December 30, 2010 01:18

「答え」

今日で、仕事が終わった。

*****

今日から、新しいオフィスに移った。

三日前の夜、
約二年お世話になった、
新宿駅前の、新宿本店オフィスにお別れをする。

このオフィスに、何回泊まったか。

夜、一気に全員で荷物を詰める。
(予め、今月の早いうちから、
自分たちで分担をして、荷物詰めをしていた。
俺ともう一人の先輩で担当した倉庫は、以前誰かが
バラまいた消化器の粉などが飛び散っていて、
本当に大変だった)

その夜は、23時にオフィスを出て、
それから忘年会。
1時間ほどすると、殆どのスタッフは終電がないからと
帰って行ったが、
明日はお休み、または、
明日出社でも、気合いの入っているメンバーは、
明け方までそのまま居残り、カラオケ。

*****

次の日は、俺は休みで、
その次の日(つまり昨日)、
横浜オフィスに一日だけ出社する。
ここは、俺が入社して二ヶ月だけ通っていたオフィスだから、
俺の最初の思い出がある場所だから、
凄く好きだし、心地よい。

新宿オフィスは、今では慣れてしまったが、
当初は、毎日気を張って行く様な感じだった。

横浜が「家」、「Home」なら、
新宿は、「外」、「Away」だった。

今では、新宿が家だが。
だから、横浜に戻ると、
懐かしの古巣に戻って来た様な気分になる。

******

今日は、午後2時に、
住友ビルの新しいオフィスに出社する。

14時から20時まで、ずーっと引っ越しのアンパッキング。
俺は主に倉庫を担当。

余りにも荷物が多すぎて、クラクラしたが、
無事に、どこに何があるかが一発で分かる、
素晴らしい倉庫に変わった。


そして何より感心したのは、
新しいオフィス。

エレベーターを出て、
専用の階に出ると、
そのフロア全てが、うちの会社のフロア。

本当に大きい、お客様用スペース。
以前は5席しかなかったが、
今は、カウンセリングブースが10席になった。

会議室も増え、普段セミナーを行うルームも、
外からガラス張りで良く見える仕様となった。


中のバックオフィスも綺麗で、しかもデカい。
以前は本社の方々と、本店のスタッフは、
場所が離れていて、違う場所で働いていたが、
今は、同じオフィスとなった。

より、「会社」という感じになってきた。

******



今月は、多くのスタッフが、個人目標を達成した。

営業部が達成に近づき、
新宿本店も、創業以来、
初の達成に近く、近づいた。

しかし、自分の数字のマイナスがでかく、
それが出来なかった。


今日、先日カウンセリングを二回行った、
お客様とお話をした。

昨日も話をした彼。
20歳の大学三年生。

卒業後に、「日本にずっといると、”視野が狭くなってしまう”」
という理由で、海外での生活を志す彼は、
一年での生活では、自分の視野を広げるのに短すぎる、
という理由から、
最低二年間の海外生活を、考える。

しかし、二年も卒業後に間が空くと、
就職に差し支える、と大学の先生に指摘をされ、
「どうせなら、海外の大学院に行ったらどうだ?」
とのアドバイスを受け、カナダかアメリカの大学院留学を考える。

しかし、今英語力が全くないので、
その前に英語力を伸ばしたい、という目的で、
来年度の四年生からの、
半期間の留学を考える。

******

彼が初めてオフィスにいらっしゃった12月19日。
俺は、彼の留学の動機が、余りにも曖昧で、
本当にそのプランでいいのか、1時間程話し合った。


本当に英語力を伸ばすのなら、
やる気さえあれば、日本でトフルの勉強だってできる。
高いお金を出して英語塾に通わなくても、
NHKのビジネス英語で、独学で勉強できる。

