July 22, 2012 20:03

"In Time"

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邦題は『TIME/タイム』。
ジャスティン・ティンバーレイク、
アマンダ・サイフリッド、
キリアン・マーフィーが主演です。


この映画は今年の2月に公開された際に、
彼女と観に行きたいねと言っていましたが、
残念ながら行けませんでした。

その時はその代わりに、
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
を観ました。


先日ビデオが出たので、
早速借りて来ました。

*****

感想は、面白かった。

一回目は、字幕なしで観て、
二回目は、字幕付きで分からなかった所を飛ばしながら観ました。

正直、一回目に観た時は、
最初の始まりや、そのアイディアにはしびれるものがあり、
「うおお、これはすげえ」
と興奮しながら観ましたが、
最後に近づくに連れて、
脚本がちょっと甘かったかな、と思います。

雰囲気としては、
"The Island"(邦題:『アイランド』)
に似ています。
The-island



どちらも、近未来で、
かつ、ある一定の地域に住む人間が、
実は、その周りに住む別の人間たちに操られていて、
その真実を知り、
行動を取っていく、という雰囲気が。


*****


とにかく、
この映画のアイディアは素晴らしいと思います。

2161年には、
人類は25歳を迎えた瞬間から、
自分の左腕に示される時計のカウントと共に生き、
何もしなければ、1年しか猶予がない。

しかし、金持ちの人々は、
何百年、何千年、
何万年と生きることができる、
という仕組み。


世界中で、昔からの裕福層のみが永遠に生きられる様に、
ゲトーエリア(スラム街)に生まれた人々から、
税金、及び、
時間を貸す際の利子で、更なる時間を吸い上げ、
それが全て、金持ちの手に渡って行く。



ヨーロッパ系のロスチャイルド家、ロックフェラー家やモルガン家などが世の中の全ての富を吸い上げ、
その下に立つ政府の役人、官僚、
そして汚職に手を回す警官たちが生き残り、
一番弱い立場の人々が、
貧困の中で生きて行く、
という今の金融資本主義を、
うまく描いていると思います。


*****

in time


よく、「時は金なり」と言いますが、
この映画では、本当に「時」が「金」となり、
その金である「時間」が無くなった瞬間に、
人は急に命を落とします。
25歳の外観で。


話の最初の方で、
ジャスティンのお母さん役のオリヴィア・ワイルドが、
これから息子のジャスティンに会いに行く際に、
バスに乗ろうとしたら、
「今日から料金が倍になった」と言われ、
自分の持ち時間は1時間半しかなく、
しかしバスの料金も2時間分で、
ジャスティンの待つバス停は歩いて2時間先の距離で、
結局、走って行くのですが、
ジャスティンにやっと会えたその一瞬手前で、
「時間切れ」となり、
死んでしまいます。

そのシーンは、本当にかわいそうでした。

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(ちなみに、オリヴィア・ワイルドは綺麗ですね。
"Tron: Legacy"にも出ていました。
この映画のヒロインのアマンダ・サイフリッドよりも俺は好きだな。
でも、きっとこの映画の設定からすると、
アマンダ・サイフリッドの方が、
世間知らずのお嬢さん、という感じが出て合うんだろうけれど。)

*****


そして、この世界を操る裕福そうで上層部の人間たちは、
自分たちだけが生き残る「システム」を壊されない様に、
ジャスティンたちが生まれて生活をしていく
「スラム街」の人間には、その真実を決して教えずに、
自らが生き抜くために、多くの人間の命=「時間」を
奪って行きます。




実際に、今の世界でも同じことが起きており、
人々は、より良い生活をするために、
「お金」を手に入れる、
そのために、自分の時間を使って、
仕事をして、「お金」を手に入れるのに、
その「お金」を使う前に、
仕事に忙殺されて、死んでしまったりする。



「自分の時間」=「自分が持つお金」=「自分の命」
と、シンプルに設定されているこの映画を観ると、
今の自分の生き方を、
全く新しい別の視点で見られる様な気がします。

(ジャスティンたちは、
毎日、残り1日分の時間を手にして、
何とか生き延びています。
工場などで働いて。

自分のお母さんも、
25歳になった後、
それから25年も生きて来たのに、
家のローンなどを払い、
更に政府が値段を上げたせいで、
残り数秒のところで、
死んでしまいました。

ジャスティンやこのお母さんにとって、
「時間=お金」は、
自分たちが生きるために必要であって、
それを何のために使うのかといえば、
自分の愛する大事な人たちと、
一緒の時間を過ごす為に必要なわけです。


そんな点が、
「お金とは何なのか」
「お金で私たちは何を手に入れようとしているのか」
というシンプルな問いに、
答えてくれているような気がします。)


*****


ちなみに、ストーリーが弱いと書きましたが、
最後の方では、もうちょっと話を掘り下げて欲しかったな。


上に書いた"The Island"との類似点ですが、
こういう近未来のSF映画は、
設定が今の私たちの暮らす状況とは、
完全に異なるために、
セットとか、
撮影場所、
車の外観、
服装など、
全てを、その映画用に作り上げなければならない。


だからこそ、映画を観た最初の瞬間は、
「おお!なんかすげえ!」
と興奮するのですが、
段々と、それに見慣れて行くと、
それが、「フェイク」に見えて来てしまうのです。


(例えば、そのSFの世界を作り出すために、
撮影をしている風景には、
少数の登場人物しか出ないので、
いかにも、「映画を撮っています」
という雰囲気が出てしまう、など。)


そういう、近未来SF映画が持つ課題を、
うまく克服しながら映画を2時間分作ることは、
相当大変な作業だと思います。


*****


とにかく、色々と考えさせられる映画でした。

そして、ジャスティンがカッコ良かったです。


2012/7/22 20:08







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追記:
ちなみに、タイムキーパーの役は、
完全にミヒャエル・エンデ作の『モモ』に出て来る時間泥棒のオジさんたちにそっくりです。
彼らは、「時間銀行」に勤めていますが、
この映画は、そのアイディアにそっくりです。


以下、『モモ』に対する解釈より(from Wikipedia);
『ストーリーには、忙しさの中で生きることの意味を忘れてしまった人々に対する警鐘が読み取れる。このモモという物語の中では灰色の男たちによって時間が奪われたという設定のため、多くの人々はこの物語は余裕を忘れた現代人に注意を促すことが目的であるとされている。しかし、エンデ本人が世の中に訴えたかったことは、この「時間」を「お金」に変換し、利子が利子を生む現代の経済システムに疑問を抱かせることが目的だったという事が、のちに発行された『エンデの遺言』という書籍に記載されている。なお、この事に最初に気が付き、エンデ本人に確認を取ったのはドイツの経済学者、ヴェルナーオンケンであるとされる。』







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