March 25, 2012 12:26

「ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方」by 苫米地英人

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非常に面白い本だった。

下記は、本書の要点、及び気になった所。

*****

・現在多数出回っている、ただ読むスピードを速くして、飛ばし読みをする「速読」の本は、読書の本当の意義がなっていない。
・読書は、一語一句をしっかり読んでこそ意味がある。

・速読をする本当の意味は、
新しい知識を得て、今までとは違ったモノの見方を知り、
自分の考え方を広くすることで、自分の人格が磨かれること。



苫米地氏の提唱する速読の方法は下記の通り。

・速読の絶対的条件は「知識量」。
我々は自分が知っていることであれば、そのイメージを見た瞬間にそれを明確にイメージ出来る。
例えば、一度ハンバーグを食べたことがある人間なら、ファミレスのメニューでハンバーグの写真を見た瞬間に、その味、匂い、舌触りがイメージ出来る。
それと同じで、自分が既に精通している知識に関する本であれば、そこに書いてある言葉の羅列を見た瞬間に、その著者の言わんとすることがイメージ出来る。速読の根本的な常識はここから。

・しかし、今知識がない場合は、まずは本を読んで知識を一から付けなければいけない。
その為に本を沢山読むのに、時間がないから速読が必要。その場合はどうするか?
それは下記の通り。

*****


1、速読意識の醸成
2、「先読み」の習得
3、自らをハイサイクル化するトレーニング



1に関して:
まずは、「本を沢山読もう」と思い、とにかく読み続けることが、速読へと繋がる。
日経のデータによると、読書量の多さは年収の多さに匹敵する。
・現在の日本人で月に1冊も読まない人は半数に登る。
・月に3〜4冊読む人は、日本人で10%しかいない。
・まずガムシャラに読めば読むほど、自分の知識も増えるので、よって他の本を読む速度も上がる。
・読書は小説が適している。小説を読んで涙を流したり、感情移入出来ているということは、それだけその本の内容を自らの中に置き換えてイメージが出来ている証拠。また小説を書く際に著者は多くの本を参考にしているので、その分内容の濃い知識が得られる。

2に関して:
・読んでいる最中に次の行の文章も意識する。
・脳は目に入ったものは一度無意識で意識をしているが、その瞬間に不要と見なしたものは見ない様にしている。(意識から外している。)それをするのが「RAS(Reticular Activating System)=ラス」という行為。脳の基底部にある網様体賦活系(もうようたいふかつけい)と呼ばれる細胞の活性化ネットワークで、これがフィルターの役目を果たし、脳が不必要と判断した情報を振るい落とす。
・普段文章を読んでいる際には、目には同時に何行分も写っているが、あえて自分の読んでいる一行だけを見る様に脳が指令している。しかしその際に、次の文章も意識に上げることで、次の文章を読んだ際に、「一度見ているものをもう一度見る=予習したものをおさらいすることになる」となる。
・それを意識することで、一つの文章を読んだ際に、二回それを見ていることになる。

3に関して:
・思考の加速化
1)すべての行動を加速する
2)並列度を上げる
3)抽象度を上げる

1)すべての行動を加速する、に関して:
・文章を読みながら、超早口でその文章をぶつぶつ読む。
その際に「言葉を読み上げた瞬間、その意味が脳内で強くイメージできるようにする」。
要するに、「文章を読む/見る」=「その瞬間にそのイメージが明確に出来る様にする」ということ。上のハンバーグの例と一緒。
・テレビでニュースを見ながら、そのテーマに関して即座に反論を5つ作る。そして更に賛成論も5つ作る、など。
・自らのクロックサイクルを上げる。(クロックサイクルとはコンピュータ用語で、命令を受けてから処理し終わるまでの時間のこと。つまりタスク処理のスピード。)これを意識して上げることで、自分のクロックサイクルが高くなって来る。
例えば、地方の人が田舎に来た際に、人が歩くスピードが早いと感じるが、次第にそれに慣れるのと一緒。東京の人は、その歩く早さが快適と感じ、逆に田舎の早さで歩いたら、居心地が悪く感じる。要は、自分が居心地が良いと感じる早さ(コンフォート・クロックサイクル)をどれだけ普段の生活で上げるかということ。

2)並列度を上げる、に関して:
・メニューの早読み。
メニューの写真をパッと一秒で見ながら、そのイメージを膨らませて、イメージでモノゴトを理解する。(これは前のレビューでも書いたので割愛)
・同時に二つの本(絵本と写真集など)を眺めて、それを一度に拾う。
・共感覚を使う。(それを別の感覚で感じ、イメージして記憶する。「とげとげして黒い声」とか、「温かくて緑色の声」とか。それにより五感をフルに使い、色んなイメージでそのモノゴトを記憶する。)

3)抽象度を上げる、に関して:
常にモノゴトを高い視点から見る。会社で言えば、社長は富士山の頂上からすべてを見渡していて、新入社員は山の麓で目の前の木を見ている。常に広く高い視点を意識する。


******


他に気になった所は下記:

 崔者になりきって読む」
◆嶌把3回は同じ本を読む」



,亡悗靴董
その著者になりきって、「彼(彼女)の人格」で読むことで、本当にその著者の言いたいことが分かる。逆に、「自分の人格」で読んでしまうと、自分に取って都合の良いことしか拾わないので、読み終わった後の感想は、
A「ほら、やっぱり俺の言っていることは正しかった」
B「この本は間違っている部分が多い」
の二つにしかならない、と。
(俺は良くこれをしているなと思った。)


