January 25, 2012 19:46

日本、31年ぶりの貿易赤字へ

1980年以来初めて、
31年ぶりに貿易赤字となった。

この記事内では、
現在企業が取っている方法の、
「生産拠点を海外に移転すること」以外に、
今後は「国内で付加価値の高いモノを作るしかない」と指摘をしている。

今後は、
日本の中での「ビジネス」に対する考え、価値観が、
一気に変わってくる。
その転換期に、今いる。

*****

ちなみに先ほど、『ZERO』である日本企業の社長が、
タイの展示会に出向き、
そこで、自分の会社で作っているものとほぼ同じものが、
1/4以下の値段で売られている現状に直面して、
ショックを受けていた。

また、現地でそのまま、
現地企業との商談を行おうとしていたが、
如何に自分の会社の方がより良い技術を持っていても、
やはり値段には勝てないとのことで、
その展示会に出展をしていた日本の商社からは、
「値段ですよ」と断られていた。

その後その社長は、
現地にある、東京都大田区が作った
工場の一区を訪れ、
そこで見学をした後、
今後数年以内に、
タイに工場を造ることを決めたという。

タイに日本企業がどんどん進出をしている理由は下記の通り。

・タイは人件費が安い。
・タイでモノを作った後、他の国へだす場合に、
税金がかからないので、
「より安く作る」ことができ、その上で、
「より安くものを外へ出す事ができる」。

よって、現在タイに工場を作る為に進出をする日本企業が増えている、とのこと。

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今自分は、多くの企業の方に合い、
今後のビジネス展開に関してお話を伺う機会があるが、
やはりどの業界の方も仰っていることは、
「今後はタイ、中国、インドを始めとした、
アジア諸国、及び東南アジアに進出をすること」。

今まで旅行をした中で、
一番面白かったと感じたのは、
アジア諸国でしたが、
(一番、パワーを感じた)

そんな意味でも、
これからビジネスをアジアで展開して行くことに携われることは、
相当の面白さがあるのではないでしょうか?

ワクワクしますね。

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「輸出立国」成長モデルに転機 31年ぶり貿易赤字険しい「再生」の道2012/1/25 9:56

未曽有の大震災に見舞われた2011年。日本はついに「貿易赤字国」へと転落した。通年での赤字は1980年以来で31年ぶりだ。これまで巨額の貿易黒字を積み上げてきた「輸出立国ニッポン」。その成長モデルが大きな転換点を迎えている。

 貿易赤字に転じたのは、海外への輸出が減る一方で輸入が増えたからだ。財務省が25日に発表した2011年の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆4927億円の赤字だった。

 輸出は前年と比べ2.7%減少した。きっかけは東日本大震災。部品のサプライチェーン(供給網)が寸断して自動車などの生産が止まり、輸出にブレーキがかかった。ようやく立ち直りかけたところで超円高と海外景気減速の逆風にさらされ、タイの洪水で再び部品調達難に直面した。

 前年比で12.0%増えた輸入も震災の影響なしには語れない。震災後の原発停止に伴い、火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入が急増した。さらに国際商品価格の高止まりで原油などの輸入価格が上昇、これも輸入額をかさ上げした。

 今後の焦点は日本が再び「貿易黒字」を取り戻せるかどうかだ。震災で途切れた供給網は復旧が進み、タイの洪水で落ち込んだ生産も盛り返している。輸出したくてもモノが作れない状態が解消すれば、赤字拡大には歯止めがかかる。日銀の白川方明総裁は24日の記者会見で、貿易赤字を「一時的」と分析した。

 それでも安定的な黒字復帰に向けた道のりは平たんではない。欧州危機のあおりで世界全体の成長力が鈍り、輸出環境はむしろ厳しさを増している。国際通貨基金(IMF)は24日、世界経済の先行きを「薄暗い」と見通した。しかも国内の全原発停止が現実味を帯びる中、引き続き代替燃料の輸入に頼らざるをえない。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎シニアエコノミストは「しばらく貿易赤字が続く」とみている。

 日本の「輸出立国モデル」は震災前から曲がり角にきていた。安いコストで生産できる新興国との競争が激化、米国の過剰消費が日本の輸出を支える構図も崩れた。円高や税負担など「6重苦」にあえぐ日本企業は生産拠点を海外に移転。消費圏に近い場所での「地産地消」が広がり、日本で作ったモノを海外で売る「輸出」の仕組み自体が見直しを迫られている。

