March 09, 2012 19:46

「夢をかなえる洗脳力」by 苫米地英人

%89%E6%91%9C%20942-thumb

かなり面白い本でした。
この人は、自分の本のタイトルに「洗脳」という言葉をひっきりなしに持って来るから、
「なんかこの本、怪しい」という印象が残ってしまうんじゃないでしょうか。

この本に関しても、
中身は、「IQの高い思考法」とか、
「パラレル思考(超並行思考)」とか、
非常に面白くて、
目から鱗が落ちる概念が沢山書いてあるので、

きっと彼が、茂木さんの様に、
もう少しクリーンなイメージで、大衆受けする様に自分を売り出して、
「頭が良くなるIQの上げ方」とか、
「脳が良くなるパラレル思考法」とかの本でこの本なり、
彼の他の著作を出していたら、
もっと売れていたんだろうと思います。

(といっても、彼はそういう、大衆に好かれる様なことを一々するのを嫌うと思いますが。
というかそういう事に余り興味がない気がします。
一般的な人の見解からすると、かなりぶっ飛んでいるので。)

*****

それにしても、彼の本は面白いですね。

今回のこの本は、
上にも書きましたが、やはり「IQの高め方」
のパートが、非常に面白かったです。


例として挙げられているのが、
レストランに入って、
メニューを見て、一秒で決める訓練。

メニューを、見開き1ページに付き1秒で見て、
全部見終わった後に、更に1秒以内で、
パッと決める。

もしもオムライスにしたら、
それに決めた理由を、5個、
1秒以内で、同時に概念で考える。
(言語化すると、5個同時はムリだから。)

そして、そこで出て来た、
5個の理由(例えば、「卵がフワフワして美味しそうだから」「オムライスは安くてボリュームがあるから」など)に対して、
一つの理由に対して、5個の反論を作る。
それも1秒以内で。

(例えば、上の「卵がフワフワして美味しそうだから」に対する反論は、
「卵はコレステロールが高くて身体に悪い」
「フワフワに見えるのがこの写真だけであって、実際はフワフワしていないかもしれない」など。)

その後、更にここで上がった25個の反対意見に対して、
更に5個ずつ、再反論する、と。

(例えば、上の「卵はコレステロールが高くて身体に悪い」に対しては、
「卵はコレステロールを逆に下げるという説もある」
「オムライス一個を食べたくらいで、死にはしない」など。)

それらを、全てイメージの中で、
並列的に、バババッと考えると。

すると、メニューを見てから数秒以内に、
「私がオムライスを食べる理由」が125個思いつきます、と。笑

(こうして、レストランに入ってメニューを見てから数秒以内に、
「もう俺は食べるものを決めたよ」
「それを頼む理由も125個も考えたよ」と言うと、
「嘘をつけ」と必ず言われます、と素直に書いてある件が面白い。)


*****


彼は、アリストテレスが編み出した三段論方式
(AだからB、BだからC....)
の考え方は、人類をバカにする為に生み出されたんじゃないかと言います。笑

元々人類は、IQの高い人間ほど、
数学の公式にしても、
Aから、B,C,D....と一つずつやって行って、最後にZを導き出すのではなく、
全てを同時に感覚で捉えて、
一気にAからZまでの答えが一瞬で分かり、
その後、その証明として、A→B→C→....→Zと書き上げていくものだ、と。

彫刻家にしても、
石を彫り上げる際に、
「次の一手をどうするか」などではなく、
その作品を作る前に、石を見ている時点で、
その中から掘り出す作品が見えていて、
後はそれを掘り出すだけだ、と。

モーツァルトにしても、
壮大な協奏曲を、
一瞬のイメージで頭の中に作り上げ、
それを一つ一つ、楽譜に落として行っただけである、と。

*****

ここで話は少しずれますが、
記憶力を高める効果的な方法の一つとして、
「海馬を騙す」と。

脳は、自分が経験する一つ一つの情報を全て記憶しておくと、
脳がパンクしてしまうことから、
以前に経験をしたようなものや、
似た様なものは、
海馬が記憶に入れる前に、振るい落としてしまう、と。

よって、一度目を通したことがある台詞などを、
役者が中々覚えられないのも、
一度目を通してしまい、「これは前に見たことがある」と判断してしまっているからだ、と。

よって、一番いい方法は、
「わざと間違えること」。

実際に思い出してみて、
「あれ、次はこうだったかな?」と考えながら、
自ら間違っていても良いから、答えを考えてみて、
その後、実際の台詞を見てみて、
「ああ、実際はこの言葉か」と、
それを繰り返して行く。

