September 15, 2012 11:04

「対岸の火事」

2012/9/15 10:38

アメリカのニュースを見ると、
(CNNやNBCなど)
現在イエメンやスーダンなどを中心に起きている、
イスラム教徒の反米デモのニュースがしきりに流されている。

アメリカ人が4人このデモで死亡し、
オバマ大統領やヒラリークリントンは、
この事件に関してコメントを述べている。

NBCでは実際にリポーターがデモの現場に行って、
暴動を起こしている人たちに、

「なぜ、アメリカ政府は今回の事件(ムハンマドを侮辱したビデオが流されたこと)に大して批判をしているのに、暴動を止めないのか?」

との問いに、

「全てはアメリカ人が悪い。オバマもヒラリークリントンも行動が遅い。
It's all American's faults!」と叫んでいる。

(ちなみに、きちんと「アメリカ人が悪い」と批判をしている人間の言葉を、アメリカのテレビ上で流していて適切だなと思った。日本のニュースは、日本人のことを批判している海外の言葉をそのまま流したりは余りしない。)


*****


一方、
日本では、中国の船が
尖閣諸島海域に侵入しているニュースで持ちっきり。
それ以外には、自民党総裁選の告知のニュースなど。

それと、芸能人が結婚をしたニュースなどがトップニュース。


*****


こうして幾つかの国のニュースを見ていると、
結局は、

「自分の国に関わることと、
自国の周りのことしか、
ニュースはフォーカスして流さないんだな」

というのを感じる。


アメリカ側では、今回の反米デモはそれは大事だから、
各国での凄まじい暴動の様子をしきりに映像で流しているけれど、
(車が何台も壊されたり、炎上したり、
米大使館が攻撃されて壊されたりしている)
そういう映像は、日本のニュースでは余り流されない。
ただ文字で、「数カ国での反米デモ」で終わっている。
(もちろん、マスコミによって流し方は違うし、
より国際ニュースよりのマスコミでは、日本でもそういう映像は流しているけれど。)

なので、
自分がどの媒体を通してニュースを知るかによって、
今、世界で起きている数々のニュースに対して、
どのニュースにその個人の注意が集中するのかは、
変わって来てしまう。



ニュースを流す媒体(マスコミ)は、
結局はその媒体を良く見る平均的な人間の平均値を取り、
その全ての人々に共通する話題(最大公約数)
で流す中身を決めるから、
結局、大手の媒体になるほど、
その内容は薄められ、表面的になって行く。


*****


まあ、それがマスコミであり、
媒体であるので、
その特質を良く知った上で、
自分にとって「重要なニュース、知りたいニュース」は何なのかをよく知って、
その内容が詳しく得られる媒体を探して、
世の中のニュースに触れればいい。


ぶっちゃけ、ニュースなんか全く見なくても、
生きて行くことはできるんですが。
(それがどうなのかは置いておいて。)



ただ、自分が海外の人間と接する機会が多い場合には、
(それも、その人たちが不特定多数の様々な国に及ぶ場合には)
その人たちと共通する「話題」というと、
結局は、「日本国内だけのニュース」
「アメリカ国内だけのニュース」
などではなく、
「全世界的に共通のニュース」
となってくる。


だから、世界のニュースに触れておくことが、
自分にとっては大事、という話、なんですね。


2012/9/15 10:56






補足:
ちなみに、FRBが9月14日に、
追加でQ3の量的緩和策を実行すると報道しましたが、
(MBS-Mortgage-backed securities 不動産担保証券-を月額400億米ドルのペースで購入するとのこと)
それに対して、日本政府の安住淳財務相は、
日本側としては、それによりドルがもっと市場に出回りドル安円高になることを考慮して、

「最近の一方的な円高は日本経済の実態を反映していない。行き過ぎた動きには断固として行動する」

とのコメントを発表しました。
つまり、

「アメリカ側は自分の国の景気を良くするためにドルをますます刷ろうとしているけれど、僕らに取っては円高になっちゃうと、輸出に頼っている日本の大手企業が困るから、それ以上君たちが勝手に動くと、僕らも黙っておかないよ。為替介入をして、円を売ってドルを僕らが買っちゃうからね。」

ということですが、

なんで、「断固として行動する」なんて、
分かりにくくて曖昧な表現をするんでしょうか。

いつも思うけど、日本の政治家や官僚が使う言葉は、
よく分かりません。
簡単な話を、難しくみえる様に話している気がする。


*****


それと、上に書いた反米デモの件だけど、
例えばイギリスのBBC newsを聴くと、
より、「第三者」の立場に立ち、
冷静にその状態を報道している。

例えばアメリカの報道では、
「この暴動によりアメリカ人が何人殺されたか」
を強調して言うけれど、
BBCでは、
「この暴動で、合計8名の人間が命を落とした」
と、より客観的に報道をしている。


どうしてもその国に関する事件に関しては、
その国の感情が入ってしまうので、
このように、その事件には直接関係のない
第三者の国の媒体を通してそのニュースに触れると、
シンプルで、かつ、真髄に触れた報道をしている場合が多い。


*****


ちなみに今の時代は、
iTunesを通して、
CNNもNBCもBBCも、
世界中のニュースが映像やラジオで見れたり聴けたりするので、
非常にありがたい。
とても便利な時代になったと思う。





















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