July 08, 2012 22:10

「汗をかかずにトップを奪え!『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾」by 三田紀房

Hacks_04_05

かなり面白い本でした。
20時半頃に読み出して、
22時に読み終わりました。

まるでマンガを読んでいる様な感じで、
ところどころその文章の絶妙さに吹き出しながら、
「マジでこれおもしれえ」と言いながらあっという間に読み終わりました。
良い本です。

2007/11/16の初版発行。大和書房。

(去年くらいに本屋で見つけて、「面白そうだな」と思っていて、今日図書館で見つけた。)

*****

この本を捲ると、
最初の表紙の裏に、

「仕事なんてのは
しょせん
ヒマつぶしだ」


とありますが、
まさにそうだと思います。
言い得て妙というか、
究極的に言えば、そうなんだよ、
という感じです。


もちろん彼は、だから、適当にやれ、
と言っているわけではなく、
良い意味で、「適宜に、適当に、うまくやり抜けろよ」
と言っているわけです。


****

彼が本の最初で、こう述べます。

「この世の中は、正直者はバカを見ると言われるが、
それは、全く世の中を疑わない”正直者”=”何も自分で考えないヤツ”
がいけないんだ。
この世の中は、しょせん自分の利権を考えた
どこかのオッサンたちが、
自分の欲を満たすために創った会社と、政治の中で、
そのオッサンたちのために回っているんだ。
だから、まずはその実態を知れ」と。

正にその通りです。


彼はその上で、
今の世の中は、「給与カット」をするために、
今既に会社にいる、昔から苦労を共にしてきた「見える位置にいる」オッサンたちを切るよりも、
「新卒採用見送り」という、
要するに、若者が最初からリストラされているようなもんだ、と。

また、今は正社員で採用することを控えるけれども、
人件費が一番低く、かつ沢山働いてくれる若者は必要だから、
それらの人材を契約社員、つまり「非正社員」で雇う。

そのために、「夢を追いかけよう」「自分だけの価値を」
などという社会的テーマが90年代後半から世間ではやけに流行りだし、
それまでは社会的立場が狭かった人間が、
今では「フリーター」「非正社員」などの名称により、
社会的に胸を張れる状況が作り出されている、と。

で、会社側としては、いつまでも非正社員の安い給料で働いてくれながら、
夢を追いかけてほしいし、
いざとなったら、代わりはいくらでもいるから、好都合である、と。

(また、会社がその頃に導入した「完全成果主義」との名の元の、
若手社員に対する昇級廃止、
ボーナス及び残業代カットの実態にも触れている。)


*****


このような時代の中でどうしたら良いかを、
「転職をしたい、独立をしたい、などと思ったら、恐らくはまず”今の仕事を辞めたい”と思っているはずだから、まずは自分が今抱えているストレスの元を洗い出せ」
など、
20代の半ばから後半にかけての、入社してから数年後の若手が陥るであろう問題から、
(これは俺は既に入社してすぐに経験して、これまでに二回転職をして来て今は落ち着いているので、まるで3〜4年前の自分を思い出すようであった)

今いる会社の中で、どううまく立ち回るかまでを、
ユーモアを交えながら、ズバズバと言い切って行きます。
それが読んでいて壮快です。


*****


「社内、及び社外から”指名”されるようになるには、
とりあえず大声で笑っておけ」というのも
まさに真実を言っていると思います。

とりあえず先輩社員や上司が何か言ったら、
「ハハハハハ、そうですか!」と。

ハッキリ言って、一緒にいて暗いヤツ、
気分が落ち込むヤツとは誰も仕事をしたくないわけで、
とりあえず自分の話を聴いて、
大声で笑ってくれるヤツの方が、
「こいつといるとなんか楽しいから、あれも頼もう」
となるわけです。

(ちなみに、先週一週間は、俺は「発送場」といって、
うちで製造した製品を最終的に段ボールなどに詰めて、
物流で出来た送り状をくっつけて、
運送会社に持って行ってもらう職場で研修をしていたのだが、
ここでも「笑い」は重要だった。

一日中、単調な仕事、
及び、重労働をするので、
働くメンバーは、一日中下らない中学生レベルの話をわざとして、
笑いながら仕事をする。
まあ、この本で言う「とりあえず笑っておけ」のシチュエーションとはちょっとずれるけど、
でも、笑いは大事なんですよ、ということ。)


*****



とにかく、
「会社」の中でうまくやって行くには、


タテ・ヨコ・ナナメの人間関係を幅広くつくり、
上司や先輩に可愛がられ、
「あいつは仕事ができるヤツだ」(注:下記)と思われ、
「あいつといると楽しい」と思われ、
声をかけられる存在になること。



(注:決して、「あいつは俺より賢い」と思われずに、
「あいつは頼んだらすぐに仕事を終わらしてくれる。だから次も頼もう」
と思われること。
自分の”賢さ”なんてものを出すのは、愚の骨頂。
自分の”知識”なんてのは、上司や先輩に比べたら対したことはないし、
「こいつムカつく」「なんか扱いにくいな」と思われて終わり。
ということも、この本でしっかりと言っています。)


あとは、人間は「理解不能なもの」
「よくわからないもの」に嫌悪感と拒否反応を示すことから、
「あいつはよく分からん」と思われるよりも、
「おお、あいつはこんなヤツか」と分からせるために、
周りに自分をオープンにした方がいいことも触れています。

