March 04, 2012 17:46
"Bad Lieutenant: Port of Call New Orleans"
さあ、ニコラス刑事の映画です。
今回も、刑事役なので、
「ニコラス刑事」で大丈夫ですね。
邦題は『バッド・ルーテナント』。
直訳すると、『悪〜い警部補』。
題名そのまんまの映画です。
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さあ、ニコラスさん、
今回もやってくれました。
いや、今回は、
映画としては、かなり完成度が高いんじゃないでしょうか。
しかし、ニコラスさんの演技が、
果たして演技なのか、それとも本当にラリってんじゃないか?
と疑う様な、名演技ぶりをしていらっしゃいました。
彼はきっと、実生活でも、ラリッてるんでしょうね。
じゃないと、あんなにうまく、
演技できないでしょう。
鼻からコケインを吸うシーンとか、
その後に、歯茎に指をこすりつけて、
最後は髪の毛を手で撫でるシーンとか、
自然すぎます。
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この映画は、かなり爆笑シーン満載でしたが、
中でも一番笑ったのは、
ニコラスさんが一時期かくまっていた、ンデーレ一家の暗殺現場を目撃したという、
デリルという青年の祖母に、再度会いに行くとき。
デリルは、ニコラスさんが
自分の賭けている試合の様子をチェックしている間に、
トイレに行くと言って、姿を眩まします。
その後、彼の居場所を突き止めるために、
彼の祖母の部屋へ再度赴き、
祖母と介護士の女性が部屋に入ってくるところを、
ドアの後ろに隠れて待っているわけですが、
彼女たちが部屋に入って来ると同時に、
そこでなんと、電気剃刀でヒゲを添り出すという。
で、その後に上着の胸ポケットにヒゲ剃りをしまうニコラスさん。
もうあそこには爆笑ですね。
センス良過ぎます。
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このニコラス刑事演じる警部補が、
本当にヒドいヤツなんですが、
ニコラスさんの演技がうま過ぎて、
まるで彼のドキュメンタリー映画の様です。
手当り次第にその辺にいる若者を止めて、
ヤクを手に入れるなり、
駐車場でそのまま女性を抱くなり、
容疑者を捕まえる為に、隣の家から侵入する際に、
その家の台所に置いてあったヤクを手に入れたりと、
その様子が自然すぎて、
「おいおい、ニコラス刑事、普段からこんなことやってんじゃないか?」
という感じです。
僕はこの映画を観て、
彼のことをちょっと尊敬する様になりました。
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それから、映画の雰囲気が、
そりゃあもう、ニューオーリーンズの腐った雰囲気なわけですが、
そのダルーい感じが良く出ているよね。
時期も丁度、
ニューオーリーンズをハリケーンカトリーナが襲った後から話が始まっているので、
その頃にそこに足を運んだ身としては、
何か親近感が湧きます。
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それと、この監督のセンスはかなりすごいですね。
途中で、イグアナを度アップにして、
そのシーンがやたらと長かったり、
最後に、ニコラスケイジが、以前自分がムショで助けてやった青年と、
二人で水族館へ行って、
そこで、「ハッ」といつもの感じで笑って、
それで映画が終わるところなど、
むしろ、この監督は、
「ニコラスケイジ」というオジさんが、
どういう演出をしたら光るのか、
それを心から分かっていて、
今回の映画を作った様な、
そんな気がします。
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まあ、全然「オススメ!」とか言える映画ではないですが、
僕はかなり好きです。
ニコラス刑事ファンのそこのアナタには、絶対オススメ!!
2012/3/4 17:42
追記:
この映画は、やけに「間」が多く、
「そのシーン、そんなに時間を取らなくていいでしょ」
と言いたくなるくらい、じっくりと撮られている。
例えば、ビッグ・フェイト役のアルヴィン・“イグジビット”・ジョイナーに、
ニコラス刑事が、
「俺のラッキーパイプで吸うか?」と言うところなんか、
イグジビットさんは、かなりそれをうまそうに吸うんですが、
(それも度アップで)
それだけ間を持たせるということは、
そのパイプに、実は何か毒でももられているんじゃないかと思いきや、
全く何も関係なかったという。
あの辺、上手いですね。
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ニコラス刑事の魅力を十分に楽しみたい人には、
200%以上満足しちゃうような映画です。
★おまけ★
先日、同じくニコラス刑事を愛するサヤカさんから紹介頂いた、彼の勇姿