July 25, 2007 20:07
Freedom Writers
この映画のレビューが、日本の友達のMIXIのところに載っていた。
俺も、この映画を、数週間前にDVDで借りて見たばかりだった。
こっちでは、1月に公開した映画。
彼女からも、ずっと前から薦められていた。絶対見たほうがいいよと。
この映画の舞台となったロングビーチのウィルソン高校は、
今俺が住んでいるところから、車でほんの数分の距離である。
この映画の設定は、1994年。
LA,ロングビーチなどで1992に起こったロス暴動直後の話だが、
それからまだ10年ちょっとしか経っていない。
映画の中では、主人公の高校生の女の子が、友達と登校するシーンで、
他のギャングメンバーからの銃撃に合い、何発も撃ち返すシーンがある。
今では、こんな光景はもう見ないものの、
やはり、ロングビーチダウンタウンの方、特にゲトーエリアの方は、
未だに、毎週の様に人が死んでいるとか?
(麻薬の密売人や、ギャングが多く住んでいる地域などで)
正直、自分はそういう、土地の治安や現状に本当に疎く、
彼女に最近色々と教えてもらって、この地域がいかに危ないかを知りだした。
一年前までは、その高校からすぐのところに住んでいたけど、
「なんとなく治安が悪いとこだなあ」ぐらいにしか思ってなかった。
この前アプライしたスタバも、ロングビーチダウンタウンの中にあるもので、
そこは周りがホームレスや怪しい人ばかり。
何回か面接などでそこに行き、「ここはちょっとヤバいんじゃないか?」
と薄々と感じていたが、
彼女に、そこの地域の危なさを聞き、こりゃ本当に辞めた方がいいわと、
他の地域のスタバにアプライしている状況。
ま、俺がいかにニブいかはどうても良いとして、
そんな、ロングビーチ、ウィルソン高校。
この映画は、この高校での実話が元となっている。
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話のあらすじは以下の通り。(彼女のブログより抜擢)
ときは、1994年。90年代初頭、LA暴動を初め、人種間同士の争いがピークを迎えたロングビーチ。ウィルソン・ハイスクールも荒れに荒れ、決して勉強に勤しめるような環境ではなかった。学校の外では、ギャングたちがはびこり、生徒たちも「黒人」「ラティーノ」「カンボジア系」「白人」とグループを作り、敵対していた。
そこへ赴任してきたのは、夢と希望と期待に満ち溢れた、ニューポートビーチ(超お金持ちエリア)出身の新米教師、エレン。彼女の希望とは裏腹に、現実は厳しい。まるで、授業にならない荒れよう。子供たちは、高校生だというのに、小学生並みの読み書きを習っている。現実に愕然としながらも、子供と向き合うエレン。子供たちの人生に、信じられないドラマがあることを知り、「毎日、日記を書きなさい。あなただけのストーリーがあるはずだから。」と、鼓舞。子供はフリーダムライターと化し、それぞれのライフタイムストーリーを書き綴る。これまでの自分に蹴りをつけるため、新しい自分になるため、そして、現状に打ち勝つために。
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この映画、日本ではまだ公開したばかりらしいので、多くには触れないが、
ぜひ、機会があったら見てほしい。
アメリカにいる皆さんは、もうDVDが出ているので、ぜひ借りて見てみて下さい。
人種問題、ギャング同士の抗争、その中で生きる子供たちの生活・・・。
ロングビーチに住んでいる人なら、この映画を見て、彼らの話していることが、
肌で感じ取れるのではないでだろうか。
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この映画の主人公となった、Erin Gruwell(エリン・グルーウェル)教授は、
今はなんと、CSU Long Beachで教えているらしい。
この前までその学校に通っていたのに、
その先生が、同じキャンパスで教えているなんて、知らなかった。
今度、機会があれば、彼女にぜひ会いに行ってみたいと思います。
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人種問題。
ここ、南カリフォルニアに住んでいる以上、この問題は避けて通れない。
同じ地域でも、
ゲトー地域から、数ブロック走っただけで、
高級住宅街が広がる。
人々は、人種で相手を判断し、
その人の外見だけで、ステレオタイプをすぐに当てはめる。
映画の中で、エリン教授のクラスの、ラティーノの女の子が、
「自分はあんたを含めた白人が大嫌いだ」というシーンがある。
「白人は、私の家族や友達を、勝手に連行し、逮捕する。
彼らは、そうしたいからそうする。
そして彼らは、それが出来るんだ」と。
その子のセリフは、この白人主義アメリカの真実を、
少なからずとも指している。
俺がアメリカ一年目に住んでいたウィード。
そこは、超田舎町で、人口のほぼ全てが白人だったため、
人種同士の問題なども無く、俺自身も、
「日本人だから」とかで差別はされなかった。
しかし、サンノゼに移り、白人以外に、黒人、ヒスパニック、
アジア人が混ざる地域。
ウィードに比べると、自分(=アジア人=白人ではない)に対して、
その土地の白人が取る態度に、わずかな壁を感じた。
しかし、それも、ロングビーチに移ってからは、
全く大したものではなかったことに気づく。
そして、そうやって、彼らとの間に、
