March 04, 2012 13:36

「挫折力 一流になれる50の思考・行動術」by 冨山 和彦

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この本は、タイトルと前書きに惹かれて借りて来ました。

前書きには、
「今の時代は、一流大学を出て、一流企業に入れば、安泰という時代は終わった。
これからは、そんな時代で挫折する経験を元に生きて行くのが大事だ」的なことが。


しかし、読み進めてみて、
率直な感想。

つまらない。

テーマが幾つもあって、俗にいう「◯◯のための50のポイント」的な感じになってるんだけれども、
その一つ一つのコラムの中にも、覇気を感じられないし、
本一冊を通しての流れも、全く感じられない。


そして、この本に引き込まれない最大の理由は、
恐らく、
「”挫折が大事”と言いながら、著者自身が、有名大学を出た後、結局はエリートコースを進んでいるから」。
(”エリートコース”っていうのは、「有名大学」→「大手有名企業」という道のこと。)


よって、彼の言う”挫折”とは、
日本社会で生まれた日本人が、
一流大学を出て、一流企業に入ったは良いが、
そこで、会社が潰れるなり、転職を余儀なくされるなり、
左遷されるなり、
そういう、「想定外」のことが起きたことを、
”挫折”と評している、ということ。



はっきり言ってさあ、
エリートコースを歩んでいる人からしたら、
そういうことが、”挫折”かもしんねえけど、
そういう道を歩まずに、
もっと色んな思いをしているヤツからしたら、
そんなの、挫折なんて呼ばねえんだよ、

と言いたくてしょうがない。

*****

なので、この著者は気づいていないが、
どこか、上から目線というか、
「エリート社会で生きて来た人には、
そうでない社会で生きている人がどう感じるかを、
本当の意味ではやっぱり分かっていないんだなあ」
ということをプンプン感じさせてしまう。

*****

と、批判ばかり書いていますけれど、
中にはいいこともありました。

例えば、生意気と思われながらも、
上司の意見が違うと思ったら、
きちんと食い下がって反発しろ、とかね。

それによって得られるものは大きいし、
例えそれで嫌われて左遷をされても、
若い頃の左遷はそんなに大きなダメージではない、と。

そして、その経験が、将来自分が上に立った時に、
下の者を相手にするのに役立つ、と。


(でも逆に、左遷をさせられたらやっぱりそれは大きなダメージだと思うし、
「あいつは一緒に働きにくい」と思われるから、
そこは敢えて、上司の気持ちを読んで、
真っ正面から反発するよりは、
「部長、お言葉ではありますが・・・」のように、
嫌われない様に、空気を読んで対応するのも大事なのではないでしょうか。)

****

と、一度嫌なところが目につくと、
その本が全て、否定的に見えてしまうこの性格。

2012/3/4 13:36




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