September 26, 2011 10:36

「日記帳」


今朝、日記帳が心配になって、段ボールを開けた。

その日記帳とは、
俺が留学してたころ、
ほぼ毎日付けていた、6年間分の日記。
アメリカの大学ノートに、
数えてみたら、丁度20冊あった。

IMG_1580



当時は、中々回りに日本人もいなく、
且つ、自分の辛い気持ちを吐く人もいなかったから、
自分を慰めるためや、
元気づけるため、
不安な気持ちをそこに吐いて、
気持ちを安定させるため、
そんな為に書いていた。

もちろん、楽しい事があったら、
それをそこに記しておきたかったし、
留学中は、毎日色んなことが起きて、
本当に、それを忘れちゃ勿体無い事が
たくさんあったから、
それを、一つ一つ、
1日の終わりに、20分くらいかけて、
書いていた。

アンネフランクが、隠れ家で書いていた日記帳。
あれが、彼女に取っては、
心のよりどころで、
何よりの友達だったわけだけど、
俺にとっても、日記帳は、
何でも話せる場所、のようなものだった。


*****


カビが生えていないかチェックするために、
適当に取り出した日記帳の一冊は、
2003年の11月から、
2004年の7月末までのものだった。

当時は、De Anza Collegeで、
1年目で、
中々辛い時期だった。

1月からは、自分の取りたかったFilm Animationの
クラスも取り出せたけど、
色々と現実と理想のギャップに悩んだり、
当時始めた、日本食レストランでのバイトでの
人間関係に、影響を受けたり、
同じクラスで出会った友達との関係だったり、
その時受けた、ハリウッドの映画会社での
インターンの面接の話だったり、
(この会社は、キャスティングをする、
結構有名なところだったんだけど、
結局最後は流れてしまった。
でも、その代わりに、夏が空いたので、
ヨーロッパへ旅行へ行けた。)

色んな事を思い出した。
当時はまっていた、空手のクラスとか、
毎週日曜日に通っていた、カンフーのくらすとか。

日記帳には、
「カンフーのクラスのマイケルがむかつく」とか、
「空手の試合で腹を蹴られて、超痛む」とか書いてあったけど、
マイケルって誰だっけ?って感じだった。笑



それから、そこに入っていた、
ライフガードのクラスのテキストと、
シラバスも見つけた。

IMG_1582



それらを見ていて、胸に出てくるのは、
吐きそうな、胸が重くなる様な感じ。
実際、そのクラスを最初に受けたのは、
30人近くがいたんだけれど、
余りにもきつすぎて、
最後に残っていたのは、俺を含めて、7人くらいだった。


(クラスは、月、水、金にあり、
朝早くから、知識テストがあったり、
勉強もめっちゃしなきゃ行けなかったし、
同時に、体力テストなり、
実技の演習なり、
RifeAidのクラスなり、
やり方を間違えると、そこでアウト!的なテストが
余りにも多かった。
大抵のアメリカ人は、そういうモノが苦手だから、
直ぐにギブアップして辞めて行く。
俺のように、留学生で、
このクラスを取ったヤツは、一人もいなかった。
唯一、アジア人で、
アフリカで育ったチェンってヤツがいて、
そいつは、英語はネイティブなんだけど、
ちょっとアジア系訛りが入っていたから、
で、そいつも俺が唯一のアジア人だったから、
随分仲良くしてくれた。
よく、彼と俺は、同じアジア人ってだけで間違われて、
「チョン」とか、「シェン」とか、
言われていた。
(俺の名前がシュンで、ヤツの名前がチェンだから、
失礼な白人の友達たちは、人の名前を混合していた。笑)



初日、クラスで体力テストがあった日の写真。
Lifuguard 2004 Spring




そのクラスは、毎回予習復習が大変で、
実技も、あるときは、
土曜日を4時間くらい使って、
学校のプールで、救助の実技試験をしたりと、
中々体力的にハードだった。


IMG_1586

こういうテストもあった。



一回、首が折れていると想定される人を、
プールから、台を使って引き上げる演習があり、
俺が上に上がって、下から別のヤツが押し上げるんだけど、
そのテストの前に、立ち泳ぎで何十分も泳いだ後だったので、
足がかなり疲れていて、
いざ「Okay, 1, 2, 3!」で引き上げたとき、
俺の両方の太ももを同時につるという、
快挙を成し遂げた。笑