目には見えない、しかし、
「薄い壁」を感じる自分は、センシティブ過ぎるのかと、
自分を疑う時も多々あったが、
毎回、ウィードなどの田舎町に帰る度、
そして、そこの人々と接する度に、
やはり、あの「壁」は、確実に南カリフォルニアには存在することを実感する。
しかし、これは、南カリフォルニアが悪いわけではない。
「人種問題」と、
「都市問題」。
この二つが、キーワードだからだ。
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様々な人種が混ざる地域、ロングビーチ。
全米でもトップを争う、この人種が混ざった土地で、
人種同士の差別が無い方がおかしい。
もちろん、これだけ人種が混ざっている分、
他の地域よりも、うまく人種同士がミックスしつつも、
一緒に生きているという点では、すごいと思う。
しかし同時に、人種同士の区切りがこんなにハッキリしているのも、
これだけの人種が、同じところに住んでいることに対しての、
当たり前な結果ではないだろうか。
白人は、白人地域に。
黒人は、黒人地域に。
メキシコ人は、メキシコ人街に。
アジア人でも、
韓国系、中国系、タイ系、カンボジアン、ヴェトナミーズ、
フィリピーノ、日系、インド系、
全て、それぞれの地域に、別れる。
もちろん、貧富の差でも、
住むところからして、綺麗に別れる。
人種が多くなればなるほど、人種同士が固まる。
自分の文化と違う文化から来た人間は、「異人」であり、
「警戒すべき対象」である。
そうして行かないと、生きていけないからだ。
そして、その中で、「白人優越主義」は、
目に見えないつつも、確実に存在する。
白人だけが、それを感じない。
気づいていようが、
見て見ぬふりをする。
それだけ。
白人全員がそうではない。
その問題に立ち向かう人、
人を人種で差別しない人、
そういう人間的にできた人たちも沢山いる。
しかし、悲しいがな、
そんなことすら気にしない、
レッドネックが多く存在するのも、事実だ。
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そしてまた、「ロングビーチ」という土地だけが、
この「見えない壁」の理由なわけではない、もう一つの理由。
人が多く集まる、「大都市」という土地柄の性格上の問題が、
それである。
世界中、どこにいようが、どの国にいようが、
大都会になり、人が増えるほど、
治安も悪くなり、人々は相手を疑うようになる。
なるべく、他人との接点をなくし、自らを、守るようになる。
相手を、ステレオタイプで咄嗟に判断し、
偏見と言われようが、自らの経験から、物事を判断するしかない。
そうして行かないと、生きていけないからだ。
都市になるほど、人は他人との距離を持ち、
お互いを警戒し合う。
それは、ヨーロッパだろうが、アジアだろうが、
アメリカだろうが、どこでも同じことだ。
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「もっと、全ての人種が仲良くなったらいいのに」
「なんで皆、ステレオタイプで判断するんだ」
自分も、そういう意見を持ち、この地域の人々を批判していた時があったが、
そんな意見も、ナイーブなものでしかない。
実際にその土地で住んで見て、
なぜ、人々がそうなるのか。
その人々の持つ、問題、苦労、困難とは?
それを知って、初めて、意見が言える。
そして、それを知った上で、
それでも、外に出て行こうと努めること。
他の人種の事を知ろうとすること。
相手を尊敬した上で、
相手のことを、分かろうとすること。
その態度こそが、初めて評価される。
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そんな訳で、そんな、誰もこの状況を打破できないと思うのが当然の地域で、
人種など関係なく、クラスを一つにまとめた、エリン教授のした事は、
本当に勇敢で、素晴らしいことなのである。
彼女が取った、生徒に日記を書かせるという手段。
最初は警戒していた生徒たちが、一人ひとり先生の用意した日記帳を持ち、
自分の思いを書き綴るシーンでは、
自分が中学生の頃の生活ノートを思い出した。
よく俺も、毎日のやり切れない思いとかを、
そのノートにぶつけていたっけ。
担任がそれを読んでくれ、コメントをくれるだけで、
心のはけ口となっていた。
エリンが、生徒に向かい、
「この中で、自分の友達や兄弟を、ギャングの争いにより殺されたことがある人は、前に出て」という中で、
クラスのほぼ全員が足を踏み出し、
3人以上殺された人は、との問いに、
それでもまだ多くの生徒が残るシーンでは、
かなりショックを受けた。
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自ら、学校の仕事以外に、他にもパートタイムの仕事を二つこなし、
自分のクラスの生徒を、校外学習に連れていくその生き様には、
感心させられた。
初めは、同じクラスの中でも、人種同士でお互いに憎み合っていた生徒たちも、
時が経つにつれ、彼女のクラスだけは、皆仲良くなっていく。
実際の話を元にしているのもあるだろうが、
生徒役の役者たちの演技もリアルで、
何回も、胸に迫るシーンがある。
教育関係、人種問題などに興味のある人には特に、
そして全ての人に、
ぜひお勧めの映画。
7・25.07
彼女が、Erin Gruwell(エリン・グルーウェル)教授