June 06, 2007 20:55

お互い、頑張ろうな

良太郎と久しぶりに話をした。
カンザスで大学と野球を頑張ってきた彼。
5年間、その道で突き通してきた。

今、卒業して2週間。
これからの道を探し中だと言う。
野球に関わった道に進みたいのと、
ビジネスにも興味があると言う。
何かに全力投球していないと、落ち着かないタイプの彼。
今は、5年間突っ走ってきた、
学校と野球が終わり、
心にぽっかり穴が開いたような状態だって言ってた。

俺は、彼は絶対、どの道に行こうが、
絶対に、うまくやって行くと思う。
普通の留学生が、勉強だけで大変なところ、
それ以上に大変な、4年制大レベルの野球リーグで、
5年間闘ってきた。
その集中力と、根性は、凄まじいと思う。

しかし彼も、自分の貫き通してきた道が一旦終わり、
今、次の道が決まらずに、不安だと言う。

俺は、彼がそういうのを聞いて、ちょっと意外だった。
ここまでやり遂げてきた良太郎。
何も、恐がるものはないと思ってた。

でも、どんな道を来た人でも、
特に、自分の夢や信念を追い求めて来た人は、
その道を辿る過程に、凄まじいほどの不安や恐れとの葛藤があったんだと思う。

そして良太郎もその一人。
自分の不安や恐れを口にはしないが、
その信念の奥には、凄まじいほどの自分との葛藤があったと思う。

彼の卒業式。
最後の試合で、野球のチームメイト一人ひとりがスピーチをした時、
涙が出て泣けてきたって。
それだけ、彼は5年間、頑張ってきたってわけだ。
本当に、いい5年間を送ってきたんだと思う。

彼は、自分がこの5年間で、カンザスと野球という小さな世界しか見てきてないって言うけど、
俺は逆に、その野球とアメリカの中にドップリ浸かってきたことによって、
ただ5年間を何となく過ごしたやつや、適当に色々やってきたやつより、
相当多くのことを彼は学んできたんだと思う。

野球というチームスポーツ。
皆とのコミュニケーションと助け合い、
協力がないと、やっていけない。
その中で自分を押し通してきた彼は、
どんなやつよりも、「人と何かを成し遂げていく」ってことに長けてきたと思う。

俺が良太郎に、
「良太郎の根性と信念の強さは本当に凄い」と言うと、
良太郎は、
「お前の方が芯の部分は強いんじゃないか」って。
彼は、
「自分は組織の中で生きてきたから」って。
「組織から出てみて、初めてその人間の強さが分かる」と。

俺はこの今まで、どっちかって言うと一人で全部やろうとして生きてきたけど、
それは逆に言うと、人と分かり合えることを知らなかったから。
人に自分を心から隠さずさらけ出して、
人の助けを受け、
人と助け合って生きていく、
協力して生きていくってことを、知らなかった。
その「仕方」が分からなかった。

でも最近、やっと、人と何かを一緒に成す時、
自分ひとりで出来ることよりも、数十倍、数百倍のことが成し遂げられるってこと、
それを、やっと最近、気付き始めた。

人とうまく付き合えないから、自分ひとりで突っぱねてきたっていうのが、
俺の「一人で色々やってきた」スタンスだった。
でも、今は、「人と助け合いながら生きていく」ことの凄さに気付き、
それを覚えだしている。

だから、それを今までずっとやって来た良太郎は、
俺からみたら、本当に凄え。
そして、社会に出るってことは、人と一緒に生きていくことだから、
それを成し遂げてきた良太郎の方が、俺よりもずっと、
社会でうまくやっていけると思う。

それをさっき電話で話しているときに言いたかった。
でも、比べるわけじゃないけど、
自分よりも数倍も大きくなっちまったような気がした良太郎に、
「お前の方が芯は強いんじゃないか」って言われて、嬉しくて照れくさくてね。
そこまで言えなかったよ。

*****

人って、人のことはよく分かるのに、
自分のこととなると、全然見えなくなるんだと思う。

俺から見たら良太郎は、世界のどこへ行っても、確実に自分の信念を貫き通して生き残っていけるという絶対的な自信があって、
それは、彼の今までの生き様を見れば、一目瞭然なわけだ。
だから、彼がこれからの進路に、不安を持つ理由は、何一つないと思う。

でも、良太郎もやっぱり、不安を抱えるんだよな。
人間だから。

俺も同じで、不安だらけ。
でも、良太郎とかは、お前は絶対大丈夫って言ってくれる。

お互いに、相手のことは確実に大丈夫って言い切れるけど、
でも、自分のこととなると、やっぱり不安なんだよな。
そして、その不安を、みんな抱えつつ、
前に進んでいくんだなって。
そして、その不安を打ち消して、
お互いに励まし合って、やる気を引き出せるのが、
こうして励ましあえる仲間なんだなって。

良太郎と話せて、またやる気が出てきたよ。
俺も頑張るわ。
ありがとう。
お互い頑張ろうな。

6・06・07


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