November 14, 2007 23:13

「人に教えることの難しさ」


仕事場での昼休み。
今日も、社長と泳ぎに行った。
作業をしている自分に声がかかる。

「コーチ!泳ぎに行きましょう!!」

***

水泳場に着くと、多くの人が泳いでいる。
今日は昨日に引き続き、かなりの快晴。
11月半ばというのに、この夏の様な天気は、さすが南カリフォルニア。
Tシャツ一枚でOK。

***

水に入る。かなり気持ちいい。
外のプールは、やはりいいね。水泳部時代を思い出す。

早速、社長さんの泳ぎをチェック。

***

今日で彼の泳ぎにアドバイスをあげるのは、3日目ぐらいだが、
泳ぎを直すさいに、気をつけなければならないことがある。

・フォームどおりに泳げていないからといって、フォームが綺麗になる様にだけ、気をつけていてはいけない。

例えば、彼の泳ぎは、右手をかいて、前に持って来る時に、体がひねってしまているが、これをただ、「体をひねらない様に」と言うだけでは、簡単すぎる。

最初は俺も、そう言っていたが、次第に気づくようになってきた。

なぜ、彼の体が、ひねってしまうのか。


・片方だけで呼吸をしているため、左右のかきのバランスが取りにくい。
・キックが、やはり左右対称に打てていないため、そこのバランスの崩れが、かきにも現れる。


彼の泳ぎをもぐって見ながら、彼に気づいたことを言う内に、
ただ、表面上の問題点だけを挙げて、その注意だけをしていては、いいコーチにはなれないことに気づいた。

上に挙げたように、後から、「あ、もしかしたらこれのせいかも?」と気づく点が、色々と出てくる。

それらの点を、彼に教えて、
「呼吸を左右でするようにすれば、手のフォームのバランスもとれるかもしれませんね」
「もしかしたら、キックを左右対象に打てる練習をすれば、もっとバランスが取れやすくなるかもしれませんよ」

そんな感じで、彼本人に泳いでもらって、感じてもらって、どの練習が一番いいかを、探してもらう。

***

ただ、フォームどおり(手本どおり)に教えることは、誰でもできるけど、それでは、その人のよさを、もしかしたら殺しているかもしれない。

最近読んでいる本に、こんなことが書いてあった。

***

ドラフト一位でプロに引き抜かれた、あるプロ野球のピッチャーの選手が、
入団5年目で、引退したそうである。
理由は、いい結果が出せなかったから。

彼にインタビューをすると、彼はこう答えたそうだ。

「入団してから、コーチに、フォームを直されてばかりいた。
結局、5年間ずうっと、いつもフォームばかり気にしていて、自分の投げが一度もできなかった」と。

このコーチは、素質ある選手を、「自分の理想とするフォームの通りに投げさせたい」という思いだけが突っ走って、彼のもともと持っていた才能を潰してしまったわけだが、
この話を読んで、「なるほどな」と思った。

俺が相手の泳ぎを見て、「この手のかきが出来ていないから」と、フォームばかり気にして、その注意ばかりしていたら、彼がもともと持っていた素質を消して、さらには、彼の泳ぐ気力さえ無くさせてしまうかもしれない。

***

ただ、フォームを教える=「押し付け」にならず、
その素質を出すようなコーチングをしてあげる。

かと言って、ただ褒めてばかりで、何も注意しないのもいけない。

そこの間のバランスをうまく取るのは、
なかなか難しいなと、
最近感じておりまする。


10・14・07


PS.ちなみに彼の泳ぎは大分よくなって来ました。

今度、彼のビジネスパートナーのフランス人であるR(元オリンピック選手補欠:平泳ぎベスト100M、1分11秒)対、
俺(平泳ぎベスト100M、1分18秒)+社長(タイムは一番遅いが、熱さは一番)で、100Mのレースをします。

社長は、それを目標に、数週間前からかなり燃えています。

食事中など、俺と何かを話す場合、仕事の話か、後は、水泳のクロールのかきの話ばかりです。

「やっぱりね、ここのかきが、中々うまくいかないんだよね。水泳は本当に奥が深いね・・・」


とてもいい人です。



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