July 22, 2012 18:07

「ウォールストリート式年収1億円の条件」by 菅下清廣

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菅下 清廣(すがした きよひろ)氏の本です。

彼の本は、
『世界のマネーは東へ動き出した』や、
『2011年の衝撃!』など、
色々な視点から経済予想をした本が面白く、
個人的には結構好きです。
今日本屋に行って見つけて、数十分でささっと読んでしまいました。

2012/4/21、
フォレスト出版より初版発行。


*****


読み終わった正直な感想は、
「拍子抜け」です。

「え?内容それだけ?」みたいな。

本の最初の4割は、
彼が大和証券に勤めてから、
メリルリンチに移り、
その後、NYのWall Streetに移って、
そこで金融界の大物と一緒に働くところまでを回顧した、
完全なる自慢物語。

その自慢ぶりは、
ちょっと落合信彦の本に感じが似て来た。


そして、残り6割で、
この本のタイトルともなる肝心な「方法」が披露されるのですが、
その内容は、至って常識なこと。
または、他のこの手の本でもよく書かれていること。


「ビジネスマンは清潔感が大事だ。
今すぐ量販店のスーツを捨てて、
自分だけの高級スーツをつくれ」

「知的財産という武器で自らを鍛えろ。
本は少しでも興味が持ったらすぐに買え。
図書館でタダで借りるなどと考えている間に、
1億円は逃げて行く」

「未来の経済予想は、
『過去の歴史』+『自分オリジナルの想像力』から創られる。
そのためには、経済や金融の本以外に、
歴史書を読め。
自らの想像力を磨き続けるために、
小説を読んだり、
オペラなどの教養も身につけろ。
ビジネス書ばかりでは人は伸びない。
ジャンルの異なる雑誌や本なども読め。」

「一番大事なのは『人』だ。
良い人脈をつくれ。
自らそのような人物が集まるところへ足を運び、
人脈を太くしろ」

「約束は必ず守れ。
アポイントメントの前日には、
必ずメールか電話で確認の連絡をしろ」

「CNNやBBCなど、
世界から生で伝えられる情報に身を浸せ。
良質の情報を手に入れろ」

「人生で役立つ情報は、
自らが仕入れた情報の1割から2割にしか満たない。
しかし、それを知った上で、
常に情報を手に入れることで、
自分で良質の情報を見極める力がつく」

「誰かの経済予想などを聴く際には、
その人物の意見が正しいかどうかは、
『その人オリジナルの見解、ジャッジする物差し』を
持っているかどうかで見極めろ」


などなど。


*****


とにかく、頷けるところもありますが、
正直言って、
彼なら、もう少し目を開かされるような内容の本を書いて欲しかったと思います。

(個人的な意見ですが、
本は確かに、少しでも興味が湧いたら『読んでみる』ことは大事ですが、
むやみやたらに買うのはどうかと思います。
ハッキリ言って、本は場所を取るし、
むやみやたらに買い続けると、
引っ越しの際に最高に困る。
しかも、一冊1500円前後(最近は定価1800円も増えて来た)というのは、
中々浪費が激しいものだし、
同時に、「この本マジで買わなきゃよかった」
と思う本も、結構あるもので。

結構、この様に「図書館を使うな!ちょっとでも気になったら直ぐに本を買え!」
的な意見が最近多いですけど、
それは完全に、著者と出版社のビジネス戦略でしかないと思います。
図書館をバカにしないで下さい。)



フォレスト出版は、こういう
「短期間でお金を作る!」
的な売り込みが好きですが、
そして、そのフォレスト出版は、
同時に、彼の今までの著作の用に、
中々面白い見解を示す本も多々出していますが、
それでも、今回の内容は、
彼じゃなくても書けたと思います。


だって、最後の結びが、
上に挙げた幾つかの”アドバイス”の後に、
後書きにて、
「どうでしょう?これであなたも、
年収1億円は簡単に稼げる気持ちになったんじゃないでしょうか?」と。


自分の自慢話で読者を、
「いいな、俺もこんな風に成功してえ」と思わせて、
「こんなオッサンでも出来たんだから、俺でもできる」
と鼓舞させ、
後は、他の本に幾らでも書いてあるアドバイスをちょちょっと載せて、
「どう?やる気でたっしょ?」は、
ちょっとセコいよね。

*****

まあ、それでも、
俺の様にそうやって本を手に取る読者がいる以上、
この手の本は無くならないんだろうが。


非常に、落合信彦的な本でした。

2012/7/22 18:03



追記:
本の最初の方に、
「最近の若者は、海外に出て行きたがらない。
もしも私の目の前に今そういう若者がいたら、
すぐにNY行きの格安航空券を手配して、
Wall Streetでアルバイトをしてくる位の意気込みで、
現地に向かわせる。
もしもそれができれば、
彼は、どんな会社でも、
高額の給料を手に入れる器量を身につけるだろう」と。


まあ、俺も21歳の頃に、
アメリカを野宿で一周回りましたけど、
その際の、
「欲しいものがあるなら来いよ。
俺は何も持ってねえぜ」
的な、サバイバル精神を持っていれば、
大抵の仕事はこなして行けると思います。

そして、そういう根性というか、
精神を、自分の魂胆に常に持ち続けることは、
大事だと思います。

心の奥底に眠る、「何くそ根性」的な。
それを、常にギラギラ出してたら、
ウザイだけだけどね。


*****


しかしながら、
「自分の中にヒーローを持ち、
それになりきって土壇場を切り抜けろ。
もしも自分のヒーローが竜馬なら、
誰でも竜馬になれる」

などのメッセージもあり、
要するに彼が伝えたかったことは、

「自分には何でもできると信じ込むことと、
後は、ひたすら目標に向かって勉強すること。
そして、『こうなりたい!』と心から思える理想像を持って、
それに向かって一心不乱に打ち込めば、
必ず誰でも、自分の願いを叶えられますよ」

ということを伝えたかったのだと思う。

なので、一冊の自己啓発本としては、
とても良い雰囲気を持った本だと思います。



************



補足:

ちなみに、2日前の夜、
アメリカ時間20日の夜未明に、
コロラドのAuroaで、
"The Dark Night Rises"の上映中に、
24歳の若者が劇場に押し入って、
12人を殺害、
58人を重軽傷に陥れた事件が発生した。

昨日ニュースをずっと見ていたが、
本当にショッキングな出来事だった。


実際、今でもシリアで、
アサド政権と反体制派の戦闘により、
この2日間だけで約550人が死亡したりと、
世界では別の戦争や事故、災害により、
毎日人が命を落としているが、
それでも、
映画館に人が押し入り、
何の関係もない観客を次々と撃ち殺していくというのは、
ショッキングに他ならない。


戦争も罪のない人の命を奪い、
同じ様に、別のこのような事件でも、
また、同じ「人間」の命が奪われる。

しかし、同じ「人」なのに、
なぜか、このような事件で人が亡くなった場合は、
戦争で亡くなった人の数が何十倍、何百倍であろうが、
それよりも大きく報道される。

(これは、アメリカで起きた事件だから、
よりアメリカのマスコミは大きく報道する、
という影響もあると思うが。)


どちらにせよ、
このニュースは大変ショックであると同時に、
亡くなった方にご冥福をお祈りしたい。


18:14






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