April 19, 2010 02:50

「接客業とは」

今、アイスランドで火山の噴火が起きている。
その影響で、今日出発予定だった、お客様が、
海外へ飛べなくなっている。

俺の会員様も、
その影響でロンドンへ飛べなくなった。

*****

今日、その会員様の御祖父様から連絡があった。
内容は、「今回の件に関して、対処方法が、
どうなるのだ?」ということ。

今回、うちの会社としては、
渡航出来る日の兆しが見えるまで、
まずは逐一現状報告ということになっている。

同時に、今回、ホームステイを
日本から申し込まれていた方に関しては、
今回の件のために、現地で過ごせなかった
ホームステイ先の日数分に関しては、
返金、または後付等は、
一切行わないことになっている。

しかし、その対応方法に関して、
この会員様の祖父様が、お怒りになった。
「それは、人情というものが無いのではないか?」と。


うちの会社の約款上では、
この様な自然災害の際には、
万が一出発日が延期になっても、
その負担は、お客様がお支払いをされる取り決めとなっている。

その決まりに基づき、
お客様にも、お申し込みを頂く。

よって、この様なことが起きる際には、
お客様には大変申し訳ないが、
その旨を理解していただき、ご納得頂くしかない。

しかし、やはり今回のように、
取り決めとして既に決まっていても、
それでも、「何とかならないのか」との
不満を頂くケースが多々ある。


会社としてやっていく以上、
その様な方のみのクレームを受け入れ、
その方だけに、特別処置を取ったら、
同じ様に、今回渡航ができなかった
他の10名のお客様に対しても、
同じ処置を取らなければならなくなってしまう。

しかし、その旨を説明しようが、
お客様の心配や、怒りからしたら、
どうしようも無いのかもしれない。

********

この方は、去年の11月ごろ、
会員様ご本人(本人は19歳の女の子)
がお申し込み手続きをされた後、
アポイントメント無しにオフィスへ来店され、
会員様の祖母様である、ご自身の奥様と一緒に、
自分からもう一度、弊社のサポートに関しての
お話を聞かれた。

その際、約1時間をかけて、
説明を差し上げたが、
その際に、
「これだけしっかりした方がして下さるのだったら、
○○○も安心です。
ぜひ、うちの孫娘をよろしくお願いいたします。」
とのお言葉を直々に頂いた方だった。

また、彼は日立製作所のかなり上の方の方であり、
俺が前の会社が、同じ日立グループであったことを伝えると、
「これも何かの縁でしょう」
と嬉しそうにしていらっしゃった。

その時には、
その会員様の事を責任を持ってサポートする事への誓いと同時に、
「しっかりと一人ひとりの方の責任を持たなければ」
と改めて考えさせられた。

******

今回、この様なクレームを、
その祖父様より頂き、
正直、胸が苦しかった。

彼は言った。

「同じ日立グループの仲として、
また、私がもしも同じ立場だったら、
お客様の事を心から考えて、
もう少し、人情のある対応を会社としてするべきではないか。

そこに、ビジネスライクの兆しが見えるというか、
今回の対応方法は、
お宅の会社の上の方が、
簡単に話し合われて決めた、
そういう風にしか私には感じない。

本来、お客様を持つということは、
その方の事を本気で考えることであり、
ルールがあるからとか、そういった考えでは無く、
もっと、人徳的なことを考えた上での、
対応をするべきではないか。

最近の会社は、そういったビジネスライクな会社が多いから、
結局、あなたの会社も、そんなものかと、
私は、落胆している」と。


その様なお言葉を頂いた。


「あなたが悪いんじゃないのは分かっている。
しかし、あなたの会社の上のバカものどもが、
そうやって簡単に決めたことに関して、
私は納得が出来ない。
上のものと話させてくれ」と。


俺の会社に、「上のもの」は無い。
俺が、担当者であり、
全ての責任は、自分が背負って立つ。

だから、クレームが起きて、
「上のものを出せ」と言われようが、
罵詈雑言を浴びせられようが、
基本は、自分が、最後まで責任を持って対応するしかない。


クレームを受けないような、
お客様が心から満足されるような接客、
サービスを提供するのが、
接客業の、最低義務である。

しかし同時に、
今回のように、
自然災害だったり、
先日起こった別のクレームの内容のように、
当初は迎えに来るはずの、ホームステイ家族が、
その方を迎えに来なかった件なり、
直接の責任は、自分に無いにしろ、
担当は、俺であるから、
全てが、自分に来る。

それを、全て、対応するしかない。



困難とは思っていない。
こういった件を何件も対応して、
自分のしている、「接客業」とは何かを、
考えさせられるし、
お客様にお金を頂くとは、
どういうことかを感じさせられるし、

うちが扱っているものは、モノではないからこそ、
だからこそ、お客様によって違う、
その「期待値」を、超えるものを、
提供していないと、いけない。


********



この4日間で、その様なクレームが、
一気に三件起きた。

偶然ではないと思う。
神様が、俺に、課している試練だと思う。
「お前は、こんなものでは、ヘコたれないと
分かっているから、出しているんだ」と。

一件、困難に見えようが、
捕らえ方次第では、それが、成長へのチャンスとなる。


クレームが一件、二件と続き、
落ち込まないようにしようと、今日まで何とか持ちこたえたが、
今日、また最後にドカンと勃発し、
流石に、今日の夜は落ち込んだ。

しかし、彼女とさっき話していても、
やはり、自分には超えられる器量があってこそ、
それが起こっていると、思える。


******


全ては、考え方次第だ。

そして、この様な件を通して、
接客業とは、
そして、自分のしている仕事の意義とは、

そういったものを、
お客様から、学ばされる。

気づかされる。


******


お客様は、
俺の事を信頼してくれているからこそ、

そして、お客様にとっては、
俺が、唯一の味方であるからこそ、
こうして、意見を言ってくださる。


それを、有難いと思わなければいけない。


******



もっともっと、タフになろう。

もっともっと、強くなろう。



2010/4/19 2:50am

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