May 15, 2012 20:35

"As I Am" by Alicia Keys

AliciaKeys-AsIAm-1

このアルバムを聴くと、2008年の春を思い出す。
俺が、アメリカに残るか、
日本に帰るか、
迷っていた頃のこと。

*****

このアルバムは、2007年の11月に出た。
出た当時は、ファーストシングルの"No One"が、
ラジオでかかりまくっていた。

俺は、丁度トーランスにある貿易会社でバイトをしていた。
そこの倉庫を思い出す。

*****

2008年の春は、
これからどうするか、
心が定まらないまま、
家もなく、
友達の家を、転々としている時期だった。

このアルバムの11曲目、
"Where Do We Go from Here" を聴くと、
ロイの家から、マウントシャスタまで続く山道を、
ロイの車の後ろに付いて、運転していたときの情景を、
ありありと思い出す。

この曲の歌詞は、こう始まる。

"We're at the crossroads my dear
Where do we go from here
Maybe you wont go maybe you'll stay
I know I'm going to miss you either way
Its such a lonely road"

これは、恋愛の曲だけど、
俺に取っては、
アメリカに残るのか、日本に帰るのか、
今後、何をして行くのか。
決まらないまま、ふらついている自分の気持ちを、
代弁しているような、
心の痛い所を刺す曲だった。


*****


そして、その後に続く、
12曲目の"Prelude to a Kiss" は、

"Sometimes I feel like I don't belong anywhere.
And it's gonna take so long for me to get to somewhere

Sometimes I feel so heavy hearted, but I can't explain cuz I'm so guarded.
But that's a lonely road to travel, and a heavy load to bear"

これも、自分の気持ちを表しているようだった。笑



なので、このアルバムを聴くと、
当時の、不安な気持ち、
どこにも属しておらず、
次の道も決まっておらず、
明日住む場所も決まっておらず、
いつも誰かに何かを頼んでばかりで、
自分の足が、地についていない、
非常に不安な気持ちを思い出す。



*****


思う。
人は、
「音楽」を聴くとき、
果たして、
その「曲」自体を聴いているのか、

それとも、
その「曲」に付随する、
自分の思い出を聴いているのか、と。



俺にとって、楽しい時期や、
楽しい思い出があるときに聴いていた曲は、
今聴いても、その当時の思い出が、
10年前のものであろうと、すぐに蘇って来る。



それは、きつい時期、
辛い時期に聴いていた曲も、同じ。



正直言って、
4年前に日本に帰って来てから、
常に、不安定な日々を送っていたので
(進路的に)、
この4年で新しく聴いて来た曲を聴くと、
余り、「心から楽しめる」曲が無い。



殆ど、
仕事で悩んで、辛かった思い出か、
仕事が楽しくても、同時に自分を思いっきり奮い立たせて、
緊張した状態で聴いていた曲か、
そのどれか。


なので、今こうして、
やっと進路が固まって、
腰を据えて、心にストレスが余りない状態で、
この4年で新しく聴いて来た曲を聴くと、
どれも、何かしら、
心に引っかかる思い出が蘇って来る。


(Alicia Keysの4th albumの"The Element of Freedom"が
余り好きじゃないと、前にここに書いたけれど、
それも、このアルバムを聴いていた時期が、
仕事で辛かった、というのもある。
このアルバムを聴くと、
冬の寒い時期、
睡眠不足で、朝、電車に乗っているイメージか、
朝、徹夜でオフィスで働いた後、
明け方、外がまだ暗いうちに、
寒い中、自宅のある駅に帰って来た時のイメージなどばかり思い出す。
でも、先日通して聴いてみたら、
結構いいアルバムだった。)

*****

そんなわけで、
そうやって、
”ちょっと嫌な思い出”が染み付いたアルバムは、
そのアルバム自体に失礼なので、
何か、楽しい時期に、
改めて、その”嫌な思い出”を塗り替える為に、
聞き返したりもする。

まるで、上から、違う色の絵の具を、
塗りつぶす様に。


*****

話が長くなってしまったが、
そんなわけで、
当時は、中々心が不安定な時期に聴いていたので、
あまり良い思い出は無かったけれど、
改めて、今日大音量で、
うちのスピーカーで聴いていたら、
非常に良い曲が多くて、
やっぱりAlicia Keysは曲の完成度が高いな、
と感じたアルバム。


2012/5/15 20:35



追記:

当時は余り好きじゃなかったけれど、
二曲目の"Go Ahead"なんかも、
凄くかっこいいと思う。
重低音と、彼女の声の太さが、
非常にかっこいい。


















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