色々なプランを話し合った結果、
上に書いたプランで、
かつ、大学の前期を費やして、留学をカナダにするプランで
固まった。

彼はその後、他社エージェントに予約を既に四社分しているからと、
その後合計、四つ程見て回った。

そして、再度24日に来店された。

その時彼は、他社の一つに、
「大学院に二年行かなくても、
カナダだったら、専門学校で大学院分の内容を、
一年でできるから、
それで行きなさい」と促される。

そして、うちのオフィスに二回目にいらっしゃった際には、
そのプランに惹かれていた。

でも、ちょっと待って下さい、と話し合った。
あなたが今回、海外に行く理由は、
「自分の視野を広げる為に、海外生活をすること」であって、
それで、一年だと短すぎるから、
二年で考え、
二年の長さがあるから、
折角だから、大学院も行こう、
そうでは無かったですか?と。

それなのに、専門学校で一年で終わらせて帰って来たら、
最初の目的がずれて来ませんか?と。

そう聞くと彼は、「そうでしたよね‥‥」と、
また悩みだす。


結局、エージェントは、
自分の会社に来てほしいから、
色々とうまい話をする。

その上で、彼の目的とする部分がブレて、
目の前のうまい話で、軸がブレ出したことが、
原因だった。

そこは、また1時間近くかけて、話し合い、
再度、本当に今回、どのようなプランで行きたいのかを、
もう一回考えてもらう。


結果、「やはり、カナダの大学院に二年行く為に、
この4月から、5ヶ月間を使って留学に行き、
英語力を伸ばし、大学院に入れる英語力を付けて来ます」と。


それが決まり、再度、
見積もりを立て直す。

明日から実家に帰るので、
では、明日両親としっかり話し合って、
それで、答えを出して下さい、と伝える。

すると、
「実は、この後もう一社、
もう一度話を聞きに行くんです・・・・」と、
申し訳なさそうに言う。

聞くと、その会社は、
見積もりを、敢えてうちの会社の二回目カウンセリングの後に
出すように設定をして来たとか。

よくあるパターンである。

で、「それはいいけれど、
大事なのは、あなたが本当に求めるプランを、
きちんと自分で納得の行くまで考えて、
それで、決めることですよ」と、アドバイスする。

*****

で、その後彼は実家の三重に帰り、
昨日、俺が横浜オフィスから、電話で話をした。

どうですか?今の状況は?
と聞くと、
「最終的に、もう少し安くなりませんか?」と。
色々と検討をしてみたが、
これ以上安くはできない、というラインまで、きちんと話をして、
納得を頂く。

彼は言う。

「できれば、今日もう一晩だけ、
結論を出す前に、考えさせて下さい。
明日の昼には、電話を差し上げますので」


その彼の話し振りから、
もう、他社がどうのこうのではなく、
本当にそのプランでいいのか、
留学を決める決心の前の、最後の時間が必要なのかと、
そう、思っていた。

*****

で、今日、彼から電話が入った。

「どうでしたか?」
と伺う。

彼は言う。

「実は、他社で決めました」

俺は、ビックリするというより、
内心、やっぱりか、という気持ちがしながら、
その理由を伺う。

初め、彼は言う。

「○○さんの方が、もう一つの会社よりも、
値段が少し高かったので・・・」

伺うと、
130万円の留学費用の内、
差額が8万5千円近く、うちの方が高いという。

聞くと、うちが、というか俺が、
この前提案した内容の学校と、
全く同じ条件。

つまり他社は、
俺が24日にカウンセリングを行って、
再度話し合って決めた学校の見積もりを見て、
それと同じ条件で作り上げて、
安く設定した模様。

よくあるパターン。


一つ一つ、詳しく聞いて行く。
何に、いくらの設定なのか。

一つずつ聞くと、
結果、
うちで出した留学費用の方が、
授業料はやや安かったが、
サポート費用が、
他社は、創業15周年記念特典か何かで、
○万円引きとか。

で、結果、
彼は8万5千円の違いとは言っていたが、
飛行機、保険などを抜かして計算すると、
6万5千円の差だった。

しかし、実際のサポート内容は、
全然違う。

彼には、会社比較をする場合、
みんなが必ず陥るのが、
色々見た結果、どこも同じ様に見えて来て、
結果、見積もりだけで決めてしまう、ということだと、
最初に言っておいた。


そして、実際には、
彼のように、留学の内容をも迷っていて、
どうしようかを考えている場合、
一からカウンセリングをして、
提案、プラニングを一緒にして、
その上で、きちんとカウンセラーが考えてくれるか。

