May 17, 2011 00:00

"Black Swan" 「ブラックスワン」

black_swan_pos-001


観てきました。

観終わって、一時間くらい経ちます。

心を落ち着かせる為に、
モスバーガーで、
サウザン野菜バーガーとモスチキンを食べました。

彼女とも電話で話し、
お腹も心も落ち着いたので、
やっと感想が書けそうです。


*****


いやあ、「衝撃」でした。

すごかった。


先日髪を切りに行った際に、
仲の良い美容師のカワノさんが感想を言ってましたが、
その通り、
映画が終わっても、
エンドロールが終わるまで、誰も席を立ちませんでした。
("誰も"というのは実際はウソで、数人は立ってました。)

「席に埋まりますよ」と言ってましたが、
本当に埋まりました。
むしろ、埋まらずには観られませんでした。


*****


ストーリーは割愛します。

表現方法も割愛です。

ただ一言。

この監督は凄い。

そして、ナタリーポートマンも凄い。

でも、やっぱり、
こういう世界観を「完全」に作り出し、
観客に、その世界にどっぷりと浸からせる器量を持つこの監督は、
素晴らしい。

久しぶりに、映画を観終わった後、
現実世界に帰って来るのに、数十分を費やしました。

子供の頃を思い出しました。

劇場に行って、映画を映画館で観終わった後、
周りの世界が全く違う様に見えて、
まるでどこか、タイムスリップをして来たような感覚。

ゲゲゲの鬼太郎だったり、ドラゴンボールだったり、
真っ暗な映画館で、
その世界に浸り切った後、
外に出て、「現実」の世界に戻って来る。

その、「普段とは違う世界にハマる」感覚が好きで、
だから、劇場で映画を観ることは、特別でした。



それから数年が経ち、
自分もオトナになり、
目の前の映画に、「完全に」はまることは、
殆どなくなっていました。
観ている最中に、
現実社会の他の事が気になったり、
映画にただ飽きたり、
眠くなったり。


でも、この映画は、
そんな、子供時代の思いを、
蘇らせてくれました。


観終わるその瞬間まで、
むしろ、
映画を終わった後も、一時間近く、
ぼーっとするほど、
その世界に、ドップリ引き込まれました。


去年の今頃、彼の作品、
「レスラー」を観て、
めっちゃ感動しましたが、
今回は、また違う意味で、
その世界に引きずりこまれました。



ダーレン・アロノフスキー監督、
恐るべしです。



****



鳥が嫌いな人は観ないで下さい。
痛いのが嫌いな人も観に行かないで下さい。
(超痛いです。しかも現実に起こりそうな痛さです。
女性は全員顔をしかめますね)

ホラーが嫌いな人も、
大きな音でビックリさせられるのが嫌いな人も、
ショッキングな映像が嫌いな人も、
とにかく、
「怖い映画」が嫌いな人は、
観に行かないで下さい。



こう書くと、かなり見られる人が限定されますが、
それでも、
勇気を出して観る価値はあります。


****


初めて、映画を観ている間に、
足のつま先から、
頭の後ろのてっぺんまで、
文字通り鳥肌が全て立ちました。
しかも何度も。
書いている今も、鳥肌が立ちます。



マジで怖かった。


2011/5/16. 17:13


追記:
上の日記を携帯で書き上げて、
マルーン5のライブに行き、
怖さを楽しさで中和して、
それで帰って来たのですが、
未だにこの映画を引きずっている自分。
夜中の1時前。

この日記をアップするために、
もう一度読み返しましたが、
正直、めっちゃ恐いです。
映画の事を思い出すと、
かなり恐いです。

やっぱり、恐い映画が嫌いな人は、
絶対に見ない方が良いよ。
心理的に来るからね。

(マルーン5のライブ中も、
ふと、この映画のことを考えてしまうくらい、
衝撃がすごかった。
目の前の生のライブよりも
映像の映画の方が衝撃がすごいって、
ヤバいよね。)



追記の追記:

昨日はこの日記をアップするのが怖かったので、
今朝起きて、これを書いています。
昨日の夜は、久しぶりにマジで、
怖かったです。
怖すぎてシャワーを浴びに行けませんでした。
(笑うところですが、昨日の僕は笑えませんでした)
暗闇が怖かったです。

なんだかね、この作品の怖さは、
フツウのホラーものとは違って、
精神的に来る所だよね。

シックスセンスとかはさ、
その映像は怖いけど、
幽霊ものだから、まあ、
無いといったら無いでしょ?
でもこれはさ、
本当に起こりそうというか、
要するに、ナタリーポートマンの見ている幻覚なわけだから、
実際に、そういう状態が起こってしまうことが
あるわけですよ。

だから、この映画を見る全ての人に、
こういう事が起こりうる可能性あるわけで。

うまく言葉で表せませんが、
ジワジワと、観ているものの深層心理に、
入り込んでくる怖さですな。

だから、観ている最中はショッキングなんだけど、
映画のテンポが速くて良いから、
あっという間に見終わってしまう。
でも、後でよくよく落ち着いて
この映画の事を考えてみると、
「・・・・・・!!!」と、
段々と怖くなってくる。


母親の狂気も怖かったし、
ウィノナライダーの狂気も怖かったし、
(彼女は最近、こういう狂った役ばかりやってるよね。
俺は彼女がエイリアン4とかに出ている頃、
こんなに綺麗な女性はいないと思って、
大好きだったんですが。
今ではおばさんに近い役をやる様になってしまいました。
悲しいですね。
私生活で万引きをしたりしてたから、
良い役をもらえなくなっちゃったのかな?)

それから、ナタリーポートマンの見る
幻覚が、本当に怖かった。

後、背中に出てくるあれがやだよね。
思い出すだけで、鳥肌が全身に立つぜ。



この映画を観て、監督の才能に気づき、
「レスラー」を見る人がもっと増えるかな?
と思ったけれど、
この映画から入った人は、
「この監督めっちゃ怖いじゃん!」ってなって、
レスラーを見ないんじゃないでしょうか。

皆さん、レスラーは全然ホラーじゃないし、
本当に良い映画ですから、
ぜひ観て下さい。
うちの親父に紹介したら、
気に入って2回も観ていました。


ちなみに、この映画とレスラーに通ずるところは、
2人とも、晴れ舞台の最後のシーンで、
ラストを迎える、というところだよね。

昨日のこの映画も、
最後、ナタリーポートマンが観衆の大歓声を聴きながら、
目を閉じて、
画面が真っ白になった上で、
エンドロールになるわけですが、
その持って行き方が、本当に素晴らしいですね。
まるで、夢を観ていた様な、
その圧倒的さに、ただただ、圧倒されます。
感動と、驚きと、ショックと、
後は、目の前の現実に心が追いつかない、
ショックというか・・・・

そういうモノが入り交じった状態で、
映画の世界に圧倒的に打ちのめされた状態で、
映画が終わるので、
だから、観客は、
しばらく席を立てないし、
口も聴けない訳です。


昨日の劇場、
見終わった後、
皆静かだったからね。


2011/5/17 10:55am



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