 「貿易黒字が当たり前だった時代は終わった」。JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストはこう指摘する。輸出低迷や産業空洞化を防ぐには「国内で付加価値の高いモノを作るしかない」(足立氏)。

 もうけの小さい分野で激しい競争を続けても疲弊するだけだ。震災と同じ年に歴史的な節目を迎えた日本経済。初心に戻って「世界で売れるモノ」を徹底追及する覚悟がなければ「日本再生」への道は切り開けない。

〔日経QUICKニュース 西田玲子〕

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貿易収支は12年も赤字継続の見通し、輸出回復しても輸入増加

[東京 24日 ロイター] 31年ぶりとなった2011年の貿易赤字は、震災被害などの悪条件が緩和する2012年も継続する見通しが強まっている。原発停止の影響で燃料輸入が膨らむほか、復興需要で原材料輸入も増えるとみられているためだ。

一方で、欧州ソブリン危機などで外需の停滞が年前半は続きかねず、円高による競争力低下とあいまって、輸出の急速な回復は見込めない情勢となっている。

昨年、日本経済は大震災によるサプライチェーン寸断による生産激減やタイ洪水の影響、世界経済減速という重層的な悪条件に直面し、輸入急増と輸出減少が極端なコントラストを見せた。25日に発表された貿易統計速報によると、貿易収支は第2次石油危機の影響を受けた1980年以来、初の赤字を記録した。

今年の貿易動向についても、黒字回復は見通しにくい。輸出面では、なんといっても円高の影響がじわじわと拡大しそうだ。輸出競争力の低下は企業業績を圧迫しており、ロイター調査(12月上旬)によると、1ドル80円以上の円安を望ましいとする企業は全体の9割を占めた。現在の70円台となっている円高については「悪影響はむしろ強まっていく」(伊藤忠経済研究所)との見方もあり、輸出の弱含みはさらに続くと予想する声も少なくない。

輸出拡大のもう一つのハードルになってきた世界経済の悪化については、底を打ちつつあるとの見方も出ている。米国向け輸出は12月は数量ベースで増加に転じ、政府も日銀も米国景気について判断を引き上げている。11年には大地震やタイ洪水で大きな影響を受けた自動車生産や輸出も今後正常化が見込まれる。輸出の減少幅は少しずつ縮まっていくことを期待する向きもある。

しかし一方で、輸入は引き続き高水準が続いており、輸出の本格的な回復がなければ、貿易赤字を脱することはできそうにない。11年には輸出が2.7%減少したのに対し、輸入の伸びが12%も伸びて2年連続の2ケタ増となっている。

原子力発電所は今年春以降、全てが稼働停止に追い込まれる可能性がある。燃料輸入の増加や資源価格の高止まりが輸入の伸びを高めそうだ。さらに、「今後は復旧・復興需要に関る輸入の増加も見込まれる」(バークレイズ・キャピタル証券)いることもある。

こうした輸入の押し上げが続く限り、12年の貿易収支は赤字が続きそうだ。クレディスイス証券では、LNG 価格の高止まり、火力発電比率の上昇、空洞化進展や高齢化進展に伴う輸入誘発効果の継続などを背景に、月間3000─3500億円程度の貿易赤字が続く可能性が高いと試算している。

(ロイターニュース 中川泉;編集 北松克朗)

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日本、31年ぶり貿易赤字=2.5兆円、大震災で輸出不振−11年

 財務省が25日発表した2011年の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、2兆4927億円の赤字となった。貿易赤字転落は第2次石油危機後の1980年以来、31年ぶりで、赤字幅は80年に次ぐ過去2番目の大きさ。東日本大震災や円高の影響で輸出が落ち込む一方、東京電力福島第1原発事故後の全国的な原発停止の影響で、火力発電用の燃料輸入が急増した。
 ただ、モノやサービス取引の全体像を示す経常収支は、海外子会社などからの利子・配当収入である所得収支の黒字が穴埋めし、前年比マイナスながら10兆円弱の黒字を確保したもようだ。
 11年の輸出額は前年比2.7%減の65兆5547億円と2年ぶりに減少。大震災や円高に加え、タイの洪水による部品不足も逆風となり、自動車が10.6%減、半導体など電子部品が14.2%減と大きく落ち込んだ。
 一方、輸入額は12.0%増の68兆474億円と大幅に増加。福島第1の事故後、定期検査入りした国内各地の原発は再稼働できない状況が続いており、これを補う火力発電燃料の輸入額が急増。液化天然ガス(LNG)は37.5%増、原粗油は21.3%増(数量は2.7%減)となった。(2012/01/25-12:07)

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