そこを、きちんと見ることが大事ですよ、と。

だって、彼の様に、
俺と何時間も話し合った後、
その決まったプランを、他社に行って、
ただ話をして、
じゃあ、見積もりをお出ししましょう、って、
提案を盗まれるのは、本当に簡単な話だから。



しかし、結果、
今回もこれが起きてしまった。

で、彼に聞いた。

「実際、もしもうちを使われた場合に、
値段が同じか、もしくはお安かったら、
どうしますか?」と。

すると、彼は考える。
「うーーーーーーーーん・・・・」

悩むということは、
結局、値段のみで決めてしまっているという事。

もしも、サポート内容や、付加価値、
それらに魅力を感じているのなら、
値段が高かろうが、ずばっと決める。

だから逆に、
彼が、値段を理由に出して、
断りを入れている時点で、
既に俺は、負けているんだけどな。


その上で、彼に聞く。
彼は、凄く優しい子だし、
よく考えるし、
シャイだし、
自分の考えがまとまらず、すぐにブレる子。

だから、一つ一つ、丁寧に聞いて、
かつ、先導をしていかなきゃならない。


彼に聞く、

「実際は、どんな点で決めていらっしゃるんですか?」

すると彼は言う。
結局は、担当者との、ウマが合った、と。

他社のカウンセラーは、女性で、
フランクで、
冗談も交えつつ、話が脱線しながらも、
でも、留学の事は、きちんと話してくれた、と。

それを聞いたとき、
俺は、やはり、
自分に問題があった、と思った。

最近の俺は、
結果を追い求めるばかりで、
口では、上に書いた様な事を言うが、
結局、
自分のことしか考えられていないから、
彼と話をするときにも、


彼が、どんな子なのか、

彼が、どんな性格で、
何を言ってあげると、よりリラックスして、
彼は、打ち解けてくれるのか、


彼は、何に今悩んでいて、
どういう理解者が欲しいのか、


そう言った事を、
俺は、完全に無視して、

俺は、理論的には、どこの会社のカウンセラーよりも正しかろうが、
「人間」として、
「この人なら信用できる」、

そう、思ってもらえるだけの、
器量を、余裕を、
人間としての、幅を、
持ち合わせていなかった、ってことになる。



*****



俺が、高校三年生の頃、
夏休みに、留学会社や、留学機関をいくつも回ったとき、
感じたのは、これだった。

「結局、どこの会社の担当者も、
俺の事を、人間として見ずに、
¥マークで見てやがる」

そう、
俺を、進路に悩む、一人の人間として見ず、
誰もが、俺を、
¥で見ていた。

そんなのは、エージェントの仕組みを知らなかろうが、
すぐに、気づくよ。
人間は。

で、俺が最後に決めた、
トフルゼミナール。

そこに決めた理由は、
そこで話をした、松永さんっていう担当者の言葉に惹かれたから。

「正直、あなたがうちに申し込んでも、
私のお給料は一切変わらないし、
どうしてもいいと思うよ。

ただし、留学をするかどうかで迷っているのなら、
もしも留学に本気で行きたいのなら、
死でんも良い位の覚悟で行きなさい。
そうじゃなきゃ、辞めた方がいいわよ」

(丁度それは、9/11が起きた10日後くらいで、
俺は留学をしたいけど、親も反対するし、
どうしようか迷っていた)

彼女は、もしかしたら、
営業の立場ではなく、
上の方にいたから、
そういう言い方をしたのかもしれないが、
俺は、彼女にその言葉に惹かれ、
この人がいるなら大丈夫、
そう思って、そこにした。

(実際には、彼女はほとんどオフィスにいなく、
俺の別の担当者は一切サポートをしてくれず、
「こんなはずじゃなかった!」と、
なにくそ根性で、一人で猛勉強をしていたが 笑)


