October 18, 2011 09:17

"Room for Squares" by John Mayer

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John君のファーストアルバムです。

このアルバムを初めて聴いたのは、
2002年から2003年ころ。
ラジオで彼の曲が良くかかっていて、
それで、サンノゼに初めて移った際に、
最初に住んだ家(タイワニーズ系の家だった)の、
息子のPhilから借りて、
「ああ、ラジオで良くかかっているあの人かあ」という感じでした。

Philは、
「とりあえず、彼は何か好きなんだよね」と、
お互いに好きなアーティストの音楽を交換する時に、
彼がこのアルバムを貸してくれた、ということです。



最初の印象は、思いっきり「加山雄三」でした。
彼のアルバムジャケットも、日本版のこっちではなく、
アメリカ板のほうは、何かオッサンに見えたわけです。

JohnMayer_RoomForSquares

(これ。このアルバムデータを借りた時に、写真が小さくて、オッサンに見えたのです)


だから、
「声が加山雄三似の、
ちょっと爽やかなフォークソングを歌うオッサン」
というイメージが、俺の中には定着していました。


で、ある日、
グラミー賞の授賞式で、
彼が出ているのをみかけて、
「え?これがジョンメイヤー?
めっちゃ若いじゃん!
オッサンじゃないじゃん!」と、
一緒に見ていたPhilに言ったのを覚えています。


*****

そんなジョン君ですが、
彼のことをきちんと聴く様になったのは、
彼女と付き合いだしてからですね。

彼女がジョン君のことを本当に好きで、
付き合い始めたころ、
俺が持っていない、彼のアルバムを貸してくれました、

セカンドの”Heavier Things"と、
サードの”Continuum”でした。

2007年の5月当時は、
”Continuum”はまだ新しく、
彼のハリウッドボウルの7月のライブは、
Continuumからの楽曲を主に演奏していました。


当時の俺は、自分の年齢的に、
”Heavier Things"が好きでした。
歌詞の内容が、丁度自分の殻を破って、新しく成長する、
という感じだったので、
感情移入して聴いていました。




しかし、ファーストのこのアルバムも、
かなりジョン君の中で、大きなウェイトを占めます。

というか、ジョンメイヤーというアーティストは、
年齢を重ねるに連れて、
年齢の幹が、しっかりと見えるという、
数少ないアーティストの一人だと思います。


歌詞の内容が自然だし、
彼の内面の成長が、自然と見える。

そして、ギターの才能はピカ一。

こんなアーティストは、余りいないんじゃないでしょうか。


*******

ファーストのこのアルバムは、
お決まりの"No Such Thing" で始まる訳ですが、
この出だしがたまんないよね。

何か、日曜日の朝早く、
まだ、空気が綺麗なころで、
朝つゆが、葉っぱの上に溜まっている。

空は青く、雲が高い。


そんなイメージを彷彿とさせます。


歌詞も、めっちゃ反抗的でいいですよね。


これを聴くと、当時この曲を聴いて自転車で走っていた、
サラトガ・ハイスクールの前当たりを思い出します。


*******

で、二曲目の"Why Georgia" ね。

今回、ジョン君のこのアルバムのレビューを書こうと思ったのも、
この曲を久しぶりに聴いたからです。


この曲は、20代前半の若者の「迷い」、「不安」といったものが、
とても上手く描き出されているのです。


最初はアコースティックのみで始まる出だし。


自分の人生が、「これでいいのか?合っているのか?」
という、漠然とした不安に対して、
車をこのまま走らせていたい、という気分。



“Either way, I wonder sometimes
about the outcome
of a still verdictless life

Am I living it right?
Am I living it right?
Am I living it right?
Why, why Georgia, why?”

のところを聴くと、
感極まって、泣いてしまいます。

(3年前、日本に帰ってきたころ、
自分の進路に迷っていて、
ジョギングをしながら、彼のこの曲を聴いて、
涙が溢れてきてしまった。

最近は、その頃の様な「漠然な不安」は、
無くなったから、
この曲を聴いても、そこまで涙があふれたりとか、
心が揺り動かされたりとか、
そういう心境までは達しないんだけど、
それは、自分が精神的に、成長して、安定してきたからなんだろうか、
と思う。

恐らく、自分が28歳に差し掛かる今の年齢で、
ある程度自分の進みたい方向性も見えてきて、
愛する人もできて、
自分の進む人生の方向性が、ある程度は、
24歳の頃に比べると、固まってきたから、
というのが大きいと思う。)


おっと、自分の勝手な自己回想が入ってしまいましたが、
それとこの曲の素晴らしい場所は、

“still "Everything happens for a reason"
is no reason not to ask myself
if am I living it right?
Am I living it right?
Am I living it right?
Why, why Georgia, why?”

