September 30, 2012 10:16

"Nine Lives" by Aerosmith

Aerosmith Nine Lives


Aerosmithの1997年のアルバム。
俺は、中学二年の頃にこのアルバムを初めて聴いた。

最初にアルバムをCDコンポにセットして、
一曲目の"Nine Lives"を聴いた時には、
「なんじゃこりゃ!?」という風に衝撃を受けた。

それまで自分が耳にしていた邦楽や、
または、既に聴いていた洋楽でも、
The BeatlesやBon Joviなどの聴き易さとは違って、
何だか、刺々しくて、
よく分からない、という感じの音楽だった。


でも、次第に聴いているうちに、
このアルバムにも慣れて来て、
今では、彼らのアルバムの中でも大好きなアルバムの一つとなった。

(思うに、
「最初に聴いた時に、「何これ?」と思って、
耳に慣れない音楽ほど、
後でそれにハマると、
抜け出せなくなる、という真理には、
このアルバムを筆頭に気づき始めたのかもしれない。)


*****



さっき掃除をしながら聴いていたけど、
やっぱりいいなあと思った。

3曲目の"Hole In My Soul"なんかは、
失恋の辛さを見事に歌った、
もの凄く生々しい曲だと思うし、


("There's a Hole In My Soul
That's been killing me forever
It's a place where a garden never grows
There's a Hole In My Soul
Yeah, I should have known better
'Cause your love's like a thorn without a rose"

の部分などは、
失恋をしているときに聴くと、
本当に心の奥深くに入り込んで来る。)



7曲目の"Ain't That A Bitch"なんかは、
非常に雰囲気があり、そのスモーキーさがカッコいい。
(この曲を聴くと、この曲の良さに初めて気づいた
高校2年の冬の、当時通っていたスイミングクラブから駅まで歩く途中の
あの道のりの風景を思い出す。
途中にあった公園の様子とか、
冬の空気の寒い感じとか。)


8曲目の"The Farm"を聴くと、
留学一年目によく遊びに行っていた
フォートジョーンズのザックとメーガンの家の、
ザックのあの狭い部屋を思い出す。
(俺は彼らの家に遊びに行くたびに、
ザックは俺にベッドを貸してくれて、
自分はお母さんのベッドで一緒に寝ていた。
当時8歳だったザックも、今では18歳のいい男になってしまった。)


10曲目の"Kiss Your Past Good-Bye"なんかは、
留学に行く前のちょっと前、
高校3年の終わり頃を思い出しますね。

電車の中でこの曲を聴いていたんだけど、
当時はちょっと失恋をしたばかりで、
その時に、いつまでも自分の気持ちが煮え切らないこと自体に
既に嫌気を感じていた頃、
この曲を聴いて、何だか、
「まさにその時の自分にピッタリのアドバイスをスティーヴン・タイラーにもらった」
という感じだった。


曲の中で、
"Kiss your past good-bye,
or kiss your ass good-bye"
というくだりがある。

要するに、
失恋なんかしてウダウダしているのにうんざりしたなら、
自分の過去に別れを告げちまいな、
そして、それもうまく行かなかったら、
いっそのこと、
テメエ自身に別れを告げちまえ、
という曲。


この曲を聴いて、
何だか自分は、
目が覚めた気がしたのです。


*****


他にも、
当時ヒットした11曲目の"Pink"だったり、
14曲目の"Attitude Adjustment"だったり、
(この曲もやはり、その失恋の思い出を引きずっていた頃に、
心に沁みた曲)

あとは、5曲目の"Full Circle"や、
15曲目の"Fallen Angeles"など、
バラードも純粋にとても良いです。

("Full Circle"は、
2007年くらいにアリゾナのSedonaに、
ロングビーチから車を走らせて週末で行って来た時に、
帰りの道中で、
自分のセントラ君をハイウェイの休憩所で休ませていたんだけれど、
その時の様子を思い出す。

その時は、あの小さなNISSANセントラで、
1000マイル(1600キロ)という距離を
たったの2日半で走っていたのだけれど、
余りにも厳しすぎたため、
車がひいひい言っていた。

それで、ボンネットを開けて、
少しでも熱をヒートオフしようとして彼を休ませていたところ、
隣にそのときパークしていたメキシカン系のあんちゃんに、
「おまえ、あの車でどこに行くのか?」
と聴かれた。
「セドナに行ってきたんだよ」
「ちなみに、どこから来たの?」
「ロングビーチだよ」
「・・・あの車でか!? ・・・・ワオ」

という感じで、かなりビックリされた。
もちろん、彼はバカでかいSUVに乗っていたわけですが。


*****


と、完全に自分の思い出話になりましたが、
とても良いアルバムです。
たまに無性に聴きたくなります。

2曲目の"Falling In Love (Is Hard On The Knees)"
なんかは、韻を踏みまくっていて、
スティーヴンタイラーのセンスの良さが光りまくっています。


You think you're in love
Like it's a real sure thing
But every time you fall
You get your ass in a sling
You used to be strong
But now it's "ooh baby please"
'Cause falling in love is so hard on the knees

There ain't gonna be no more
Beggin' you please
You know what I want
And it ain't one of these
You're bad to the bone
And your girlfriend agreed
That falling in love is so hard on the knees

I'm Jones' in' on love
Yeah I got the DT
You say that we will
But there ain't no guarentees
I'm major in love
but in all minor key
'Cause falling in love is so hard on the knees


など、とても良く出来ています。




(ちなみに、彼が去年出した自伝
"Does The Noise In My Head Bother You?"の題名は、
このアルバムの6曲目の、
"Something's Gotta Give"の中のサビの台詞から取っている。
彼のその自伝は、
エアロスミス内での色んな曲からラインを持って来ているので、
読んでいてとても面白い。)




以上です。

2012/9/30 10:38





追記:
ちなみに、スティーヴン・タイラーは、
いつも適当などうでも良い歌詞ばかり書いているかと思いきや、
たまに、何よりも本質をついた、
ハッとさせられる鋭いセリフを書くのです。

例えば、

"Livin' on the edge"の

If you can judge a wise man
By the color of his skin
Then mister, you're a better man than I

とか。


彼のインタビューなんかを見ていても思いますが、
常にライムを踏んで言葉をポンポン出すし、
いつもポイントを突いているので、
とても頭の回転が速く、
非常に頭のいい人だと思います。


常にバカをやっているけれど、
周りの状況をしっかり見て、
その中で敢えてバカを演じる、というか。


ちょっと、ビートたけしに似ているかもね。









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