April 19, 2007 23:28

「Daveとの再会」

dave
4月19日。
今日、嬉しい事があった。

2年前に俺がアメリカ一周をしていた際に会った、
NYのブロードウェイの役者さん、
Daveとまた再会できたのだ。

彼と会うことは、俺がまたNYに行くまで、
絶対にないと思っていた。
でも、彼が何週間か前に、メールをくれた。

「カリフォルニアに行くから、
ぜひ会おう」と。

今年に入ってから送った手紙にすぐに返信してくれ、
そこに、「また必ず会おう」と書いてくれていた。
そしたら、本当に約束を守って、連絡して来てくれた。
そして、今日、本当に会う事ができた。

嬉しかった。
当たり前に見えるけど、
俺にとっては、奇跡に近いようなことだ。


Daveとは面白いいきさつで会った。
その話は、ここを読んでほしい。


とにかく、今回2年ぶりに会って、
感動の再会。
彼は10年ほど前まで、ここカリフォルニアに12年間住んでいたので、
友達が沢山いる。
今日も、その人たちに沢山会わせてもらった。
サンタモニカに住む人。
LAダウンタウンの近くに住む人。

面白いのは、皆がみんな、
アクターなり、建築家なり、
作家なり、脚本家なり、
何かしらの「アート」の道を進んでいる人たちだったってこと。

今日、LAにあるオフィスも訪ねた、
建築家の夫婦二人は、
今、”MySpace” 創立者の家族のために、
LAにリフォームする新たな住居の設計をしているところだった。
予算は3百万ドルどか。

そして興味深かったのは、
普通の会社員の人は、一人もいなかった。
そしてその子供たちも、
やはり同じように、役者になるためや、
アーティストになるためと、
それぞれの道を進んでいた。

なぜ、こうも普通の家庭と違うように育っているのか不思議に思い、
彼らの言動や行動、考え方を観察していた。
すると、あることに気付いた。

彼らは、まず、「自分が大好きなこと」を、自分の人生の生き方にし、
それを楽しんでやってる。
だから、彼らの人生そのものが、つまり全ての瞬間が、
「楽しい事」のような雰囲気で過ごしていた。

今日会った、作家だっていう人。
もう60歳は越えてるはずなのに、
話す話す。みんな家にいるのに、
一人だけ立ち上がって、大きなジェスチャーをつけながら、
とにかく情熱的に話す。
しかも、感情を込めて話すから、
話がめっちゃ面白い。
みんな寒がってんのに、
一人だけ、
「ちょっと暑いからドアを開けていい?」なんて聞いて、
上着を脱ぎながら話続けてた。
おもしろいオッちゃんだった。

「今の俺の人生は最高だ!」
「I write, and I hike. This is great!!」
(書いて、山登りに行く。これができる人生は最高だ!)
「コンピュータが出来て、どんなに私の人生が変わったか・・・ 
今はこんなに早く物事が書ける。タイプライターの時代とは大違いだ。
マックは俺の人生の大半を変えた!」などと、
ずっと情熱的に語っていた。


こんなオッちゃんしかり、
デイヴしかり、
とにかく、楽しそうに生きてるし、
しかも、人のことを、よく褒める。

例えば、ある女の子がいい性格の子だった場合、
「She is nice」
と言って、簡単に済ませることも出来るのだが、
そして普通の人は、これくらいしか言わないのだが、
彼らは、特にデイヴは、
「She is GREAT!!! She is such a great person」
と、大げさすぎるくらいの言葉を使って、しかも何回も強調する。
そして、肝心なのは、彼らが“ただ”言ってんじゃなくて、
心から気持ちを込めて言ってる事。
そう、言葉に力がある。
上に書いたオッちゃんも、何か彼が感じた事があると、
必ず3回、同じ言葉を繰り返して言っていた。
「That’s great. That is so great. That is great」
みたいな感じで。

そして、子供たちが、なぜこういう家庭で育つと、
同じように、アートの道を進んだり、自分の本当にやりたい夢に向かって進んでいるのか。
それは、彼らの両親の発する言葉に理由がある。

例えば、デイヴの息子、サムは、
NY・ブルックリンのアートスクールに通うアーティスト希望の学生だが、
彼のポートフォリオの作品は、彼のホームページにのっけてある。

Samのホームページ:SAMWOHL.COM

これを、デイヴがその作家のおっちゃんに見せて、
「これが息子サムの作品の数々だ」と。
すると、このおっちゃんも、
「彼は絶対に、コミックブックの作家になった方がいい。
彼の文才と、絵のセンスを生かして、
いますぐその道に進むんだ。
そうすれば、必ず大物になれる」と、真剣な顔をして何回も言っていた。