その後、その周りにいた4人くらいに、
介護をしてもらったという思い出つき。


IMG_1583

この右下の写真の時


*****


その先生は、白人の女性だったんだけど、
多分、P.E.(Physical Education=体育)のメジャーの中で、
男の先生を含めて、一番恐かったと思う。
あだ名は「シャーク」だった。


「もしも、怪しい男が、
夜中の駐車場で近づいて来たら、
"May I help you?"と言いながら、
クルマのキーや家のキーがついたキーチェンンを、
指の間に全部入れて、
それを顔の前に出して、睨みつければ、
私は絶対にレイプされないわ」という、
あなたのことは誰も襲わないと思います、
という感じの凄まじい女性だった。


かなり彼女は厳しくて、
それまで筆記の試験が全て好成績でも、
実技の試験で、例えば、
ビル4階の高さのジャンピングビードから、
下に飛び込まなきゃいけないとき、
それが出来ない生徒を、冷酷に落としたり、
または、一回でも遅刻をしたりすると、
警告、
2回遅刻すると、完全にドロップアウトという、
厳しい先生だった。

(実際、本当にクラスを退学させられる。
しかし、それくらい厳しくするから、
このDe Anzaで取れるライフガードのクラスで
資格を取った生徒は、
周りのどの場所でも働けるという、
評判の高いものだった。)


*****

そんな、クラス。
4月から6月末までだったんだけど、
本当にきつかったから、
で、他にも、アニメーションのクラスをやったり、
普通に歴史とかのクラスも取って、バイトもしてたから、
かなり辛くて、
日記帳には、
「早くこの状態から抜け出してえ」と書いてあった。笑


だからこそ、さっき、このライフガードのテキストを
見たとき、
吐き気がしたんだろうね。


でも、そんな状態でやってたから、
今、どんな状態にあっても、
そんなに辛いとは思えないんだろうね。


日本はさ、日本語も通じるし、
日本食だって簡単に食べられるし、
周りには便利なお店もたくさんあるし、
本当にヤバくなったら、誰かが必ず助けてくれるし、
家族にも電車に乗ればすぐに会いにいけるし、
本当に、「完全に孤独になる」ってことが
中々無い環境だから、
ラクに感じるんだろうね。




俺は仕事上、
色んな学生さんを始め、
多くの方に、お会いして、
海外へ行く事を薦めたり、
その手続きをするわけだけど、

みんな、海外に行くのが不安、
と言う訳だけれど、
行きたかったら、不安な気持ちを押し切って、
行くしか無いよね。

で、辛い思いはたくさんするだろうし、
孤独になる事も多いだろうけど、
そこで、それに耐えて、
それでも、完全に日本語が使えない環境で
自分なりに努力して行くから、
成長するわけで。

そこで、日本語を使っちゃったり、
日本語が使える環境に入ると、
やっぱり、ラクな訳ですよ。


****

俺は、落合信彦の留学の話を読んだり、
自分にストイックにするのが趣味だったから、
一歩を踏み出せずに、躊躇している人を見ると、
「そんなの、やるしかねーだろ!!」と思ってしまうのかもしれない。

****

ま、話はズレましたが、
そんなわけで、ちょっと日記帳がカビていないかチェックする為に、
中を開けてみたら、
6年間の思い出の一部が出て来て、
かなり、懐かしくなってしまったので、
日記を書きました。




自分の過去を振り返り、
自分が、どういう軌道を歩んで来たのか。
それをたまに見直して、
自分のしたこと、成し遂げた事を、
客観的に再確認して、
そこから自信を付ける事は、凄く大事。

特に、今後、
自分がどういう道に歩んで行ったら良いのか、
ハッキリしていないときは、特に。



迷ったら、基本に戻る事。
自分の過去を振り返り、
そこから、自分のことを、
再確認すること。


その繰り返しが、
自分を、確固たる、
地に足の着いた人間へと作り上げる。


2011/9/26 10:35am








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コメント一覧

2. Posted by Shun   September 26, 2011 14:29
ひろ、

いやー、ひろ!コメントありがとうございます!
余りにも内容が嬉しくて、
今電車の中で、ニヤニヤしています!笑

この前は誘ってくれたイベントに参加できずにゴメンなさい!
今度ぜひ会いましょう!

いつも本当にありがとうございます!
1. Posted by ひろ   September 26, 2011 14:10
さすがしゅんさん。
いやーイカす!!!
いつも読ませてもらってます。

しゅんさんみたいな人が増えたらもっとおもしろくて最高なのにな〜ってマジで思ってます!! これからも刺激ムンムンなブログ期待しています!

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