△亡悗靴董
1回目は、その本に書かれていることを「初めて」の状態で知り、著者の言いたいことを掴む。
2回目は、最初の読書で見逃していた部分を見つける。
3回目は、著者の人格になりきり、自分が書いていたかの様に感情移入して読み込む。それによって最大までのその本の中身を自分で感じることができる。

(上の例えとして、有名な下記のだまし絵の例がある。
20081205212144

最初に「老婆」しか見えない人は、「若い女性」がいますよと言われて、若い女性に気づく。大抵良い本というのは、一度読んだだけでは、どちらかしか見えないもので、最初に読んでいる際に「老婆」を感じつつ、「若い女性」が隠されている場合が多い、と。
よって、
1回目は、プリプロセッシングとして「老婆」の姿を見つける。
2回目は、「若い女性」の姿を見つける。
3回目は、「老婆」「若い女性」両方を意識ながら読む、と。)






もう一つは、
「お金の奴隷から解放される為に、二足のワラジをはく」と。
しかし、二つの方法でお金を稼ぐという訳ではなく、
一つは、今の仕事を会社に勤めながらして、お金を稼ぐために働く。
もう一つは、仕事をしながら、同時に頭の中で、別の職業についている自分を意識する。
(自分の職業とは違った自分に関する小説を頭の中で書いたり、自分が将来なりたい状態になって行く様子を、小説にする。頭の中で。)

それにより、後者の方で、全く「お金のため」ではなく、「自分のしたいこと。かつ、人のためになること」を行って行くことで、「お金の奴隷から解放された自分」という人格を形成することができる。その結果、新しい視点で世界を見れる様になり、自分の人格が高まる。また、今の自分の会社での仕事も別の視点から見れる様になり、仕事が更に出来る様になる。

*****

と、そんな感じです。

2012/3/24 9:08〜10:02am




追記:
もう一個印象深かったのは、
「恐竜はなぜ滅びたか?」ということ。

恐竜(ここではティラノサウルスの様な肉食の場合)は、
地球に隕石が衝突して、自分のターゲットとなる動物が減った際に、
今まで自分がエサだと思っていた「肉」以外は、「エサ」と見れなかった、ということ。
目の前にある草や昆虫などを、エサを見なせず、エサに出来なかった為(自分が環境に合わせて変化できなかった為)に滅んだ。

これを今の社会に置き換えると、
「今までの考え」で走って来た古い体制の企業ほど、
目の前の市場状況が変わり、自分たちにとっての「エサ」が変化して来ているのに、
それに気づかず、または、気づこうとせず、
結果、潰れて行く、と。

そのために、常に自分の盲点(スコトーマ)を意識して、
「見えなくなっているもの」は何かを意識して、それに気づき、
視野を広げ、行動をすることが大事だ、と。







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コメント一覧

2. Posted by Shun   March 27, 2012 07:24
純平さん、
こんにちは、コメントありがとうございます。返事が遅くなりました。

まずは、ブログ、読んでみましたよ!
色々と考察されていて、僕もとても感じることが多かったです。

それから、ここに書いて下さった、「今の自分とは全く違って、よく分からないけど、この人の言っていることを理解したら成長できる」というくだり。

それを読んで、僕が昔17歳位の頃に、
知り合いの美容師の方から、
「若い頃は、自分と全然違う考えを持っていたり、自分よりもずっと大人で、その人の言っていることが全く理解出来ない人と、なるべく付き合った方が良い。
そうすれば、自分の視野が広がるし、いつか、その人の言っていた事が理解出来る日が来るから」
と言われたことを思い出しました。

僕はその言葉がすごく印象的で、それ以来、留学中も、なるべく自分とは違う考えの人とも付き合うようにして、自分の幅を広げようとしていた時期がありす。

また僕も近いうちに、内田樹さんの本も読んでみますね。


1. Posted by 純平   March 25, 2012 14:58
5 shunさんこんにちは!
「著者になりきって読む」という箇所、とても納得できました。僕がよく読む村上さんと内田樹さんも翻訳をしているのですが、その際は「著者の頭の中に入っていって著者の思考を追思考する」そうです。(内田樹さんはこれを「自分の考えをいったん『かっこにいれる』とも言っています。」)
そのため、自分の人格だけで読むと「完全な共感か反感」しか抱かないということも凄く納得できました。
実はこれってレヴィナスの他者論ととても似ているんです。
僕がレヴィナスから学んだことの1つに「わかるということは必ずしも良いことばかりを意味しない」ということがあるのですが、これは要するにすべてを自分の考え・価値観に同化させてしまうということで、これは自分の価値観だけで読書をするという行為に近いのではないのかなぁと思います。
僕が内田樹さんを尊敬するようになったのは「主張に共感」したのではなく、自分の今の価値観を全否定されている、あるいは、自分の既存の価値観では決して理解できないにもかかわらず、「この人の言っていることは正しい」、「この人の言っていることを理解できるようになれば自分は一段と成長できる」と直感的に感じたからなんです。


先日、村上さんの『アフターダーク』を読みました。
もし良ければブログに感想を書いた(ただの雑感に過ぎませんが)ので暇つぶしにでも読んでくださいね。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1597057/1608476

長々と失礼しました。

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