May 12, 2012 07:23

「女子高生ちえの社長日記PART-4 ― 国際化?中国?それで、戦略!?」by 甲斐莊 正晃

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本書の中に出て来るキーワード:

「商標権」*商標の持つ3つの機能:
―仆蠅寮気靴気鮹里蕕擦襦塀仆蠎永無’宗
高品質を期待させる(品質保証機能)
商品の選択を促す(広告宣伝機能)

「マドリッド・プロトコル」(マドリッド協定議定書)
(1891年制定の「マドリッド協定」とは別物。←は使用言語がフランス語のみ、各国での審査期間が一年以内など、問題が多かった。
マドリッド・プロトコルでは、マドリッド協定には参加していなかったアメリカ、日本も参加。利点は、英語だけで世界の加盟国に一度に出願できる。国際出願の手間が少なくなり、商標出願に伴うコストも減らせる。)

「ピーター・ドラッカー」

「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス」(PPM by Boston Consulting Group)
(「スター(Star)」「金のなる木(Cash Cow)」「問題児(Question Mark)」「負け犬(Loser)」)

「ランチェスターの法則」

「アルフレッド・チャンドラー」(経営戦略は、それまでの職能や部署で個別に考えずに、長期的な視点で全体を調整して立てる必要性を指摘。)
「戦術と戦略(Strategy and Structure)」by Alfred DuPont Chandler, Jr.

「 フィリップ・コトラー」(著作『コトラーの戦略的マーケティング』など。『孫子』の「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず」と同じことを言っている。)

「ファイブ・フォース」(by マイケル・ポーター)
競争を激化させる5つの競争要因:
ゞス膕饉辧´⊃卦参入業者 B綢愽福´で笋蠎蝓´デ磴ぜ

*3つの基本戦略
 屮灰好函Ε蝓璽澄璽轡奪彑鑪」(競合先よりも安い価格を実現させる戦略)
◆嶌絞眠柔鑪」(他社に比べて魅力ある製品、サービスを提供する戦略)
「集中戦略」(特定の顧客層や製品に絞って経営資源を投入する戦略)

「水平・垂直統合戦略」
「カエサルの第四列戦略」など



本書の概要:
ビジネスのグローバル化にとって欠かすことのできない経営戦略の手法とその応用方法。
孫子の兵法、ローマのカエサルの戦略から始まり、ランチェスター、コトラー、ドラッカーなど現在のビジネスに活かせる世界の著名な戦略論。


******


シリーズ第四弾です。
今回も、非常に面白く、楽しんで読めました。



今回の内容は、
主に世界を舞台にした「経営戦略」に、
的を絞って話が進めて行かれます。

ストーリーは、
ちえの経営する山本産業の商品のコピーを、
ちえが修学旅行で行ったシンガポール内の、
あるチャイニーズタウンの中で見つける、という所から始まります。

そこから、自分の会社で作っている商品の偽物を作っている会社はどこか、
そして、そこの会社の企む戦略は何なのか?
というのが、本の最後まで分からない状態で進んで行きます。


タネを明かすと、そのライバル企業とは、
中国のある会社なのですが、
そこは、これからちえの山本産業が進出をしようとしている、
アジア圏に対して、
山本産業の偽物の粗悪品を作って流出させることで、
実際に山本産業が本格的に海外に乗り出す前に、
「山本産業」という会社への信頼性を、
徹底的に落としてやろう、という作戦です。



しかし、その中国企業には、
一つだけ弱点があります。

それは、その会社が今まで、アメリカの大手音響メーカーに対する
OEM(Original Equipment Manufacturer)事業ばかりを専門として来た為、
敵の商品を真似ることには長けているものの、
音響機器メーカーや消費者が持つ、
新しいニーズを自分たちで掴むことができない、
また、社内に新製品開発部すら存在しない、ということ。

(つまり、人のマネばかりはうまいけれど、
オリジナルのアイディアで勝負ができない、ということ。)


よって、自分たちの唯一の強みである、
『コスト・リーダーシップ戦略』
(コストを下げることによって、利益は確保したまま、それにかかるコストを徹底的に落とす方法。ユニクロがこれで成功している。戦略の一つとして、生産拠点を日本国外の人件費の安い国に変える、など。)

の中に、山本産業を引っぱり込み、
価格競争の中に、山本産業の経営戦略の方向を変えさせることで、
山本産業の新しい製品の開発などに対する道を塞ぎ、
自分の土俵内で勝負をさせようとする、という魂胆。


その為に、その中国企業は、
山本産業の主要マーケットである、
国内の取引先企業に対しても、
利益が無いことを承知の上で、
山本産業が提供している取引価格よりも3割安く、
商品を出す、という戦法で、
国内の取引先を次々に奪って行く。