のところですな。


「『人生で起こる、全てのことには、理由がある』ということは、
自分に、『俺の生き方は正しいのか?』
と問いたださなくても良い理由には、ならない。」


しびれますね、ジョン君。


******


後は、その後、3曲目の"My Stupid Mouth"、
4曲目の"Your Body Is a Wonderland"、
(この幸せさが何とも言えないですね。俺はこの曲を聴くと、
De Anza Collegeの地下のカフェテリアの下の、良く昼寝をしていたソファを思い出す。)
5曲目の"Neon"、
で、6曲目の"City Love" までの当たりの流れが、素晴らしいですね。


"City Love"は、その女性と付き合いだした頃の、
新鮮な気持ち、
今までずっと住んでいたNY Cityが、ちょっと違って見える、
という感じの、世界が違って見える、
という感じが、とっても良く描かれていますね。


彼は、こういう、
「そのときしか感じ得ない、
初々しい感情や、
朝つゆの様な、
”その瞬間”しか存在しない、
その、大事な瞬間」を、
『音楽』というもので捉えて、
真空パックするのが、本当に上手ですね。



本物のアーティストというのは、
こういうことができる人をいうんですよね。


******

“Friday evening, we've been drinking
2 AM, I swear that I might propose
but we close the tab
split a cab
and call each other up when we get home
falling asleep to the sound
of sirens”

で一回抑えて、
その後に、

“I got a city love
I found it in Lydia

From the battery
To the gallery
It's the kind of thing you only see
In scented, glossy magazines

And I can't remember life before her name”

の盛り上がり方何かが、
本当に天才ですね。

“It's the kind of thing you only see
In scented, glossy magazines”

の表現とか、その「特別さ」が出てますよね。


それと、”I can't remember life before her name”のくだりなんか、
まさに、「その気持ちわかるぜ」って感じですよね。
俺も今の彼女に会ったときには、
そんな感じでした。
(ノロケが入ってすみません)

******


その後も、"83" 、"3x5" と、
いい曲が続きます。

最後の方は、爽やかな曲が続きすぎて、
ちょっと飽きてしまいますが、
しかし、良い曲が続いていると思います。



******


さて、ちょっと長くなりましたが、
ジョン君の深さは、ここに書き出すと、終わらないので、
この辺で終わりにします。


セカンドもめっちゃ良いし、
サードも、深くて良いですね。
聴きまくりました。


フォースの、”Battle Studies”は、
そんなに聴き込んでいないので、まだ感想を書けません。


******

と、そんなわけで、
ジョンメイヤーです。

才能多き彼を、
今後ともどうぞよろしくお願い致します。


2011/10/18 9:16am






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コメント一覧

3. Posted by Goducks   February 04, 2015 22:39
お返事ありがとうございます。
はい、オレゴン大学に短期留学していました。猪突猛進でしたが、あの芝生の日々は青春です。夏は快適で良いですよね。
自分でもびっくりするのですが、今日もこのアルバムを聴いています。この曲は自分で悩み葛藤する姿勢が好きです。各曲のギターのイントロ、歌詞のeverything happens~, quater life crisisのくだりにしびれます。こんなに弾けたらどんなに気持ちいいだろうと思います。
2. Posted by Shun   February 02, 2015 21:25
GoDucksさん、
こんにちは。コメントありがとうございます。
ジョンメイヤーの曲は、僕も本当に思い入れが深いものがあります。
ちなみにGoDocuksということはUniversity of Oregonに行かれてたのですか?僕も友達も二人そこの大学へ行っていて、2005年の夏に遊びに行ったことがあります。
1. Posted by GoDucks   January 26, 2015 22:31
こんにちは。
Why GeorgiaのAm I living it rightの歌詞を聞いて同じように感じた人がいるのかな、と検索してみたらこちらのブログがヒットして拝見しました。

私も2001年に西海岸に留学していてルームメイトがジョンメイヤーをよく聴いていた影響で好きになりました。

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