June 16, 2012 20:46
「世界一受けたいお金の授業」by 和仁達也
2009年2月初版発行の本。
題名は「お金の授業」と銘打たれているが、
中身は、決算書(損益計算書、P/L)の読み方を、
超分かり易く書いたもの。
ブロックの図を書くことで、
自分個人の収入と支出、貯金、投資のバランスから、
会社の経営、
国の財政までもが、
一目で分かりますよ、というもの。
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彼がこの本を通して言いたいこと、
そして、俺が会計や金融、経済を学ぶ欲の最大の理由が、
とても的確に書かれていた。
「個人の眼だけでなく「会社」「日本」「世の中」「世界」という眼も持っていなければ、僕たちの人生は翻弄される。
でも、僕たちは、今までの人生の中で、それを教えてもらう機会はなかった。
だからこそ、僕はこの授業を通して、あなたに「”お金の流れ”全体を俯瞰する力」を身につけてもらいたいと思っているのです。」
彼は言う。
「全体像を掴んでいる人が、世の中のルールを作る」と。
他人が作った仕組みに乗ることは、一番簡単だが、
逆に、一番自分に取ってメリットが少ない場合が少なく無い。
(例えば、フランチャイズ系列のビジネスに参加することなど。)
だからこそ、自ら仕組みを作り出さなくとも、
その仕組みを作った者が、どのような考えでそれを行っているのか、
その絡繰りを知って、その人の視点で物事が見れる様になっておけば、
いざという時に、予め備えておけますよ、と。
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また彼は、
「ミクロとマクロの視点」
「時間軸の視点」
の二つの視点を同時に操り、
自らの人生を俯瞰して眺めることを推奨する。
「ミクロとマクロの視点」に関しては、
自分の給料のことだけではなく、
自分の会社のこと、
自分が所属する日本のこと、
日本が所属する世界のこと、と、
より大きな視点で物事を見ることもできれば、
きちんと自分の仕事の細部にまでも目が行き届いて、
実行が伴っている人になれる。
(ミクロばかりだと、視野が狭く、
自分のことしか考えられない人間になるし、
また、マクロばかりで実行が伴わないと、
ただの理想論者に成り下がり、
社会から必要とされなくなり、孤立してしまう。)
また、「時間軸の視点」に関しては、
常に先を読み、逆算をして行く事で、
確実に、自分の遂行したい物事を、
こなして行ける人間となることができる。
(彼はここで、「もうダメだ!」「自分にはムリ!」と思う時は、
大抵、長いスパンで考える事を忘れてしまっている、と説く。
また、「自分の脳に”不可能”という栓を自らハメてしまっている」ことも、
自分の能力を下げる原因の一つである、とも説く。
そういう時には、
長期のスパンで物事を考えたり、
視野が狭くなっていないか、自らを客観的に見直したり、
または、「何とかなるさ」「これはどうしたらうまく行くんだろう。分からなければ、上司や先輩に聞いてみよう」と試す事で、その栓が取れることを薦めている。
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彼は言う。
「豊かで充実した人生を送るには、人のマネをすることが一番の近道だ」と。
果たしてそれは、
その人の定義する「豊かで充実した人生」によるだろうが、
しかし、
「人のマネをする」ということに関しては、
真実が大きい。
道は人に聞くのが一番早いし、
知識だって、人に聞いたり、
または、本を読んで、先人の知恵を借りる方が、
確実に早い。
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以上、こういう精神論は本の最後にあるだけで、
基本は損益計算書の読み方の本。
非常にシンプルに書いてあるので、
初心者にお勧め。
2012/6/16 20:46
この人が著者のワニさん。