August 28, 2007 23:03

「幸せなとき」

人間は、幸せなときっていうのは、感情を吐き出さなくてもいいから、
それを後に残しておこうとはしない。

その感情が、「本当に幸せで、もう書いておかなきゃもったいない!!」という位に達しているときは、それを書き残したり、手紙に書いて相手に送ったりするけど、

普段の生活の中で、「幸せだなあ」と普通に思うくらいなら、
特に、その「幸せ」という感情を、書き残すことは、ほとんど無いと思う。

自分で、自らにそれを課しているとき以外は。

****

この夏。俺は、彼女とずっと一緒にいた。
初めてだった。どこかに旅にも行かず、毎日、同じ場所で、生活を送る夏は。

同時に、彼女と、毎日ずっと一緒にいるってのも、初めてだった。
誰か、自分以外の人と、ずっと一緒にいるってのは。


彼女が7月10日に日本から帰ってきて、ほとんど一緒にいたけど、
それで、ほぼ毎日、夕飯を一緒に作ったりして、クローゼットの中で、
プリンターの空き箱をテーブルにして、二人で食べてた。
「勝新太郎と中村玉緒の若い頃を思い出すね」なんて言いながら。

そんな、超質素で、しかし、愛がある楽しい生活を、二人で送ってるってことが、
本当に、俺の人生では初めてで、楽しかった。

彼女と話していると、自分が子供に帰っているのが分かる。
よく、小さなときの、家にいた頃の感情を思い出すから。

小さい頃、親父と遊んだこととか、
お母さんとよく話したこととか、
そういうことを、よく思い出す。
彼女と会うまでは、そんなに今みたく、小学校時代の小さな頃の記憶を思い出すことも、ほとんどなかった。

つまり、そんだけ、彼女といると、安心しているんだと思う。

***

一度、彼女と夕飯を食べた後、親父の話をしていて、
涙が出てきてしまったことがあった。

その時、確か、親父の癖とか、よく取る行動とかを話していて、
仕事から家に帰ってくると、急に幼児化する父親。
それでも、外では気を張っていて、仕事からのケイタイ電話が入ると、
急に声がビシッとする。
「はい!○○です」
でも、いったん電話を切ると、また、声が小さい子みたくなってる。

***

俺は、自分が中学校とか高校の頃、
そんな、家ではシャキッとしていない親父が、
かっこ悪いと思い、反抗していた。

なんで、もっとかっこよく振舞ってくれないんだろう。
そんな風に思っていた。

しかし、今となっては、親父の気持ちがよく分かる。
外で気を張る親父は、家に帰ってくると、安心して、
子供のようになってしまうのだ。

なんで今、親父の気持ちが分かるようになったか。
それは、今の彼女といる時の俺が、まさにそんなんだから。

***

そんな風にして、親父の気持ちが分かったとき、
外では頑張っているそんな親父を、俺は避けてしまって、
強く当たってしまって、
可愛そうなことをしたなと、なんだか親父の気持ちを考えたら、
悲しくなってしまった。

それで、泣けてきた。

***


そんな風に、子供時代のことを思い出したり、
決して贅沢ではないけど、そうやって狭い空間で、
一緒に作った料理を食べたりして、
そうやって、楽しくて幸せな時間を過ごしていた。

そして、その幸せな気持ちは、特に日記に付けたりはしていなかった。


***

今、夏が終わりに近づいて、
「この夏は、俺は何をしてきたんだろう」と振り返った時、
今までの様に、どこか遠くの国を旅したり、
どこかに行ったりと、
距離的に余り行動していなかった自分の行動を振り返り、
「仕事もせず、旅もせず、
 俺は何をしていたんだろう」と思った時があった。

まるで、この夏は、何もしていなかったみたいな、
そんな感覚に捉われた。

****

でも、彼女と話していて、
そういえば、今回の夏は、毎日料理を作ったり、
色々な話をしたり、
たくさんのことをしたじゃないかと。

そういう日々の小さなことは、
余りにも日々の習慣になりすぎて、特に特別視はしなかったけど、
考えて見たら、すごく幸せな時間をたくさん過ごしたってこと。

そして、それを特別視しなかったから、日記にも特に書かなかったし、
毎日日々の行動を見返すことも余りなかったから、
「何をしたか」を、頭に刻み込んでこなかったってこと。

それで、後で思い返したとき、
「あれ?あの日は何をしたんだっけ?」
「この週って、何してたんだっけ?」
と、過去の日々に何をしたかを、性格に思い出せない自分がいた。