(しかし、そのターゲットにされた国内の取引先は、
国内の関係ない別々の4つの地域であり、
『三点攻略法』
(*最初に、敵の一番弱い所を討つ。
次に、最初のポイントと線で繋がるもう一つの点を討つ。
最後に、そこを討つことで、3点の構成する三角形内に、
自分の攻めたい主要ポイントが含まれる様にする、という戦略)
には則っていないため、
山本産業側も、一体敵の目的が何なのか掴めず、
混乱する。)



それからもう一つ、
山本産業の内部情報が外にリークしている可能性が挙り、
それを突き止める為にも、
ちえが頭を使って、
社外は元より、社内の人間も騙すことで、
完全に敵の虚をついて、巻き返しを図る、というもの。


それに対して、

「孫子」からの、
・『迂直(うちょく)の計』
(わざと迂回して敵を安心させ、妨害のないのに乗じ先に到着する戦法)
・『間者の活用』

兵法三十六計(へいほうさんじゅうろっけい)からの、
・『第二計 囲魏救趙(いぎきゅうちょう)』
(敵を集中させるよう仕向けるよりも、敵を分散させるよう仕向ける戦法)、

ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)(英語名:Gaius Julius Caesar)の、
・『第四列戦略』
(軍の中に、敵に存在を知られていない予備軍を持ち、いざという時に、この予備軍を使って敵を討つ方法。第三列までが全てと見せておいて、敵がひるんだ瞬間に、第四列を出し、敵を討つ。)


などが使われます。


*****


今回は、孫氏←孫子(孫氏はソフトバンクの社長)の内容が沢山出て来ましたが、
世界で闘って行く為に、
いかに経営戦略を駆使するか、
そして、如何にそれを実行して、成功させるかを、
想定されて書かれていました。


*****


シリーズを重ねるにつれて、
主人公のちえはどんどん逞しくなって行きます。
最初は、「モエ系の本かよ」とちょっとバカにして手に取った本でしたが、
今ではすっかりハマってしまいました。


固い経営戦略などのビジネス本を読む前に、
簡単にその概要を掴んでおきたい人には、
非常にお勧めのシリーズです。


2012/5/12 8:03am



(上記キーワードと概要はこちらから引用の上、一部変更)







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コメント一覧

2. Posted by shun   May 13, 2012 18:52
純平さん、コメントありがとうございます。
純平さんの前回の質問は全然下らなくないですよ。むしろ、とても大事な事だと思います。
前回はお薦めしませんでしたが、以前僕が読んだ本で、苫米地英人氏の「なりたい自分になれる就活の極意」という本は、就職活動をするにあたっておすすめです。このブログでもレビューを書いているので良かったら読んで下さい。

社会に出るに当たって、日本では「新卒」というのは何にも勝るブランドですから、それをうまく使って下さい。今のうちに、色々な業界、業種を知っておき、自分がどんなことをしたいのか、「毎日どんな生活をして、どんなスタイルで仕事をしたいのか」を出来るだけ考えておくことは、今後の純平さんの人生に大きく関わってくると思います。
頑張って下さい。

村上さんの作品に関しては、色々な見方があると思います。僕は純粋に、彼の文章の運びと流れ、そして、彼の世界観が好きですね。
1. Posted by 純平   May 12, 2012 22:00
5 Shunさん、こんばんは。
前回、僕のくだらない質問に対して丁寧に答えていただきありがとうございました。
やっぱり、どんな場合でも、違う環境に飛び込んで行く場合に、たとえ入ってからまったく違う印象を抱いたとしても、一応の知識を持っておくということは大切なことですよね。
僕は出版関係を希望(あくまで希望…)しているので、今、出版業界についての本を一冊購入して読んでいる最中です。
Shunが紹介されているシリーズはとても面白そうなんですけど、表紙が凄いインパクトがあるので、何だか、もし本屋で購入する時や図書館で借りる時は、一言言い訳させてほしいなぁと思いました。(笑)

「読みたい時期」と「読みたくない時期」という表現、とても共感できます。僕も村上さんと出会ったこの1年、ずっとくっついたり離れたりの繰り返しです。
『スプートニクの恋人』楽しく読みました。でも、いつも主人公(ぼく)に対する描写が同じですよね。
最近は、もしかして村上さんはず〜っと同じ1つのことを書き続けているのかなとさえ思うようになってきました。
読み終えたあと、図書館にある『村上春樹全作品』という本の最後にある毎回本人が書いている解題を読みました。
『スプートニクの恋人』は冒頭の文章だけ書き留めていたのを1年ぐらい後に書き足していったそうで、あの村上さんの代名詞とも言える「比喩」や「描写」を書きまくることをこの作品で最後にしようと考えていたみたいです。
だから、この作品では出せるすべてを出したみたいです。
でも、『1Q84』を読む限り、「比喩」や「描写」はまったく減っていないので、どうやらその試みは失敗に終わったみたいです。
ではまた。

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