すると、海馬としては、
「あれ?この情報はまだ自分にとっては新しいものだったんだな」
と毎回意識をするから、
結果、それが記憶に残る様になる、と。

*****


それと、また話は飛びますが、
相手を自分の思い通りに動かすには、
「情報的身体を大きくすればいい」と。

これには、物事は、
「”情報的身体”がより大きい方に、小さい方が同調していく」
という効果を活用したものです。

(人間は、「ホメオスタシスの同調(ホメオスタシス・フィードバック)」を、
現実的世界、仮想世界、関係なく行う、という現状に基づく。)

例えば、映画を観ている人間が、
それは仮想世界と知りつつも、
ホラー映画の恐いシーンでは、心臓がバクバクして、
飛び上がりそうになる、ということ。


これをうまく利用するのが、
自分の持つ情報的身体を大きくする方法。

大きな地球を思い浮かべた後、
その地球を、さらに大きくなった自分が、
両手で丸め込んで抱えてしまう、というイメージをリアルに持つこと。

すると、自分に対する「大きなイメージ」ができ、
これをリアルにありありとイメージすれば、
相手もそれを感じ取り、自分に強調してしまう、と。

(これは、気功で使われる「大周天」というものを元にしたものらしいです。)

*****

後は、上に繋がる例で言うと、
相手との空間をコントロールする為に、
例えば、二人が目の前にしている机の上のものを、
自分が先に触れて、動かす、とか。

すると、相手は無意識的に、
「その空間は、相手がコントロールしている」
というのを無意識に感じてしまう、とか。

この辺は、悪用しない方がいいですね。
(俺はこういうことを考えて普段生活をしていないけれど、
確かに、誰かと二人で面と向かって座った場合に、
そのテーブルにあるものを誰かが動かした場合や、
そのテーブルにあるものの配置をその相手が独占した場合、
どことなく居心地が悪くなることを経験しているので、
「なるほどな」と思った。

それから、上の「大周天」に関しては、
良く、凄く器量が大きくて、
「あいつ、何か良く分かんねえけど、堂々としていて凄いな」
という人間の場合、
無意識的に、物事を大きな目で抽象的に捉えて、
そういう大きな心持ちでいるからじゃないでしょうか。)

*****


ちょっと上の、「IQを高める方法」に話が戻りますが、
苫米地氏曰く、
「頭が良い」すなわち「IQが高い」とは、
「問題解決能力が高いかどうか」であると言います。

(それを具体的に言うと、
物事を抽象的に捉えられるかどうか、
物事を同時に並列的に同時に考えられるか、
物事を高い視点から一度に見下ろして考えられるか、
その全体像が常に変化する状況に応じて、対応方法を考えられるかどうか、など。

サッカーのイメージで言うと、
自分のチームと相手のチームを含んだ全てのプレイヤーのことを、
フィールドの上から鳥の目で見て、
全てのプレイヤーの動きを把握しながら、
どこにパスを出すかを考える見方のことです。
中田英寿氏が得意なヤツですね。)


そのIQを高める方法の一つで、
共感覚を使うことが挙げられています。


「共感覚」とは、
一つのモノを経験する際に、
それを、五感の全てをフルに使って、
それを表現する方法です。

(例えば、音楽であれば、ただ、音で感じるのではなく、
色ならばこれだ、とか、
味ならばこんな感じ、とか、
触った感じはこんな感じ、とか、
全ての五感を使って、その”モノ”なり”事”を味わうこと。)

これがリアルに出来れば出来るほど、
そのモノに対する記憶力も上がり、

かつ、何か自分の理想とする状態を叶える際にも、
その理想とする状態にいる自分自身を、
五感全てを使って強く意識して感じられるかどうかが、
非常に大事、と説きます。


この共感覚をフルに使うと、
一度に、要するに「感覚」を使って、
色々なことを頭で認識することができる、と。

苫米地氏は、
共感覚は元々人類みんなが持ちうるものなので、
それをうまく使う様にして、
訓練すれば、
パラレル思考はすぐに出来る様になると言います。


(ちなみに共感覚に関しては、
どれだけ感覚の世界に足を踏み入れられるか、だと思う。
要するに、どれだけハイになれるかどうか、でしょう。)

*****


とまあ、当たり障りもなく、
この本を読んでいて心に残ったことを纏めてみましたが、
この人の言っていることは、
「抽象力を上げる」ということなので、
要するに、どれだけ「具体的に考えるか」でなく、
どれだけ、
「大きな感覚で、ものごとを抽象的に考えられるか」
の話をしているわけです。


俺は元々、物事を抽象的に考えるのが好きなので、
だから、彼の本を読むのが、気持ちいいんでしょうね。


俺はまだ社会人経験3年ちょっとですが、
ビジネスのシーンに置いて、
現場にいる平社員ほど、
どれだけ「具体的に」物事を考えるかが強調され、
どれだけ「抽象的に」物事を考えるかに関しては、
余り求められない気がします。