******

そんな風に、
結局は、
人が何かを決めるとき、買う時は、
金では無く、
気持ち、
それで、決める。

エージェントを選ぶ理由は、
物理的に、値段やその内容で決める人も多かろうが、
多くは、担当者で決める。


だから俺は、
今月、結果が出ないで焦っていたし、
結局、
俺が高校3年生の頃に色々回った際に感じた、
それらの会社の担当者の一人に成り下がっていたんだな、と。


俺は、松永さんにはなっていなかったんだ、と。


******

俺が結果が出る時は、
その人のことを、純粋に考え、
その方が、どうしたら一番いい方法で
海外で行けるかにフォーカスし、
結果、「○○さんなら安心して頼れます。お願いします」
となって、申し込みが、あくまでも『結果』として、
付いてくる。

しかし今月の俺は、
結果を気にするあまり、
全く、お客さんの気持ちも無視で、

ただの、冗談も言えない、
余裕も無い、
目が¥マークに変わった、
つまらないエージェントのオッサンに成り下がっていたんだな、と、


今日の彼の言葉を聞いて、思った。


******


俺は、なぜこの仕事をしているのか。

それを、自分が、
考え直す必要がある。

自分に、リマインドさせる必要がある。

人の気持ちは、嘘では動かない。

俺が信じていない言葉を発しても、
それに言霊は入らず、
相手には、決して伝わらない。


それは、毎回感じているし、
現に、結果が出ている時程、
それを、強く感じる。


俺が言う「結果」。

それは、自分が今の会社で、
「仕事ができる」ということを表す為に、
お客さんを「ツール」として見なす上での、
その数字の積み上げの、「結果」か?

そんな「結果」は、
「結果」とは呼べないし、
そんな結果が出ようが、
俺の人間としての魅力は上がらないし、
アンハッピーな方が増えるだけだ。

完全に、ベクトルが、
俺自身に向いているから。


******

俺が、目指しているものは、何なのか。
俺が、この仕事を通して、
得たかったものは、何なのか?

去年の9月の日記では、
それがハッキリと分かり、全てがクリアだった。

だから、自然と、
「結果」が出ていた。

しかし今、
その「目指すもの」が、曇っている。

だからこそ、「結果」が出ない。

しかし、その目指すモノは、
俺が自分で出す答え。


なぜなら、自分の仕事は、
自分の人生であり、
自分の人生の答えは、
自分のみが出せるから。


*****


長くなったが、
俺が今、自分に向き合って出すべき答え。


2010/12/30 1:18am






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コメント一覧

4. Posted by Shun   January 15, 2011 02:10
てぃさん、
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうだったんですね、あなたも松永さんと知り合いでいらっしゃるんですね。
僕も、今Googleで「トフルゼミナール 松永さん」と打ち込んだら、沢山出て来ました。やっぱり影響力のある方はすごいですね。

もしも彼女に会う事がおありでしたら、宜しくお伝えくださいね。
就職活動、頑張ってください。

俊輔
3. Posted by てぃ   January 15, 2011 00:07
通りすがりの就活生です。
これから、仕事をしていく上でこんな人になれたら素敵なんだろうな。私もなりたいと思えました。
実は、私も松永さんとは知り合いで、彼女をロールモデルに未来の仕事人生を描いていたので、私も彼女に触発されシュンスケサンのように、お客さんに本気でぶつかっていきたいです。
なんか、感銘する点が多かったので、思わずコメントさせていただきました。突然失礼しました。
2. Posted by shun   January 02, 2011 22:47
ダイゴロウ君、
メッセージありがとうございます。
ツイッター、確かに、お客さんとしてみれば、とてもいいかもしれませんね。

登録しただけで実際にほとんど使ってませんでしたが、会社のスタッフも結構やっている人がいるので、ちょっと教えてもらってやってみますね!
アドバイスありがとうございます。
今年もよろしくお願いします!

PS.ブログいつも楽しく読んでいます。
1. Posted by ダイゴロウ   January 01, 2011 00:05
5 関根くん、仕事お疲れ様です。
結果に追われる仕事上、関根くんの真面目さがゆねに、とても精神的に負荷がかかって、契約のロジックに集中してしまう現状がとても辛いのは日記から感じます。

すでにやっているかもしれませんが、仕事用にツイッターを僕はオススメします。
相談者とツイッターでたわいも無い会話をすれば、相手をしれ、次のアポの時に会話が弾み、やわらかくなると思います。そして信頼感も絶対に生まれ結果が出やすいと思いますよ!



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