July 28, 2007 23:57

「UBU THE SHIT」

ウブ






7月28日土曜日

今日は、友達のさやかさんの出演している劇、「UBU THE SHIT」を見に行った。

ハリウッド、サンタモニカ・ブルバードで上演されたこの劇。
さやかさんの劇を見に行くのは、前にもここに書いたように、
CSULB内で公演した、「PERICLES」と、さやかさん本人が脚本、監督をした、
「歌舞伎の世界」に引き続き、3作目だった。

6月に入って、劇の練習中に、足に怪我を負うこともあったさやかさん。
そんなトラブルもありながら、それすらも笑い飛ばす勢いで、
練習に日々励んでいた。

今回の劇では、一体どんな演技を見せてくれるのか、すごく楽しみだった。

*****

ロングビーチから車を走らせて、約1時間ほど。
途中、ハイウェイ710上で、もう少しで巻き込まれそうな事故に、目の前で遭遇する。(これについては後で詳しく書きます)

そんなこんなもありながら、無事に劇場についた。

*****

建物の中は、こじんまりとしていて、
シアターメジャーの人たちが、ホストをしてくれたり、チケットを売ってくれたりと。
8時に公演開始の劇が始まるまでの間も、その彼らと話をしたりと、
とても居心地が良かった。

自分の余談だが、シアターメジャーの人たちが、俺は好きだ。
みんな、自分の好きなことをやっているせいか、とても活き活きとしている。
だから、他の人にも親切で優しいし、礼儀正しい。
シアターメジャーの人たちで、超イヤな人など、今まで会ったことがない。
特に、みんな公演を終えた直後などは、顔がとても活き活きとしていて、
もうはじけんばかりのエネルギーで満ち溢れている。

毎回、こうして、劇を直接シアターで見に行く度に、
その人たちの発する、あふれんばかりのパワーに、
感動を覚える。

その瞬間を、自分の全力を持って、
自らの一番進みたい道で、力を出し切る人たち。

その姿は、とてもキラキラしていて、
本当に、美しいと思う。

*****

さやかさんもそんな人の一人で、
彼女の演技には、目を惹きつけられるものがある。

体全体で、その役柄を演じる彼女。
劇が始まった瞬間から、その、一挙一動に、全ての神経と、注意、そしてエネルギーが込められており、
見ているものの目を、とりこにする。

*****

劇が始まった。
役者全員が一度に出てきて、この劇のタイトルが書かれたポスターと供に、
全員が、大声で叫んだ。

"UBU THE SHIT!!"

そこから、ライオンキングのオープニングの曲に合わせて、
みんな、動物たちになりきった動きで、舞台を這い回る。

全ての人の動きが、凝っていて、
顔の表情まで、みんな成りきっている。


そこから、本番の劇が始まった。

*****

この劇の内容は、UBUという王様が、自分の欲にどんどん駆られ、
自らの国の王を殺し、王の座を奪い、
それでも彼の欲は収まらず、どんどん行動が過激になっていくというもの。

この劇で面白いのは、このUBU、
緑色の馬鹿でかいペニスを付けている。笑

そして、今回の劇の演出が面白かったのは、
劇に登場した役者全員が、
男女関係無く、
全ての人が、そのUBUと、彼の奥さんの役を、
必ず順番で演じるというもの。

UBUと奥さん役を演じるときは、
みんな、木(かな?)で出来た仮面と、コスチュームを付ける。
そのコスチュームも可笑しくて、
大きな渦巻きが描かれたおしり、
そして、今回の目玉、緑色のペニス。

役者の中には、このペニスをフルに使って、
素晴らしいサービス(?)を劇中にやってくれた人たちもたくさんいた。

もう、これはR指定でしたね。
小さな子は、見ないように。
ショックを受けること、確実です。笑

*****

劇中は、みんな、それぞれの人が、UBUとその奥さんの役をうまく演じていて、
一人ひとり、役が入れ替わる度に、次の人はどう表現するのかという期待とともに見ることができ、とても楽しかった。

人によって、皆演じ方に違いがあり、
例えば、その人の体のつくりや、体の動かし方、
しゃべり方、声の大きさ、スピード、声の高さ、
ジェスチャーの大きさ、
そういった、小さなところから、大きなところまで、
全ての要素により、その人だけの、「UBU」が作り上げられる。

