February 22, 2012 15:57

「ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編」by 村上春樹

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遂に読み終わりました。第3部。

この部は、読むのにちょっと時間がかかりました。

まずは、
『1Q84』で登場していた牛河が、
ここで既に登場していたことにビックリ。

ここに出て来る牛河は、
『1Q84』に出て来る牛河とは同一人物じゃないのかもしれませんが、
既にこんな前に、この人物は存在していたんですね。
オラちっとも知らなんだ。

*****

そして、この部では、
赤坂ナツメグや赤坂シナモンが登場したり、
綿谷ノボルが酷い目に会ったり、
「僕」は、クミコを取り返す為に、
井戸の中から、あの怪しい部屋へと再度飛んで行ったりと、
中々、色々な要素が絡み合った部でした。

「僕」が部屋の中、及びホテルのロビーまでの間で経験する物語は、
どこまでも超現実主義であり、

間宮中尉が手紙で語る過去のシベリアでの世界は、
どこまでも血なまぐさく、

赤坂ナツメグ、及び赤坂シナモンがそれぞれ「僕」に語る、
動物園の話、及び獣医の話は、
どこまでも遠い日の様で、

そして、笠原メイが手紙から「僕」に語るカツラ工場の日々は、
どこまでも純粋で、しかし何か痛々しいものを含んでいて、


何とも、読んでいて、
パワーを使う部でした。

******

四年前に一部だけを読んだこの物語ですが、
まさか、二部、三部と続くに従って、
こんな風に展開されて行くとは思いもしませんでした。


最後の方は、その流れに完全にハマって、
あっという間に読み進めてしまいました。
特に、「僕」が、井戸の中から、
再度あの部屋の中へと移動して、
そこで進んで行く物語の描写は、
「見事」としか言いようがありません。




村上さんは、これらの物語を、
頭の中で体験して、文字に起こしているのだと思いますが、
とにかく、凄い人ですね。
彼の頭の中は、一体どうなっているんでしょうか。

*****

というわけで、最近村上春樹ワールドにドップリ浸かりすぎて、
かなり心の奥深くの井戸を掘り下げてしまった感があるので、
しばらくの間は外の光を浴びに、
彼の世界からは離れようと思います。

2012/2/22 15:57




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