
持って行った、
エアロスミスやジョンメイヤー、
ノラジョーンズのアルバムをかけてもらう。

(ノラジョーンズのファーストアルバム
『Come Away With Me』をかけたら、
ものすごくよかった。

それと、ジョン君のは、
『Continuum』の中の
『Gravity』をかけたんだけど、
ものすごくよかった。


スピーカーが、それは、
俺の背丈位あるバカでかいもので、
アンプもものすごく良いから、
ベースの音がすごく大きく、しかもクリアに聞こえて、
普段自分が使う小さなスピーカーや、
または、ヘッドフォンでは絶対に聴き取れなかった、
ベーシストの指が弦を這う音なども聞こえて、
それはもう、感動ものだった。

今までずっと聴いていた音楽でも、
そうやって、まったく違う、
高性能の良いスピーカーで、
大音量で、
文字通り、「音が上から降って来る」
ような感じで、
「自分の体を全部、音楽に浸して聴く」というか、
「音楽の体積の方が、自分の存在よりも格段に大きい状態」
で聴くと、
それはもう、本当に別次元の体験なわけです。

まるで、昨日あのスピーカーで聴いたそれらの曲は、
ジョン君の録音スタジオに行って、
その場で聴いたかの様な、
そんな不思議な感覚を持たらせてくれました。

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ちなみにエアロスミスは、
『Dream On』と、
『Walk This Way』
『Nine Lives』辺りをかけてもらった。)


*****


それともう一つ。

Oさんも、村上春樹が好きだそうで、
初めて彼の作品を読んだのは2010年頃なんだそうだが、
そのときに初めて『海辺のカフカ』を読んで、
これは面白い!となり、
その後、村上さんの小説やエッセイは、
ほとんど読んでしまったとか。


そして、その影響で、
村上さんが好きな『カラマーゾフの兄弟』も買って、
二人の翻訳家のバージョンを、それぞれ読んだとか。

(そんなわけで、昨日は新しい訳の方のそれを、
貸して下さいました。感謝。)



ということで、
昨日聴いていた『アリス=紗良・オット』の
『ピクチャーズ』
のアルバムの中には、
『海辺のカフカ』の中で、
大島さんが車の中で聴いていた
シューベルトのピアノソナタ第17番が入っていて、
それを聴きながら色々と語る。


それとその後は、
『1Q84』の、最初の青豆が乗るタクシーのシーンで
かかっている、
ヤナーチェックのシンフォニエッタも聴く。

(Oさんは何でも持っていて、
それも、50枚入りのセットのボックスから取り出して聴かせてくれた。
彼の音楽コレクションは膨大で、
クラシック、オペラ、ジャズはほぼ何でも揃っている。)


俺がこの音楽を聴いたのは初めてだったんだけれど、
まるで、深い森の奥深くへ入って行く様な、
『1Q84』の帯に書かれていた『さらに深く、森の奥へ』
のような、そんなイメージの音楽だった。

やく3年前ほどに読んだ『1Q84』の小説が、
ただの映画のシナリオだったとしたら、
この音楽を聴いたことにより、
そのシナリオに対するBGMがズバッと決まり、
まるで、それまでただの文字だったものが、
一気にカラフルな3Dのイメージに変わった様で、
そんな不思議な感覚がした。

『1Q84』の世界観に、テーマソングが付いたら、
こんな感じなんだろうなと、
そう感じた。


*****


ちなみに、去年出た村上さんと小澤さんの対談、
『小澤征爾さんと、音楽について話をする』
も、Oさんは読んですごく面白かったそうな。

俺は、この本を去年発売されて買ったんだけど、
少し読んで、よく分からなくてそのままにしている。
Oさんみたく、クラシックの大ファンにとっては、
村上さんの小説や対談は、またそういった意味でも、
ものすごく面白いらしい。

彼曰く、
村上さんの音楽に対する洞察力はすさまじいそうな。

今度読んでみよう。


*****


ということで、
音楽や作家の趣味が合い、
とても貴重な友人(歳は30歳近く離れているが、ただの知り合い、
という感じではなく、もう完璧な友人、という感じです)
ができて、とても嬉しい。

Oさんも、
「この辺には、こういう音楽を聴く人間もいないし、
小説を読む人間もいないから、
中々話が合わなくて寂しいんだけど、
こうして色々と話せて嬉しいなあ」
と言ってくれます。

ちなみに、彼は映画も大好きで、
映画の話でもよく盛り上がりました。

(今思い出したけど、
前回は、『2001年宇宙の旅』『ファイト・クラブ』『ダークナイト』
などを観た。
『ファイトクラブ』に関しては、
俺はかなりの大ファンで、
俺の周りで好きな人は、妻と、
アメリカ人の友達の計二人しかいなかったんだけれど、
Oさんも実は大好きなようで、DVDを持っていた。
俺が、「あ、ファイトクラブじゃないですか」
というと、
「え?この映画知ってるの?嬉しいなあ!」と。
彼の周りにもやはり、この映画を好きな人はいないらしく、
話せる人がいなかったそうです。

そんなわけで、この日は最初に
『2001年宇宙の旅』を少し観て(初めて観たけど、すごく印象的な映像だった)
それから『ファイトクラブ』をちょっと観て、
その後、ブルーレイで『ダークナイト』を観て、
その画質の違いに驚きまくる。

俺もいつか欲しいぜ、ブルーレイと大画面TV。)


*****


そんなわけで、
昨日も楽しく過ごしました。

次回はまた来月です。


2012/10/20 17:53








追記:
ちなみに、上に挙げたアリス=紗良・オットは、
かなり有名みたいですね。
日本人の母親とドイツ人の父親のハーフだそうです。

何か、彼女の演奏には、
人の心を動かすものがある気がします。


"Alice Sara Ott: Alice Sara Ott plays Chopin's Complete Waltzes" in Englisih



上に挙げたYoutubeのビデオでは、
ショパンが、彼の生徒に、
暗闇の中で何も見ずに、音楽の音を深くまで聴くことを教えたこと、
そして自分もすごくストレスを感じた日にはそれをすることや、

自分が3歳の頃に、両親にピアノのコンサートに連れて行かれて、
そこでピアノの音を聴き、
「これなら、自分の想いを多くの人に伝えられる!」
と感じて、その夜にママに、
「ピアニストになりたいの」と伝えたこと、

自分の日本人の祖母が亡くなるとき、
電話を通して、ピアノを弾いたことなど、

色々なことを話しています。

最初にこのビデオを見つけたヴァージョンはドイツ語版で、
「何言っているか分かんないや」という感じでしたが、
英語版があってよかったです。

でも、日本語で話しているビデオなどもあるので、
3カ国以上話せるんですね。

彼女の英語のアクセントは、この人の演奏と同じで、
何か心を惹くものがある気がします。

いつか一度コンサートを聴きに行ってみたいです。





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