May 16, 2012 20:25

「READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣」by 原尻 淳一

c76bd3c2


大したことない本でした。
ばばばっと飛ばし読みして、
30分ほどあれば、内容が頭に入る本です。
逆に言うと、それくらい、
内容の薄い本です。

*****

この本は、先日図書館に行った際に、
前の方に特集コーナーで飾ってあって、
「あ、表紙がかっこいいな」と思って、
後は中をパラパラ見て、
きっと、内容は薄いんだろうけれど、
ちょっとは役に立つかなと思って、手に取りました。

******

余り、頭ごなしに批判するのは好きじゃありませんが、
俺は、こういうタイプの本が嫌いです。
まあ、こういうタイプの本を出すのは良いんだけれど、
これに1500円はないでしょ。
せめて、1000円だよね。
それ位の内容だと思います。


彼はこの本の最後のまとめで、

『この本のテーマは大きく二つあり、
一つは、
 屬發里瓦箸遼楴舛鮨爾多面的に見られるように、意味ある偶然を読書に取り入れよう」ということ、そしてもう一つは、
◆崙表颯如璽燭鬚垢戮謄屮蹈阿暴弧鵑掘▲▲ぅ妊アを生み出す自分だけのデータベースを作ろう」ということでした』と。


え?そんなの当たり前じゃん、
それがどうしたの?と言いたくなってしまいますが、
その薄いテーマに対して、
彼が書いているのは、自分の今までの少ない経験談と、
後は、他人の本から引用した言葉です。


こういう系の本を書く人(本田直之氏や勝間和代氏のような人たち)は、
俺は余り好きませんが、
彼もやはり、本田氏の本(「レバレッジ・リーディング」)も紹介していました。

*****

実際、俺も、こういう人たちの本を読むと、
まるで自分が出来る様になったかの錯覚を持つ時期があったわけですが、
(そして一時期は、彼らの本にハマった時期があるわけですが、)

彼らは、
自分の簡単な「気づき」を、
他者の著作から言葉を引っ張って来て、
少し肉付けして、
後は本にしているだけです。

そして、こういう人たちに多いのは、
自ら、本の中の文章の要点となる部分を、
太字で記している事。

逆に言うと、太字にしなきゃいけないというのは、
その太字以外の文章は、殆ど意味がないということです。

(まるで、ヘタなアーティストが、
アルバム13曲中、
1曲しか良い曲がなくて、後の12曲は、
全部水増しした、みたいな。)

*****

随分と批判ばかりしていますが、
逆に参考になった箇所もあります。

例えば、

・「垂直型」(スペシャリスト的観点)と、
「水平型」(ゼネラリスト的観点)に読書をする。

→スペシャリスト的は、
「営業」ならば、様々な業界に通用する「営業」の知識を付けて行く。
ゼネラリスト的は、
同じ業界内で、
様々な業種の知識を身につけて行く。

そして、一つの専門的知識を習得するのに、
最低三年かける。
まずは自分の部署のスペシャリストになる。


・自分が帰って来るべき、
「思考のホームベースを作る」。
(これは大事ですね。自分の原点が何かを知っておくのとそうでないのとでは、自分の中で、「地に足がついているかどうか」に、大きな差が出て来ます。)


・アイディアに詰まったりしたら、
様々なジャンルの雑誌を10冊ほど手に入れ、
最初から最後まで、全て目を通す。
(これは、彼自身のアイディアではなく、
別の著者のアイディア。)



・「トモエそろばん」が売っているブックストッパーを使う。
(このアイディアが、この本の中で一番役に立ちました。)


など。


*****


まあ、随分辛口に書きましたが、
正直言って、中身は、
役に立つ内容が多いとは思います。

しかし、俺がこの本を読んでいて、
頭に来た理由は、

ー分が既にしている、または、「そんなの当たり前じゃん」ということが、
偉そうに書かれている。

題名にも、「超アウトプット生産」と評しているくせに、
その肝心な「アウトプットの方法」についての説明が弱い。

自分の意見、及び経験に基づく記述が少ない。
他人の本や著者の意見ばかりを、参考に持って来すぎ。

の3点に要約されると思います。

要するに、
「キミさあ、殆ど人の意見、または、誰もが当たり前に思う事を、
偉そうに、本にして、売るなよ。
しかも、1500円も取ってさ。」
ということです。

*****

まあしかし、今の時代、
「ビジネス本」と称される中身の薄い本が、
毎週の様に出版されますが、
その傾向がいけないんだと思います。

で、そういう本に限って、
「読書に金をかけろ!
月に2万は本を買え!」
と、煽るんですな。

俺もそれに動じて、買っていた時期がありましたが、
本は溜まって行くし、
お金はもちろん飛んで行きます。

それよりは、近くの図書館をうまく利用したり、
すぐに欲しい本は、アマゾンの中古などですませればいいのではないでしょうか。

「本を買わせる為の本」
が、一番頭に来るのです。


2012/5/16 20:19





追記:
ちなみに、この本の著者は、
「最新の本は書店で揃う」と、
図書館に行くのを10年ほど辞めて、
全て本屋で本を買い、
自らの家にも、書斎を超した、小さな図書室を作り、
「巷に出ているであろう、
自分がこの本を書くのに必要な本は、全て読み終わった」、
と思っていたそうですが、

