January 17, 2012 21:56

「伝える力」by 池上彰

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最近、この本の「2」が出ましたね。
「1」であるこの本が出版されたのは、
何と2007年の5月。
もう約5年前なんですね。僕が大学を卒業した頃です。

この本は、去年の夏過ぎくらいに買って、
読まずに今までいましたが、
先日読み終わりました。

*****

彼の本は、非常に読み易い。
彼もこの本の中で、
「実際に自分が本を出版する際には、
全ての文章を、一度音読することもある」
と書いていますが、
それをするのも、
その文章に、的確な「リズム」があるかどうかを
確かめるため、ということです。

一度文章を書いただけでは、
それが読みづらかったり、
自分では意味が分かっていても、
他の人が読むと、意味が通じないような、独りよがりの文章になっていたり、
または、誤字脱字が多かったりと、
思いがけない間違いが多いことに、気づかないことが多々あります。

だからこそ彼は、
一度書いた文章は、
できれば一週間以上は寝かせて、
その後、もう一度読み直したり、
または、音読をしてみることによって、
言い回しを変えたり、
単語を変えたり、
表現を変えたりと、
その文章が、より読み易く、リズムの良いものになっているように、
書き換えるそうです。

だからこそ、彼の出版している本は非常に読み易く、
また、綺麗な日本語とともに、
分かり易い説明がしてあるので、
読んでいて、非常に気持ちがよくなります。
(また、ところどころで入る彼のユーモアが面白い。)

*****

彼はこの本の中で、
基本的には、40代以下の若めのビジネスマンを相手に、
「いかに相手に物ごとを分かり易く伝え、話を聞き、文章を書く能力を付けるか」を説明しているのですが、
それが、彼の実体験とともに、
一つ一つ丁寧に説明されています。

*****

中で、印象に残ったのは、
上にも挙げたけれど、
文章を書く時は、
一度、文章を寝かせた後に、
再度読み直す際に、実際に声に出してみて、
その上で、その文章の持つリズムが正しいかどうかを確かめる、ということ。

また、日本語で文章を書く際に、
使ってはいけない接続詞なども、
詳しく紹介されていて面白かったです。
(「いずれにしても」など。)


それから、これに関しては彼は他の本でも何回も触れていますが、
やはり、本当に頭のいい人は、
難しいことを、誰でも分かる様に、
分かり易い、優しい言葉で、
説明ができる、ということ。

ビジネスマンというのは、時にして、
自分の働いている業界で使われている用語(主にカタカナ英語)を多用することで、
まるで、それで自分が「仕事ができる」みたいに錯覚を起こす人が多いものですが、
本当のところは、カタカナ英語などを乱用せず、
相手の立場を考えて、その人が一番分かり易い言葉で説明を出来る人が、
一番すごいんですよ、ということを説いています。

(例として、「コンプライアンスの為のリスクマネジメントをコーチングするプログラムをディヴェロップメントしました」みたいな。それはもう、英語でも日本語でもありません、と。)

*****

それから、TOKIOの国分さんや、V6の井ノ原さんがモテる理由とか、
(実際に池上さんがテレビに出演をした際に、彼らの相づちがとても上手で、気持ちよく何時間も喋ってしまった、というエピソード)、
何かを文章にしたりする前に、一度人に話をしてみて、相手の反応を見てみることで、自分が面白いと感じたことは、他人にも面白いのかどうかを確かめられるということ、とか、
常に、話をする時も、文章を書く時も、自分に対して、「それは本当に面白いのか?」「それじゃきちんと話が伝わってないだろ?」と一人ツッコミをする存在を持つ、とか、

色々と分かり易い例が沢山あって、非常に勉強になりました。

*****

僕も、このブログは文章を書くいい場ではありますが、
話すことも、聞くことも、書くことも、
もっともっと上手くなりたいと思います。
(小学生のような感想ですね。)

2012/1/17 21:52


追記:(2011/1/21 13:12〜)

この本の中で、「謝ることは危機管理になる」
という項目がある。

実際には自分は悪く無くても、
最初に、
「申し訳ありません」
「ごめんなさい」
と謝っておくことで、
相手の側に、同情の念が生まれて、
その後のコミュニケーションが、より円滑に行く、
という事例。

(この場合は、スポーツ選手が、
うまくパフォーマンスが出来なかった場合に、
例えそれは国民に対して謝る必要がないことでも、
一言、「今日は結果を出せずにごめんなさい」
と言うか言わないかで、
その後の視聴者、及び一般の聴衆の反応は、
驚くほど変わる、ということが例として挙げられている。)


この項目の中で、彼はこうまとめている。

『「正しいか正しく無いか」とは別に、
「今、何を言うべきか」を判断する能力は、
ビジネスパーソンに求められる素質と言えるでしょう。』



先日彼女と話をしていた際にも、
彼女も同じことを言っていた。

「日本人とのコミュニケーションの場合、
一番始めに、『お忙しいところ、本当にすみません』
と言うだけで、その後の相手の反応が、驚くほど変わる」と。

アメリカでは、もしも"I'm sorry"などを言うと、
『負け』という風潮があるので
("Excuse me"は別)、

俺も、アメリカから帰って来た頃は、
アメリカ流を貫き通して、
その結果、
「こいつ、何えばってんだ」
「偉そうだ」と社会人に言われた経験もあったけれど、
日本は逆で、
如何に、相手より自分を下げることで、
相手を上に立たせることができるかで、
その後の相手の感情というものは、大きく変わるもの。


恐らくそれは、アメリカでも同じで、
自分を下に下げることで、相手が気持ちよく感じるのは、
同じ人間として、感じることは一緒だと思うけれど、
問題はその後。

アメリカ人は傲慢だから、
そこで、「ほうほう、そうか、お前そんなにへりくだるのか」
と、調子に乗るバカな輩が多いけれど、
日本人の場合は、そこで調子に乗ることはなく、
「いえいえ、こちらこそすみません」と、
お互いが腰を低くする文化である。


だからこそ、日本で働き、
日本で生活をする場合には、
決して自分が悪く無くても、
または、本当はそう思っていなくても、
「本当にお忙しいところ、すみません」
「お手数をおかけ致しますが」
の一言があるかないかで、
その後のコミュニケーションというのは、
非常に円滑に行くのである。

*****

要するに、「コミュニケーションがうまいかどうか」
というのは、
相手をどうしたら、心地よくさせられるかを熟知して、
それが出来るかどうか、ということ。

それが出来る人のことを、
本当の意味で、「頭が良い」と言う。

〜13:22



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