August 26, 2012 10:16

「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!」by ちきりん

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まず最初にこの本を手にした際に思ったのは、
「ちきりんって誰?」
ということでしたが、
読み進めるうちに、次第にこの「ちきりん」が好きになって行きました。

(しかも、ただの「ちきりん」ではなくて、
「”社会派”ちきりん」らしい。
彼女のオフィシャルページはこちら。

数週間前に、図書館の新書コーナーでたまたま見つけて、
そのまま借りて来て一気に読み終えてしまった本。
お盆前の8/13頃に読み終わりました。

大和書房 (2012/5/19)刊行。


*****


この本は、ちきりんこと著者が、
色々な国を旅して来た中で、
自分の目で見て、自分の肌で感じた事を
かき集めた本です。

項目は沢山ありますが、
一つ一つの内容が非常に短いので、
エッセイコラムみたいな感じでさらっと読めます。

表紙はずいぶんと気が抜けていて、
どうしようもなさそうな雰囲気ですが(すみません)、
中身はかなり濃く、とても面白かったです。


*****


非常に共感できた箇所が、
二つありました。

一つ目はこちら。


^槎韻旅颪任△襦▲屮薀献襪肇▲瓮螢。
通常はアメリカの方こそ、「移民の国」の代名詞であるようだが、
実際にアメリカにいたときよりも、
ブラジルにいた時の方がそう強く感じた、とのこと。


アメリカで会う日系人は、
まず最初に、「自分たちはアメリカ人だ!」と強く主張した後に、
その上で「ルーツは日本」
というのが通常であるのに対して、

ブラジルの日系人は、
まず「私たちは日本人です」と言い、
その後に「ブラジル国民です、もちろん!」
という順番だった、ということ。




これが起こる理由として、
ちきりんはこう考える。

「アメリカの方が、
日系人への差別が強いからではないか」と。

だから彼らは、アメリカへの忠誠心を疑われないために、
「私はアメリカ人だ!」という意識を前面に出すのではないか、と。



基本的にアメリカは、アングロサクソン系のUKにルーツを持つ移民が、
圧倒的に『主流派』であり、
その次に欧州各国からの移民が続き、
それ以外は基本的にマイノリティである、と。
(つまり、白人がマジョーリティで、他はマイノリティとなる。)

また、特に日系人の場合には、
戦時中、
アメリカ人である日系二世の人々も、
収容所に強制収容された歴史がある。

その上で、アイデンティティを厳しく問われた上で、
アメリカ軍人として、
日本と戦う事を求められた。

そういった経験もあり、
彼らはまず、「自分たちはアメリカ人である」
という主張を最初にし、
その後、「ルーツは日本人である」と添えるのではないか、と。


*****


一方、ブラジルの方は、
これまた様々な国から移民が集まっているが、
その力関係は、アメリカに比べて、
圧倒的に「バラけて」いる、と。

ブラジルの元宗主国はポルトガルで、
公用語もポルトガル語だが、
だからといってポルトガル系移民がブラジル社会で
支配的な地位を示しているわけではない、と。

だからみんな、
「俺はブラジル人だ!」
「俺もブラジル人だ!」
といい張る必要がなく、
むしろ、
「どの国からブラジルに来たのか」
を大事にしている、と。


*****


それに対しアメリカは、
「生粋のアメリカ人のように振る舞う主要グループ」が存在するため、
(しかし彼らも結局は、
ネイティブインディアンの土地を奪った『移民』であるにも関わらず)
それ以外の人は常に、
「お前は本当にアメリカ人なのか?」
と問われている。



例えば2001/9/11以来、
たとえアメリカ国籍であっても、
イスラム教徒や、中東にルーツのある人は、
「私はアメリカ人だ」と常に主張しなければならない状況に置かれている、と。

だからみんな、
「アメリカ人である」というアイデンティティを、
やたらと明確にしたがるのだろう、と。



*****




そしてもう一つ、
「言われてみれば、そうそう!」と思ったのは、

旅をする際には、

ー分から話しかけた人しか信じない
◆峩然、再会する」のは有り得ないと理解する

ということ。


これはまさに、
今まで自分では意識をしていなかったけれど、
確かに言われてみれば、その通りだな、
という感じでした。



俺も個人的に、
ヨーロッパやアメリカ、
アジアに中米などをバック一つで旅して来ましたが、
その際に、
他人から話しかけてきて、
「助けてあげますよ」
と言って来る人間は、
ほぼ100%、怪しい、ということを経験しました。



