February 25, 2012 23:27

「女たち」by 北野武

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昨日ビートたけしの『悪口の技術』を読んで面白かったので、
今日は北野武の本を手に取ってみました。
北野武とビートたけしって、双子の兄弟だったんですね。知りませんでした。
(って本気で思っている人がいたら面白いよね。
ちなみに全然関係ありませんが、僕は去年の暮れまで、
マツコ・デラックスが女だと本気で思っていました。
その事を彼女に言ったら、相当ショックを受けていたみたいでした。
普段どんだけテレビ見ないんだよ、って?)

*****

たけしの毒舌を期待して読んだので、
正直、この本はそんなに面白くありませんでした。
まだたけしの本は余り読んだ事がないので、良く分かりませんが、
恐らく、僕が好きなエッセイは、「ビートたけし」の方なんでしょう。

今回の「北野武」の方は、
恐らく本が、監督業としての彼にフォーカスされていたのもあるかと思いますが、
毒舌は殆どなく、
彼のアーティストとしての考え、素質が描かれていたので、
「北野武」の人間としての中身を知りたい人にはお勧めですが、
「ビートたけし」の毒舌を期待しいる人にはモノ足りません。
(読む前に気づけよ、って?)

*****

それにしても北野武という人間は、
きっと、凄く器用で、かつ、頭も良いんでしょうね。

そして、何でもできてしまう。

彼はこう言っていました。
「芸人も、映画監督も、
『俺はこれになりたい』って思ってなったんじゃなく、
たまたまその位置に立っちゃって、それができちゃったから、
自分としては余り嬉しく無い」と。

「イチローとかを見ると、
『俺がちょっと本気で野球やってたら、あれくらいになれた』って本気で思っちゃうし、
誰か数学者が賞を取ったりしたら、
『俺がその道に進めば、それぐらいできてた』って、
本気で思っちゃってるんだよね」と。

彼にとって、
「何がしたいか分からない『不幸』と、
それなりに何でもできちゃう『不幸』」らしいです。

*****

彼の映画は余り見た事がありませんが、
今回のこのエッセイを読んで、
(エッセイというか、インタビュー集)
彼の映画も観てみたくなりました。

彼は結局、感覚で撮っているんでしょう。
そこが、天才肌というか、
アーティストの気質なんだろうね。

*****

それと、彼にとって、
「女性」とは、「母親か姉」らしい。

基本的に、甘えてしまう存在で、
そういう風に、女性を見ているんだろうね、と。

*****

いつまでも子供のようですが、
それは、彼が頭が良いからこそできる面も沢山あるんだと思います。
そして、人間としてとても面白い人だと思います。

2012/2/25 23:23




追記:これは昨日読んだ『悪口の技術』の方の感想になっちゃうんだけど、
その中に、
「ギリギリのラインの事を言って笑いを取れるのは、
実際のところの、『ここまで言っちゃうとダメだ』っていう常識があるからこそ、
できるものだ」っていう件があった。

これは読んでいて、「まさにそうだよなあ」と思った。


それから、
「人間、本当に凄いのは、
かなり凄いところまで極めた人が、
全く何でもない人のように振る舞って、
自分を全く凄く見せないこと。
それでも、周りの人は彼の凄さを腹から認めてて、
彼がいなくなった後に、『あの人、あんなに腰が低いけど、
実際は、こんなに凄い人でさあ』となってしまうのが分かっているからこそ、
普段人の前では、絶対に自分を凄いヤツだと見せない人の事」ってあったけど、
本当にそうだよなあ、と思った。

その例えとして、
「ものすごく厚化粧のナチュラルメイクアップとかさ」
とあったのが面白かった。


というわけで、次は『ビートたけし』の本を読みたいと思います。

*****

それと、この本の題名は「女たち」ですが、
実際に女性たちに関して語られている章は、
本の2〜3割しかない。

あとは、彼の映画や絵に対するモノの考え方に関して。



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