その後、久しぶりに図書館に行き、
その蔵書の圧倒的な多さ(本屋に比べて)と、
更に本屋は、最新の本かベストセラー本しか置いていないのに対して、
図書館は、昔の本も含め、
同じジャンルの本が、歴史的に置かれているのを見て、
「やはり図書館には敵わない」と気づいたそうな。

まあ、自分も一時期は、
「図書館は最新の本も置いていないし、
やっぱり、本屋で本を買うのが一番でしょ」と、
過去3年間ほど考えていたので、
彼の行動を否定する事はできませんが、
それでも、10年も図書館を離れていたのは、
いくらなんでも長過ぎだろ、と。


それに、図書館に最新の本が無くたって、
頼めば、買ってくれるし。


要するに、
「最新の本は、本屋でチェック」
「図書館も、多いに利用する」
という、バランスが大事なわけです。

*****

そんなわけで、
もう少し肯定的に感想を書こうと思ってはいたけれど、
出だしで否定的に書き出してしまったせいで、
ずいぶん否定的な文章で終わってしまいました。





追記の追記:

この本の最初の部分に、
「今、巷に溢れ出ている各メディアを通じて流通している情報の量は、
平成16年の時点で、10年前(の平成6年)に比べて26倍、
また、我々が消費する情報量は、
10年間で、11倍増加した」とあります。

そして、そこからの彼の結論なのですが、
「私が目を付けたいのは、むしろ原発信情報量と、消費情報量の差です。
(つまり、実際に世の中に出回っている情報量と、実際に一人の人間が、消費出来る情報量の差)。
この消費しきれていない情報にこそ、新しいビジネスのアイディアが埋まっている様に思うのです」と。

よって、
「現代のビジネスマンは、
‖舂未離疋ュメントを読む事が大前提。
その中から⊆分に必要な情報を素早く吸収。
8率よく形にしなければならない、
という重荷を既に背負わされている」と。

この、「重荷を背負わされている」という部分が気に食いません。

そもそも彼の主張である、
「この消費しきれていない情報にこそ、新しいビジネスのアイディアが埋まっている様に思うのです」自体が、間違っていると思います。

それも一つの考えでしょうが、
そんなことはない。

そもそも、このデータは、
総務省情報通信政策局のものであることから、
日本国内のデータに関してしか過ぎないし、
それを、仮に全世界のデータで見たら、
トンでもない量になります。

しかも、その日本国内のメディアだけで発信された情報を
如何に速く、広く吸収しようと、
それは結局、日本国内の常識内でしか発された情報に過ぎず、
既に、「日本国内」という枠組みの中の考えになります。

そんな風に、日本国内に溢れている情報を、
より多く得ようとするくらいなら、
英語や中国語など、
外国語を幾つか習得して、
全世界のニュースや情報を、
その国のバイアスに偏り無く
集められた方が、よっぽどいい。


それに、そもそもですが、
そんな風に、
「より多くの情報に触れないと、ビジネスアイディアが生まれない」
というのも、違うと思います。

大事な事は、以外と近くにあるものだし、
そもそも、この数年間で、それだけ情報量が増えていながら、
人々の生活は、そんなに変わっていない事から、
人間の根本的な部分は、一日に接する情報量が多かろうが少なかろうが、
そんなに変わらないと思います。

要は、自分が普段している仕事の中や、
自分が厳選して選んだニュース、本などの情報から、
いかに、「本質」「共通点」をつかみ取るか、
ではないでしょうか?

一番大事なのは。

*****

物事は、全て繋がっているのです。
100の情報を集めようが、
1の情報を集めようが、
そこに含まれている「本質」なるものは、
余り変わらないと思います。

*****

なので、彼の意見に全て反対するわけでもありませんし、
彼の言いたい事も分かりますが、
この本の一番最初(前書き。目次の前)の部分に、
上記のような文章を載っけて、
ヘタに、読者に、
「総務省のデータによると、
こんなに情報は増えているんだぜ。
この垂れ流しの情報が増えると、
お前も、「負け組」に入るぜ。
さあ、もっと情報を取り入れる術を身につけようぜ。
そのためには、この本を読めよ」
という、著者のマーケティング的な意図が、
少なからず感じられて、
そこがイヤなのです。



つまり、
「この本は、イヤらしい。
下心が感じられて、潔く無い」。




俺が、巷に出る、
内容の薄い「ビジネス本」と称した、
どうしようもない本が大嫌いな理由は、
そこです。

「下心がある」
「読んでいて、イヤらしさがある」
「著者の文体から、『とにかく、本を出して有名になりたい』という意図が感じられる」



以上。













トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Archives
記事検索