(なぜなら、「抽象的」な考えを求められるのは、
もっと上の方に立つ人間(社長など)が、どう会社全体を纏めるか、など、
「全体を俯瞰する力」を求められる場合においてのみだからです。
まあ、平社員でも抽象的に物事を見る必要がある状態も多々あると思うので、
一概にそうとは言いきれないと思いますが。)


*****


多分、俺が前職において、
毎日、目の前の数字のことや、その月の売り上げのことなどを考えてばかりで、
頭が「カチコチ」になったと感じていたこと、

そして、
家に帰って来て、音楽を聴いたり、
ギターを触ったりして、
何か感覚的なものに触れることによって、
「カチコチになった頭がほぐれて行く」と感じていたのは、

前者の場合では、物事を具体的に考えることのみにフォーカスして、
言わば、視野がめっちゃ狭くなっていたのでしょう。

で、後者の方をすると、
頭がリラックスできたのは、
その時点で、共感覚を使う、
言わば、「抽象的に物事を考える」ことで、
めっちゃ狭かった視野が、
グワッと、広がったから、
じゃないでしょうか。

*****


俺が、普段、
感覚的なことに関して人と話ができたときに、
凄い喜びを感じるのは、
要するに、「抽象的な」視野で物事を見ている人と、
話ができたときなわけですが、

「抽象的な」視野で物事を見るとは、
今、目の前で見ている情報を、
ぐぐっと視点を上げてみて、
もっと大きな括りで見た場合に、
「なんだ、この問題の”本質”って、ここじゃん」
という、問題の”本質”が見えるからじゃないでしょうか。

*****

苫米地氏も、本の中で、同じ様なことを言っています。

「何か問題にぶち当たったときには、
その問題から視野を広げて、
抽象度を上げて考えなさい。
すると、物事の解決策が見える」と。

*****

面白いですね。

2012/3/9 17:52



トラックバックURL

コメント一覧

4. Posted by shun   March 24, 2012 12:28
さきさん、返信ありがとう!

なるほどねー、江戸指物とか漆ですか。
調べてみたけど、たしかに、俺が好きそうですね。特に漆とか。
俺もやっぱり、「モノ」を作るのが好きだし、何かを極めるのが好きだから、そうやって手先を使って、何か「作品」を作ることに、すごく魅力を感じます。

さきさんの言う様に、「天性の器用さと、真面目さを兼ね備えてるし、語学力もコミュニケーション力もあるから世界にその奥の深さを発信できる力も持ち合わせてる」ので笑、それを生かさない手はないですね。

そういうインスピレーションはガンガン教えて下さい。とても参考になります。

それから、上から目線の件はジョークですので気にしてないですよ。逆に気を遣わせてしまってごめんね。ニュアンスが伝わりにくいから文字だけのコミュニケーションは嫌ですね。

p72はどんな内容か忘れたので、これから図書館に行きがてらまた読んで来ます。
3. Posted by 仙人   March 24, 2012 01:25
上から目線ごめんね。
もし嫌な思いしてたらさ。

p72読んだ?私トマベチさんにどっぷりはまった時期にこのページ読んでたら俊輔ばかり思い出して心配になったんだよ。それが上から目線なのか。でもその人はその人がその時に一番必要な経験をしてるから、きっとこの本は必要ではないのだろうと思ったんだよね。

俊輔の考え方がどうかなんて変わったかどうかはわからないけど、俊輔がこの本に出会ったのは私的には勝手に面白いのです。

あと上から目線ついでにさらにいえば、私は俊輔が伝統工芸にたずさわる絵が見える。江戸指物とか漆とか。天性の器用さと、真面目さを兼ね備えてるし、語学力もコミュニケーション力もあるから世界にその奥の深さを発信できる力も持ち合わせてると思ってさ、工芸会は有能な人材を手にし損ねたと思ってるよ。

どっちかというと私の妄想目線ですが。

でもやっぱりそれは私の頭の世界だからね。他人は他人の世界があるんんだとちゃんと認識し始めてきた今日この頃です。

新しい仕事うまくいくといいね!

2. Posted by shun   March 20, 2012 09:46
さきさん、コメントありがとうございます。

さすがさきさん、
(自分ではそういう気は全くないんだろうけれど)、やっぱり意見が上から目線。笑

そういう、仙人のように人の人生を遠くから俯瞰的に見れるところが、さきさんの素晴らしさだと思います。

これからも遠くから見守ってやって下さい。そして貴重な意見をお待ちしております。

1. Posted by 早   March 17, 2012 08:53
私がこれ読んでた頃ちょうど俊輔のblogに売上達成の事をよく書いててさ、この本勧めようかどうか迷ったんだよね。
でもきっとその時の俊輔には迷惑な本だろうなと感じた。

本でもなんでもだけど、どう感じるかは状況次第なんだろうね。

人の考え方のうつり変わりって本当におもしろいなぁと感じる。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Archives
記事検索