May 14, 2007 22:17

“何たる偶然!!”

2nd






今日は普通の月曜日。
学校が夕方終わり、探検隊の2号と中華を食べに行った後、
そのまま夕日がそろそろ落ちそうな7時半ごろ、
近くのシグナル・ヒルへ車を走らせた。

夕日に間に合うか!?
車を飛ばし、ロングビーチの街を見下ろせる、
その丘の頂上についたとき、
まだ夕日は、わずかに残っていた。

夕焼け色に染まる、その空の中に、
真っ赤に浮かび上がる、その大きな赤い玉。

「おお、すげえ!!」

その綺麗さに一瞬感動し、
早く車を停めてじっくり見ようと、駐車スポットを探す。
一ッコめに停めようとしたとこは、2号が「ここ赤だよ」というので止め、
もう少し走って、やっと停められるスポットを発見。

「おし、行くか!!」

そう言って、俺が車を降りた瞬間、
反対側でも車のドアを開けた2号が、急に叫んだ。

「うわああ!!ちょっとドア閉めて!!
ひいぃぃぃ〜〜〜!!!」

そう言いながら2号は、車の中に飛び乗り、
“超!!”恐がってる。

その、まるで幽霊を見たんじゃないか?ぐらいの余りの恐がり方に、
何が起きたのかとこっちも驚き、
車の反対側に向かいながら、一瞬考えた。


・・・何があったんだろう・・・??


*****

ここでちょっと解説。
我ら探検隊の2号は、大の「鳥」苦手人間であります。
彼女と遊び始めて約3週間。
その鳥の恐がり方には、こっちも同情するぐらいですが、
とにかく、「鳥」が恐くてしょうがないようです。

この前なんか、2号が一人で近くのターゲットに買い物に行った際、
駐車場にハトがいすぎて、とても一人ではそこを通れず、
隣の町にあるターゲットまで車を走らせたそうですから・・・

(ちなみに鳥の中でも、ハトが一番恐いそうです。フシギですね)

そして彼女は、鳥が空を飛ぶたびに、
「ひっ!!」と言って、
本当に恐怖の顔をして恐がるのです。
もう、その様子は、コッケイとしか言いようがありません。

・・・おっと失礼。


また、彼女には、「トリ・レイダー」というものが付いているそうです。
彼女と一緒に歩いていると、
絶対に一般人が気付かないような遠いところにいる鳥でも、
彼女はすぐに、その“トリ・レイダー”で、感知します。

「うわあ!!」
「ひいいぃぃ〜〜・・・」

そう彼女が恐怖の声を出してから、
僕はいつも、鳥がいたことに気付くのですが、
2号にとって、鳥は恐怖以外のナニモノでもないそうです。
面白いですね、はっはっは。

・・・おっと失敬。


****

ま、それほどの、「鳥」嫌いな2号クンですが、
今日の、その車のドアを開けたときの恐がり方は、異様なほどでした。

霊感が強いとか言ってたけど、
ホントに幽霊を見たのかな?


鳥以外にも、「幽霊」、「血」がダメな彼女にとって、
「世界で一番恐ろしいもの」は何か、一度聞いた事があります。

彼女は言いました。
「血を流した、鳥の幽霊・・・」と。笑


ま、そんなカワイイ彼女ですが、
今回の恐がり方からして、本当に鳥のオバケでも見たのかと、
車の後ろを急いで回り、
いざ、そのドアの下を見ました。


・・・・すると!!






















なんとそこに“ころがって”いたのは・・・?

















「ハトの死がい」でした!


・・・ああ〜、こりゃあ恐いはすだわ。
これで血を流していたら、もう彼女は失神していたことでしょう。

もう、本当に3歳の子供の様に恐がる彼女の様子を見ながら、
これはちょっと可哀そうにと、急いでドアを閉めてあげました。

「もう大丈夫だよ」と言うと、
彼女はもう怯えきっています。

かわいそうに。相当恐かったんですね。

仕方なく反対側の運転席のドアから、這いつくばって出てきた彼女を、
そっと抱きしめてやりました。

*****

ま、そんなことをしている間に、
綺麗な夕日は、もうツメの切りくずみたいに小さくなって、
「ああ、夕日が終っちまう!」とか思ったら、
もう無くなっていました。

でも、今日は夕日どころではありませんでしたね。

その後も、余りの恐怖のために、怯えきっている2号を横に、
僕らは綺麗な町の景色を眺めました。

*****

どうやら話を聞くと、何と2号は、
車から降りようとして、足を下に下ろした瞬間、
その靴の下で、何かを感じ取ったらしいです。
“グニョ”っとね。
それで見たら、なんと例のブツがころがっていたらしいです。

いやあ〜、それにしても、
リスの死がいはもとより、ハトの死がいなんて、
今まで見たこともないんですがね。
しかも、港の波止場とかならまだしも、
この、ゴミ一つさえ落ちていないような、シグナル・ヒルという、
超高級住宅外の一隅。

しかも、なぜかオレたちが“たまたま”停めたスポットの、
しかも、2号のドアの前の、
丁度、彼女が足を下ろしたところに、その「モノ」が落ちていたという・・・・


*****


「神様は意地悪だねえ」と、
15分ぐらいしても、その余りの恐怖に喋り続ける彼女の横で、
僕は、その余りもの“偶然”に、
感慨深く思わずにはいられませんでした。

チャンチャン。

5・14・07


(写真は家の近くの2nd St.からの夕日)

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コメント一覧

3. Posted by 龍のシェフ   May 16, 2007 23:09
いい部分と悪い部分。
怯えている者を落ち着かせてやる事は、いい事だ。それでいい。
人には、その人にしか解らない、トラウマや、恐怖がある。
それを理解出来ているか?
理解しているなら、笑っては行けない事もある。
SHUNらしくない内容だ。

時には、その人しか見えない物もあり、その人しか、感じる事のできない恐怖もある。
2号と過ごす時があるなら、それを気遣ってやれるようにな。

みんなと仲良くするのはいいが、旅立つ準備も始めないとな。心の問題だ。今のSHUNは、幸せすぎるのでは?
それもいい事なんだが、”冷たい水”を忘れるな。

いつでもみんなと再会出来るさ。またしなければならないだろ?
縁を切る訳じゃない。通る道、進んで行く道が違うだけだ。心配ない。
”生きる術”を身につけろ。
龍のシェフより


2. Posted by 8号   May 16, 2007 17:30
なんか、「1号が全部仕組んでる」なんて2号は疑ってるみたいだけど、騙されんなよ。
2号クン、大丈夫。
1号はいいやつだから、2号のことちゃんと守ってくれるよ。安心しなさい☆
1. Posted by 33   May 15, 2007 14:56
すごい偶然だね。2号ちゃん、相当かわいそう。。同情するよ。彼女の身に、最近危険が降りかかってばっかりじゃない??ピアとか。もしかして、1号が仕組んでるじゃないかって、2号ちゃんは疑ってるよ。まぁ、手が掛かるけど、かわいそうな子だから、ちゃんと面倒みてやってください。

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