自分を隠して、相手に知られようという努力をせず、
「誰も俺のことをちゃんと評価してくれない」なんてのは、
ガキの発想だ、と。

自分はどういう考えをするのか、
どういう人間なのかを、
オープンに出して行けよ。
その努力をするのは自分自身だ、と。



あとは、
「本当に頭のいい人、コミュニケーション力のある人は、
難しい話などしない」ということ。

上司に好かれるには、
バカを演じろ、と。

間違っても、上司が日経から持って来た内容を
あたかも自分の意見の様に語っている時に、
「あ、それ日経に出てましたよね」なんて言って水を差すな、と。

日経なんか読んだこともない、という顔で感心して頷き、
そして、自分からはスポーツ新聞レベルの話題しか出すな、と。

「賢いヤツだと思われる必要はない。
面白いヤツだと思われればそれでいいのだ」


「日経新聞の話を、スポーツ新聞の言葉で語る。
学術書の知識を、お笑いタレントの言葉で語る。
文豪の言葉を、コラムニストの言葉で語る。

それができるようになったとき、
初めてその知識は自分のものになったと言える」

とのくだりは、まさにそうだなと思いました。


****


あと、もう一個面白かったのは、

「予定を立てる際には、
楽しいこと、やりたいことから先に入れること。
まずは休暇の予定を入れ、
その次にどうしてもやりたい仕事をいれ、
次に、まあまあやりたい仕事をいれ、
最後に、どうしてもやりたくない仕事をいれろ」と。

で、もしも「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」がバッティングしたら、
「やりたい仕事」を真っ先に選び、
後者はなるべく先延ばしにしろ、と。

人間は予定にイヤなことが入っていると、
まず気分ものらないし、
かつ、動き出す最初に一番のパワーを使うのだから、
最初にイヤなことから手をつける程、効率の悪いものはない、と。


そして、吹き出したのが、
「そもそも、そうやって先延ばしにしていると、
大概の仕事は、自然消滅していくものだ」と。笑


知らないうちに誰かが片付けていたり、
ブームが過ぎ去ってそのニーズが消えたり、
「また近いうちに」と言ってその雰囲気でそれが消えたり、
または上司が忘れていたりと、
そんな風に、不思議なことにそうやって消えて行くのだ。と。


まさにその通りなので、
笑いました。

*****


ということで、
非常に気持ちのいい本です。
そして、「会社」という中で働くことの、
真理を言い当てています。


「会社内での政治が一番」
「俺は人生をこの会社にかける」

そんな風に気張っていると、必ず途中で疲れるもので。


そんな風に意気込むよりも、
「しょせん仕事は、ヒマつぶしだ」
と捉え、
その「ヒマつぶし」=「10%のクリエイティビティと90%の作業」
の組み合わせを、どう「楽しくやるか」を、
極めること、

それが、仕事を楽しくさせるコツなわけで。

で、その仕事をする環境は、
結局は人の集まりで、
その半径5メートル以内の人間関係が、
毎日の気分を決めるのだから、
そこで如何に楽しく、うまくやって行くかという。


で、もしもムカつくこと、
気に入らないことがあれば、
大声で笑い飛ばし、
それでも頭に来たら、
「ま、しょせんヒマつぶしの延長だし」と、
ちょっと高い所から見て、
ムカついている自分をも、
地上にいる小さな一人の人間、
と客観的に見ること。

それが大事です。

(前職の別の部署の上司で、
「ムカついたら上から目線」
と言う人がいた。
まさに名言。)


*****

以上。

2012/7/8 22:34





追記:
この本では、どうして日本人が、
休みの日でも常に仕事が気になってしまうのかに関しても触れている。

せっかくの休み。
今日は一切仕事のことを忘れて、
奥さんと子供のために家族旅行に来た、と。

それでも、会社の携帯が気になってしょうがない。
鳴ってもないのに、何度も見てしまう。

で、あげくの果てには、
「どうして俺は、こんな時にも仕事のことを考えてしまうんだ」
と自己嫌悪に陥り、
妻と子供にも、
「こんなときくらい、仕事のことくらい忘れてよ!」
と言われ、
「そもそもなあ、俺だってお前らのために頑張ってんだ!」
と言い返し、暗い雰囲気に・・・。



そこで彼は言う。

何を言っているんだ。
常に仕事のことを考えるなんて、
それほど仕事熱心な証拠じゃないか。
何を勝手に一人でイライラしているんだ。と。

むしろ、西欧人が夏休みを3ヶ月間も取るのは、
彼らは狩猟民族で、
一度大きな獲物を穫ったら、
それがなくなるまでは、一切動かないDNAがあるからだと。
そんなメンタリティだから、
貯金なんかしない。
穫った獲物は無くなるまでしっかり食い、
それが無くなったら、また狩りにでかける。
だから、貯金をするくらいなら、
投資というハンティングに興じる、と。



それに比べて日本人は、
農耕民族であり、
常に田んぼを耕して来た。

目の前にある田んぼに毎日目をかけ、
旅行なども行かずに、24時間、常に田畑のことが頭にある。

そして、穫った米や野菜も、
決して一気には食わず、
来年のために貯蓄し、
野菜は漬け物に、魚は干物にする。

だから、日本人は貯金が好きなのだ、と。


そして、そんなメンタリティが残っているから、
例え休みをとろうとしても、
長期の旅行に出たとしても、
結局は、
「目の前の田んぼが気になってしょうがないのだ」と。笑


*****


だから日本人は、休みと仕事で、ONとOFFを切り替えるのではなく、
常にHighとLowで、
休みの日でも、パソコンで言えばスリープモードにして、
常に起動できる状態にしておけ、と。


で、休みの日も、午前に15分、
午後に15分くらい、
仕事のことを考える。


すると、休みの状態で、
全く別の場所や環境で仕事を考えることで、
いつもとは違った発想が生まれ、いい結果に繋がる、と。


****


これも、非常にうまいことを言っているなあと、
感心しました。


2012/7/10 19:18











トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Archives
記事検索