July 26, 2012 21:18

「スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学」by 吉本 佳生

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著者の名前は、「よしもと よしお」。
まるで、芸名の様な韻を踏んだ名前です。

この本は、2年程前に、
当時住んでいた横浜の自宅近くのツタヤの店頭で見かけてから、
その表紙が強く印象に残っていました。
ダイヤモンド社より、2007/9/14に初版発行。

先日借りて来て読みました。

*****

基本的な経済学の概念を、
私たちの日々の日常のテーマに当てはめて、
分かり易く説明した本です。

例としては、

「なぜ人は、同じ商品(ペットボトルのお茶)を、
方やスーパーの中では98円、
その外の自動販売機では150円で売っているときに、
自動販売機で買う人がいるのか」

なり、

「なぜ、映画のDVDの料金は、
段々と下がって行くのか」

なり、

「なぜ、所得格差は無くならないのか」

など、
身近なテーマに置き換えたものばかりです。

(しかし、表紙のカジュアルさとは裏腹に、
中身は結構文字が詰まっていて読むのに時間がかかる。)


*****


経済学の基本は、
「コスト」の考え方です。

それをする際に、
他の行動で得られたであろう対比のことを考える。

その中で、色々と比べながら、
「自分に一番最適な方法を選ぶ」
ということを、基礎にした学問です。

(しかしながら、
現代の経済学の基礎には、
「人間は自分にとって合理的な行動をとる」
「世の中には完全な情報が存在する」
という二つの暗黙の条件が置かれている。
しかし、人間は必ずしも合理的に動かないし、
アダムスミスやケインズがそれらの考えを作った時代とは、
今は完全に状況が変わって来ている。
「需要と供給により、モノの値段が決まる」との考えが
基本となっているが、
例えばデリバティブなどは、その定義では価格が決定しない。

そのように世の中の状況が当時とは変わって来ているにも関わらず、
未だにその経済学を使うので、
結果として、
実際の経済市場の先を読む際には、
予想が全く当たらないという現実が起こる。)


*****


この本の中で一番面白かったのは、
上にも挙げた、
「なぜ、この世の中から経済格差(所得格差)は無くならないのか」
というテーマ。


例えば、
年収がそれぞれ、
1500万の人、
800万の人、
600万の人、
そして、
400万の人がいる。


その場合、年収1500万の方が、
400万の人よりも、
断然裕福な生活を送っているように見えるが、
実際は、
前者はそれだけ多くの支出が伴い、
(所得税で払う額も上がるし、それだけの収入にはそれだけの支出が伴うことから)
思う程は、違いのある生活をしていない場合が多い、と。

それよりも、年収は200万でも、
貯蓄が沢山あり、
自由に使える貯蓄の額は毎年800万だとしたら、
そちらの方が、より余裕のある生活を送れるものだ、と。

(結局ここで言いたいことは、
年収を与えられるサラリーマンでいる以上、
年収400万だろうが、
1500万だろうが、
余り変わりがない、ということです。
それよりも、別の方法で、
自らの資産を蓄える方に回らないと、
土俵は変わらない、ということ。)


*****


また、ここでは比較優位の考えも出て来ます。

A太郎とB男が一緒に働く場合、
A太郎の方が、B男よりも、
PCを打つ速度も、書類を作るスピードも速かったとしても、
二人のそれぞれの仕事の結果の対比を計算し、
より多くの成果が作られるパターンで二人の仕事を組ませた方が、
結局は、会社の利益に繋がる、という考え。



ここでは、そこから更に掘り下げて、
4人のタイプの仕事人間のことも話されます。


1、仕事も実際にでき、かつ、自信満々で、
「自分は仕事ができる」と自覚しているタイプ。

2、仕事は実際には出来ないけれど、自信過剰で、
「俺は仕事はできる」と勘違いしているタイプ。

3、仕事が本当は出来るけれど、自信が無いので、
「僕は仕事はできない」と勘違いしているタイプ。

4、仕事もできなく、かつ、自信もなく、
「自分は仕事ができない」と自覚しているタイプ。


この中で、4番の人間はダメダメのように見えますが、
実は、自らの力量をきちんと自覚しているので、
1の人間と一緒に組ませれば、
1の人ができない部分を4の人間がしっかりとフォローし、
結果、全体として良い仕事ができる、ということも書かれています。


そして、一番たちが悪いのが、
2のタイプ。

これには、有名な大学を出た人間に多いと著者は説きます。

(著者が実際に働いていた大学では、
東大などの有名な大学を出た人間なども多々いたが、
それらの人の中には、
もちろん本当に優秀な方もたくさんいたが、
それとは逆に、結構多くの人間が、
何かミスを犯したときに、
「いや、この優秀な俺が犯すミスなんだから、
きっと誰もが犯すミスに違いない」
と、全く反省をしなかったり、
または、
「俺は優秀だから、メモなんて取らなくていい」
と言って、メモを一切とらずに、
その結果、たまにもの凄く大きな失態を犯す、と。



(このことはちなみに、
昨日読んだ稲森和夫氏の「生き方」でも、
同じことが書かれていました。

逆に、全く無学であった松下幸之助氏は、
自分が「無学である」ということを自覚し、
その分、生涯に渡って、
誰からでも教えを乞い、
素直に学ぶことを、一生やめなかった、と。

その態度と考え方の違いが、
無学であろうと、有名な大学を出ていようと、
その後の自らの考え方と行動が、
全てを決めて行く、ということを物語っています。)


*****



ここで個人的な話になりますが、
俺は今まで、4年前に日本に帰ってくるまで、
「学歴」というものを一切気にしない人間でした。

いやむしろ、
去年まで、全く気にして来なかったと思います。


しかし、去年の夏以降に、
転職活動をする中で、
自分の出した書類が、
結局は、
出た大学の名前と、今いる会社の名前だけで、
一次選考の書類が通るかどうかは
ほぼ決まってしまう、ということを目の当たりにして、
(中小企業やベンチャーはそうではないが、
名前の知れている大手上場企業ほど、
その傾向が強い。)

それ以来、
ある意味、
「日本内での学歴コンプレックス」
みたいなものを感じている自分がいました。

正直、今も、全くないとは言えません。

(自分は実際、
アメリカの四年制大学を出ており、
そこの学校のレベルも全米では高い方だったので、
俗にいう「高学歴」に入るのだが、
日本では一切関係ない。

日本では、「アメリカの大学を出ました」と言ったら、
ハーバードか、スタンフォードか、バークレーか、
などの様に、
一般の日本人も聴いたことのある様な名前の学校しか、
人事に認識されない傾向がある。)


*****


去年までは、一切「学歴」たるものを気にせず生きて来た自分だったが、
実際に、日本の社会のそのような現状にぶちあたり、
やるせなさを感じたこともしばしば。


だからこそ俺は、
「絶対に有名大学を出た人間には負けたくない」
「大手企業で働いている人間には負けたくない」
という勝手な思いがあります。
心の奥底で、メラメラと燃える、
「なめんなよ」根性のようなものが。


*****


なので、上の内容を、
この本と先日の「生き方」で読んだ時にも、
「やっぱり、一番大事なのは、
社会人になった今、
『どう毎日考えて、行動するか』なんだ」
ということを噛み締め、
絶対に負けてらんねえ、と、
思いを固めたわけです。


*****


さて、個人的な感想文で最後は終わりましたが、
28歳の、今の心情でした。



2012/7/26 21:29





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