アメリカに来た日以来、いつも、日記を毎日付けてきたから、
んで、よく、過去の日記を読み返しては、
「ああ、この日はこんなことしたんだよな」と思い返してたから、
そうやって、今回みたく、
「その日に何をしたか」をすぐに思い返せない、
そんな日々が続いてしまったことを、
何となく、後悔した。

しかし、それは、毎日が幸せで、日記に書かなくてもいいくらい幸せだったから、
ただ、日記を付けなかっただけ。
それで、毎日その日の行動を見返さなかったから、
その日の記憶が、強く刻み込まれなかっただけ。

きっと、記憶は確実に残ってるんだろうけど、
「その日に何をしたか」ってのを、瞬時に思い返せないだけ。


そしてそれは全て、
日記を毎日付けていなかったからだってこと。

***

それに気づいた俺は、
先週くらいから、毎日日記をまた付けるようにした。
その日何をして、何を話して、
何を、考えたか。
何を感じたか。

それを記すようにしたら、その日の記憶が、更に濃くなり、
後で思い返しても、「ああ、この日は何をしたな」とすぐに思い出せ、
同時に、
その日に何を感じていたか、何を考えていたかが分かるから、
今の自分と比べて、どれだけ今の自分がその時の自分に比べて、
成長したかを確かめられるようになった。

***


それから俺はこの夏、仕事探しと、汚いアパートにストレスドアウトし、
中々仕事も決まらず、新しい場所も見つからず、
何故か毎日疲れていて、どこかへ行く気も起きず、
ずいぶん、イライラして、日々を過ごしてしまっていた。

そして、そうやって、
旅もせず、かといって仕事をしているわけでもなく、
一つところで、何もかもうまく行かないような状況にはまっている自分に、
焦ってばかりいた。

しかし、今、仕事も決まり、
新しい場所も見つかって移り、
全てがまた、やっとうまい方向に動き出し始めて、
その時のイライラしていた自分が見えてきた。

物事が思い通りにうまく行かず、
焦りばかりが積もるのみ。

そんな、一つところしか見えなくなって、
壁にガンガン頭をぶつけている様な、
アリンコの様な状態で、この夏を過ごしてしまった事を、
後悔した自分もいた。


しかし、彼女いわく、
この夏は、そうやって悩んで、
内面を鍛える夏だったんじゃないかと。

今までは、どこか他の国に行ったり、
旅をしたりと、
外側に動いて、内面を成長させてきたけど、
今回は、一つところにじっとスタックして、
そこで、物事が自分の思い通りに行かないという状況の中で、
じっと耐えて、物事がよくなるまで諦めずにやり続けるという、
そんな中での生活で、自分の内面を鍛えるいい機会だったんじゃない?と。

そう言われてみて、確かにそうかもねと思った。

***

ちょっと余りに長くなっちゃって、今回書きたいことと別のことまで書いちゃったけど、
今回言いたかったことは、

「幸せなときは、進んでそれを書き残そうとしないから、
 特に思い出に残らないけど、
 本当は、幸せな時ほど、時はあっと言う間に過ぎて、
 後で思い返すと、何もなかった様に感じるもの」ってこと。

それと、
「物事は、その時はうまく行ってなくて、
 その状況を、全然ポジティブに捉えられないかもしれないけど、
 後に全てがうまく行ったときに、その辛い時期も、
 その結果に結びつくために必要な過程だったんだと思えれば、
 結果オーライで、全てよしと思えること。

 そして、全ての物事は、
 自分がいいようになると信じて、諦めなければ、
 必ずいい方向に回る」ということ。

***

長くなりすぎたぜ。ふう。

8・29・07



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コメント一覧

2. Posted by Shun   August 31, 2007 16:21
yukoさん、

コメントありがとうございます。yukoさんのブログ、また読みましたよ。どうやら、同じ様な境遇にいたみたいですね。
住む場所が見つからなかったり、仕事が決まらなかったりと、その状況にいることのもどかしさが良くわかります。
それでも、どちらも決まったみたいでよかったですね。
僕も、自分をもっと上の方に持っていくのみです。
1. Posted by yuko   August 30, 2007 04:29
あたしのブログにコメント頂きありがとうございます。今似たような状況にいて、同じような事を想ってます。あたしってば何してるんだろうと思う事もあるけど、一緒に住んでる彼と夕暮れ時にお喋りしながらビールを飲んで美味しいもの食べてお散歩すると、「あー、いい日だったなぁ。」と幸せになります。
こののほほんななんでもないような日常を大事にするためにも、自分をもっと上の方に持っていかねば、と思っているところです。

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