そしてデイブ本人も、
「そうなんだ、彼は素晴らしいアーティストなんだ」と、
サムの事を心から褒めている。

この二人の姿を見て、
こうやって自分の子供の才能を、
親バカと言えるほど、心から褒める両親が、
どれだけいるだろうか。
子供がまだ小さい内は、「うちの子は天童かも」なんて言う家も多いだろう。
でも、子供が大きくなるに連れて、
そうやって言うことは少なくなり、
逆に、子供が実際にアーティストになりたいなんて言い出したら、
「あんたになれっこないでしょう」とか、
「そんなので食べていけるわけないでしょう」とか、
「そんなこと言ってないで、勉強しなさい。
 いい会社に入りなさい」

そう言う家族が多いんじゃないだろうか。
特に、日本は。

さっき家に帰って来たとき、ルームメイトのルシアーノとも話したが、
アーティストになるっていうのは、すごくリスキーな道なわけだ。
売れるかどうか分からないし、自分の才能が、
社会に認められるかどうかも分からない。
昔のアーティストのように、自分が死んでからやっと、
世間に名が出回るようになるかも知れないし。
自分が生きている間は、一生コジキのような生活を送らなきゃいけないかもしれない。

そう、「アーティストになる」ってのは、
自分との闘いなのである。
自分を心から信じ込まなきゃいけない。
誰にも褒めてもらえなくても、
自分で、自分の才能を信じ込んで、とにかく挑戦し続けなきゃいけない。
自分の才能を疑ったら、そこで終わりとなってしまう。

そんな、厳しい道を進む事が、アーティストになるってことだが、
その道を行くには、やはり、誰か他の人のサポートがあるのと無いのとでは、
大きな差がある。
そして、自分の両親が、それを心から応援していてくれたら、
どんなに心強いだろうか。

きっとデイブも、この作家のおっちゃんも、
建築士の夫婦も、
みんな、自分の進みたい道、“夢”をあきらめずに追い求めて生きてきたから、
その大切さを心から分かっているんだと思う。
そして、それがその人たちの生き様となり、「人生」となっているから、
自分の子供の夢を応援するのは、当たり前のことなんだろう。


彼らを見ていて思った。
一人の人間が、将来アーティストになれるかどうかは、
その子の才能もモノを言うけど、
それ以上に、環境自体も、大きな要因となるんじゃないだろうか、と。

例えば、ここに二人の男の子がいて、
一人は、デイブの息子のサム。
もう一人は、サムよりも、更にアートの才能がある子。
しかし、彼のお父さんは、息子の進路に、不満を持っている。

同じところからスタートした場合、
毎日父親に褒められ、励まされて、自分の作品を仕上げていくサムと、
父親に、「お前には無理だ。勉強しなさい」と言われて育つこの子では、
いずれ将来の姿を見たとき、
アーティストになっているのは、サムでこそあれ、
この男の子ではないんじゃないだろうか、と。

つまり、自分の夢をあきらめずに、
最後までやり続けた者のみが、
最終的には、その人の夢を成し遂げるんじゃないか、と。


自分の実力だけが勝負で、何の保障もなく、
食っていけないかもしれないという、自分の力一本の道を選ぶ。
その道を進むには、自らの将来と、自分の才能を、
心から信じきって毎日やっていくしかない。
この道を行くには、少しくらい、“非”現実的な方が、
その子の才能は伸び続け、いずれ、
その子の本当に望んだ道に行けるのかもしれない。

*****

話は長くなってしまったが、
そんな訳で、今回またデイブと会えて、
そして、彼の多くの素晴らしい友人の方々にも会わせてもらえて、
本当によかった。
今まで触れる機会がなかった、「アメリカのアーティストたち」と
会って、話す機会が取れて、
彼らの生活を垣間見れたのは、本当に大きかった。


*****


人間は、自分を取り巻く人間の生活習慣を、
「当たり前」と思う。

自分の夢を追いかけて、その道で成功した友達ばかりがいたら、
そうやって生きていくのが、「当たり前」と思うだろう。

夢なんてくだらないと決め付けて、
「現実的になりなさいよ」と、嫌いな仕事をやる人たちばかりが周りにいたら、
そうやって生きるのが、「当たり前」となるだろう。

人の事を心から褒め、
人を本当に大切にする人たちに囲まれて生きていたら、
そうやって人に接するのが、「当たり前」となるだろう。

他人の悪口やウワサばかりして、
文句ばっかり言っている友達ばかりがいたら、
そうやって生きるのが、「当たり前」となるだろう。


自分の生き方を決めるのは、自分である。
そして、その生き方を貫き通したいなら、
自分を取り囲む人たちも、選ばなければいけない。

自分が、一番望む生き方を、同じようにする人たちと、
一緒に生きていくことだ。


4・19・07

**写真
左から、建築家のオジさん、
上着を脱ぎながら情熱的に喋る作家のおっちゃん、
そしてデイブと俺。



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