昔、三谷幸喜脚本の、夜中にやっていた短い番組で、
「13番テーブルの客」というのがあった。

俺が中1のときだから、もう10年も前の話。
それは、三谷幸喜が書いた脚本を使って、毎週、
違う演出家が、同じ話を撮っていくというもの。

たとえ同じ脚本、同じ台詞でも、
演出家の見せ方や好みで、ぜんぜん違うものとなる。

その違いを見るのが面白い番組だったが、
今日の劇は、それを思い出させた。

同じキャラクターでも、演じる人によって、ぜんぜん違う人となる。
そして、その演じ方の違いが、90分のショウで、
一度に10人ほども見られる。

とても贅沢なものだった。

*****


この劇、始まってから終わるまで、
本当にハイテンションで、
見ている俺のほうが疲れてしまったぐらい。笑

みんな、もう本当に、飛ばしっ放し。
90分のショウが終わって、さやかさんと少し話をする機会があったが、
彼女いわく、今が留学生活上で、一番体が軽いと。

この劇は、もう本当に90分、動きっ放し、
走りっ放し、飛びっぱなし、叫びまくり、
吠えまくり、誰かを叩きまくり、笑
そんな感じだから、
普段の練習中やリハーサルから、常に体を動かしていて、
もう、今は20分間走る続けても、何も問題がないそう。^_^


劇の間も、もう本当に面白いギャグや演技ばかりで、
観客も、始終声を大にして笑い転げていた。

みんな、演じるキャラにより、声の高さから、大きさ、
体の動き、発するパワー、雰囲気、
顔の表情、
全てが、変わる。

まさに、生きるアート。

*****

さやかさんの話で、感心したのは、
今回のUBUや奥さんの役は、仮面をつけてやるため、
顔の表情で演技ができないという。

だから、体の動き、声の高さ低さ、
そういったもので、メリハリをつけなきゃいけないという。

そこで体を一つ動かすにしても、
仮面をつけているため、仮面なしの普段なら、体から動かしていい動きでも、
今回は、仮面から、つまり顔から、先に動かすという。

それを、自らのジェスチャーとともに解説してくれた。
へえ〜、なるほど〜!!!と思った。

これだけの長い劇、一体、練習期間はどれくらいだったのかと聞くと、
約一ヶ月ほどだという。
そして、練習も、それぞれのパートを練習して、
リハーサルでは、全てを通して皆でやるにも、それぞれの人の都合がつかなかったりと、
中々大変らしい。

そして、仮面をつけながら、お互い、それで会話をしたりと、
演技以外のこともやり、更に動きや演技を、自然なものにして行くそうだ。

まさに、感心の一言。

*****


上にも書いたが、やはり、全ての演技が終わった後の役者の皆さんの表情は、
とてもハツラツとしていて、本当にいい気分にさせれくれた。

みんな、「今」のこの瞬間を生き切っているんだなあと、
本当に胸を動かされる。

*****

UBU THE SHIT.
来週の金・土曜日が最終なので、
南カリフォルニアの住んでいる皆さんは、ぜひチェケラあれ。


7・28・07


チケット情報
https://www.plays411.com/newsite/show/play_info.asp?show_id=1114

あらすじ:
Over 100 years ago, Alfred Jarry wrote a play based off MacBeth, which attacked all that literature and the theatre held sacred. The first word, Merdre (Shitter) was a sound that signaled the artistic revolution to come. However, this revolution did not come until over 50 years later by way of Beckett, Ionesco and the other absurdist writers. In this version of Jarry’s play each of the nine actors will play both the monstrous Pa Ubu and his vile hag of a wife Ma Ubu. Masks created for the show from Bali, Indonesia, nine different languages and a plethora of musical instruments will accompany these warriors through tragedy, comedy, drama, puppetry and clown. Today, everything moves at the pace of Ubu. Everyone wants to buy more, eat better and shit more pleasantly. This means that shocking our audiences cannot be achieved through the same means anymore. We will extract and nurture those new avenues for you in this glorious production of the time old tale.

(https://www.plays411.com/newsite/show/play_info.asp?show_id=1114より抜粋)






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コメント一覧

2. Posted by Shun   July 30, 2007 03:24
彩耶香さん、

昨日は本当に楽しめました。
毎日、あれだけのハイテンションで、あの長さを連続2本もやるなんて、本当に大変ですね。
でも、役者の皆さん、全員の超めちゃくちゃポジティブなパワーが、吹っ飛びまくってましたよ、シアターの中を。

さやかさんに劇の途中でもらったお菓子で、俺の歯の詰め物も取れるしね。笑

そんな訳で、また今度会ったときは、ゆっくりとお話聞かせてください。楽しみにしてます。
^_^
1. Posted by 彩耶香   July 29, 2007 20:25
今日は観に来てくださって本当にありがとうございました。

しゅんくんとMちゃんと芝居後に話すのはすっごく楽しいです。
細かいところも観ていてくれるし、
たまにシアターメジャーか!?ってぐらいのマニアックな感想をくれたりするから(笑)、
本当に”観て”くれていたのが伝わってきて、
嬉しいと同時に役者冥利に尽きる思いでいっぱいになります。

あと、私のインタビューもしてくれるし。(笑)

お芝居の感想は聞いても、
リハーサルプロセスのことまで興味もって聞いてくれる人なんてそうそういないので、とっても嬉しいです。

というわけでありがとうございました。

近いうちに是非遊びましょう〜〜。
その時はまたentertainしたいと思います。

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