自分の人生初めてのバックパックの旅、
2004年夏、20歳のヨーロッパの旅。

フランスに降り立ち、
全ての標識がフランス語で、混乱しかけたとき、
そこで「安いトレインチケットの買い方を教えてあげるよ」
と言って来た変なオッサン。

ちょっと話を聞くと、
「私に20€を渡せば、
それで35€分のチケットをここで買ってあげよう」
という。

俺が、
「いや、そんなチケットがあるのなら、
俺が自分で駅員から買う」
と言うと、

「いや、今日は駅員は休みの日だから、それはできない。
でもそこに自販機があるので、
フランス語は分からないだろうから、
私が代わりに買ってあげよう」と言って来る。

それで、お金を渡すと、
彼は目の前に自販機に入れるが、
動かない。

そして、
「どうやら自販機も動かないようだ。
これでは俺にもどうしようもない。」
などと言って来る。


それに完全にキレた俺は、
「ふざけるな!俺の金を返せ!!」と怒鳴りつけて、
頑なに逃げようとするその40代の男から、
結局同額の金を返してもらって、
その場を去った。


そんな手口に引っかかるのも今考えるとダメだが、
当時は初めての一人旅で不安なのもあり、
かつ、言語が全く通じなかったので、
あっさりと、その手口にハマりそうになってしまった。

(まあ、そのおかげで、
その後の6週間は、何もなく過ごせましたが。)


****



また、アメリカ一周旅行では、
やはり俺に向こうから話しかけて来た、
ニューオーリーンズのピザ屋での男。

結局ヤツはゲイで、ずいぶんアブない思いをしたが、笑
それもやはり、
「相手からご丁寧に話しかけて来たパターン」だった。

(彼の語り口は、
「今朝、キミをアムトラックステーションで見かけた。
その後、そこからこんなに離れているピザ屋で、
またキミに”偶然”会った」
というものだった。)




今思うと、それらの経験をして以来、
例えばグアテマラなどに行ったときも、
相手から何かを話しかけてきたら、
それがどんな人間であれ、
必ず疑ってかかり、
随分と突っぱねた記憶がある。

基本的に向こうはこちらが日本人と知ると、
大抵の日本人観光客がそうであるように、
何も抵抗せずに、イエスと言って、
ニコニコしながらお金を出す、と思っている傾向があるように思う。

それに対して、
「ふざけんな!下がれ!」
と大声でまくしたてると、
向こうは「ちぇ」という感じで、
下がって行く。


そんなわけで、
一人旅の場合には、
結構ピリピリしているものです。


****


しかしながら、
俺が自分の旅の中で、
あれだけ沢山の人と仲良くなれたのは、
やっぱり、自分が積極的に話しかけて行ったからなんだろうな、
と思った。


アメリカの旅の際に仲良くなり、
家にも泊めてもらって、
今でも手紙でやり取りをしているエスターとフランク夫妻の家族も、
やはり、オレゴンを走るアムトラックの中で、
エスターが景色を見る用の列車に座っている時に、
俺もたまたま話しかけて、
そこから、会話に花が咲いて、
そのまま、彼らの家の住所を教えてくれ、
俺が後で会いに行った、というのがきっかけだった。



グアテマラで出会ったミゲール。
エルサルバドルにある彼の家に泊まらせてもらった際にも、
結局は、俺がティカールの遺跡の上で、
彼とたまたま、向こうに広がる森林を見ながら、
話し出したのがきっかけだった。



唯一パターンが違ったのは、
NYのセントラルステーションで、
アムトラックの列車を待っていた俺に、
夜中の12時に話しかけて来た、
デイヴの場合。

しかし彼は、
結局はとても良い人だったし、
彼が出演していたブロードウェイの劇も、
特等席で見せてくれたし、
彼の息子のサムを紹介してくれて、
そこから、
ブルックリンにあるサムのアパートを訪ね、
彼のルーミーの弟にがシカゴにいるという話で、
シカゴを訪れ、
彼の弟とその不良仲間に助けられ・・・

という状態だった。


*****


まあ、俺は基本的に、
昔から人を信じ易いと注意されるし、
ナイーヴに他人に話しかけるので、
随分と周りの人にはビックリされるというか、
皮肉を込めて「お前はすごいな」と言われるが、
そういう、「自分から話しかける」傾向も、
俺が、旅の中で、
色々な素晴らしい人に会えるきっかけとなったのかな、と思う。


****


それにしても、
俺が話しかけた彼らが、
「なんだコイツは、自分から話しかけてきて。
何だか怪しくねえか?」
と思われなかったのは、
偏に、
俺が醸し出す人格と、
後は、
「コイツは全くお金を持ってなさそうだし、
汚い格好をしているし、
本当に困っているんだろう。
でも、彼の目が正直さを物語っているから、
信頼できそう」
と思われたということでしょう。

はっはっは。



****


ということで、
いつもの通り、自分の回顧録と感想文で終わりましたが、
なかなか面白い本です。

ちきりんオススメ!!



2012/8/26 10:52





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