March 04, 2007 21:24

“I love Museum”


美術館に行くと、まるで、
2500年前から現代まで、
その期間を一日でタイムスリップして来たような感覚に陥る。
こんなにゼイタクなものはない。

自らの想像力を使い、
目の前の、
一枚の絵だけで、
一体の彫刻だけで、
1ピースの装飾品だけで、
その作品が作られた当時に、タイムスリップできるのだから。

“生きた歴史”が、
目の前にある。

こんなに贅沢な時間は、
そうそうない。


*****

Surfers in the Sunrise
surfer in the sunrise






Dolphines
dolphin






Huntington Beach Pier
HB






3月3日。
朝早く起きて、朝焼けの海を見に行った後、
LAにあるGetty Museumに足を運んだ。
ゲティ・ミュージアムに行くのは、これで確か3回目だ。
前回に行ったのは、去年の9月だったが、
毎回行くたびに、「何ていい所なんだろう」としみじみと思う。
その美術館としての作りも素晴らしいが、
揃っている作品の数々も素晴らしい。
2500年ほど前の彫刻や装飾品から、
現代の絵画、美術まで、
至るジャンルと年代の作品が並ぶ。
美術館自体は、全部でメイン5つのビルディングにより、
構成される。

北、西、東、南幹にそれぞれの年代に分けられて作品が飾られ、
最後の一つ、Exhibitions Pavilionには、
その時期限定の、Exhibitionが展示される。
今回は、「Icons from Sinai」という題名で、
EgyptのSinaiという場所から、
はるばると旅をして来た、
その土地の教会からの神聖な展示物が、
丁寧に飾られていた。

この展示会、
去年の11月14日から、
今年の3月4日、つまり今日までだったので、
美術館を訪れた昨日は、
展示終了一日前ということもあり、
美術館は人で一杯だった。

展示美術を見るには、
3時間待ちのチケットを手に入れないと見れなかったが、
それでも行った価値はあった。
2000年以上前に作られた作品が、
目の前で見られる。
その時間の流れを、目の前で感じられる。
素晴らしいことだった。

*****

その他にも、常時の展示されている作品で、
素晴らしいものがある。
例えば、Vincent Van Goghの、
「Irises」(1889)
Irises







ヴァン・ゴッホ独特の油絵のタッチは、
目の前でそれを目にしないと、そのオイルの厚みと、
色の鮮やかさ、
そして、その生の絵が放つ、その活き活きとした躍動感は、
絶対に分からない。
いくら綺麗に撮られた写真を見ても、
その写真は、本物を見た後では、
ただの、薄っぺらい、「フェイク」でしかないことが、
明らかだ。

*****

他にも、Milletの、
「The Man with The Hoe」とか、
素晴らしい作品は沢山ある。

millet







ぜひ、機会のある人には、
訪れてもらいたい。
西洋美術が好きな人であれば、
満足すること、受け合いだ。

Sunset from Getty
sunset






*****

今回は、昼の12時ごろから入り、
夜の9時、閉まる直前までいた。
こんなに長居したのは初めてだったが、
今回は、とにかくじっくりと時間を過ごしたかったので、
ここまで居てしまった。
流石に、これだけいると、集中力は切れてくるが、
それでも、これだけいても、
全ての作品を、じっくりと味わうことはできない。
それだけ多くの作品が、展示されているってことだ。

*****

美術館の楽しみは、
一つ一つの作品の前に立って、じっくりと、
その作品の作られた当時の様子、
その作品を作った人が、どういう人だったのか、
その人は何を思って、それを作ったのか。
その作品の作られた当時は、どういう時代だったのか。
人々は何を思って生きていたのか。
その作品が、技術的に素晴らしければ、
それをどう作ったのか。
絵画なら、どう描いたのか。どう塗ったのか。
彫刻なら、どう彫ったのか。
装飾品なら、どうやって作ったのか。どれだけの時間が、
この一つの作品に費やされたのか。
そんなことを、とにかく色々想像していく。

そんなことをしていると、一作品の前で、
5分も10分もいてしまう。
そんな事をしているから、一日で、その美術館全体を見終わるなんてことは、
到底ない。
特に美術館が大きければ大きいほど、やばい。
パリのルーブル美術館は、あれは、
2日かけても、絶対終らない。
それほど、デカすぎる。

*****

そんな風にして、一つ一つの作品と、対話していく。
そうやって過ごす時は、格別だ。
それが、俺が美術館めぐりが好きな所以。

*****

特に、夜のGetty Museumは格別だ。
金曜、土曜の夜は、9時まで開いている。
人も少なくなってくるし、
あなたのお気に入りの作品の前で、好きなだけ足を止められること、
間違いなしだ。

そして、外には、LAの綺麗な夜景が広がる。
人類が、たったの50〜100年足らずで作り上げた、この景色。
その凄さに、あなたは息を呑むだろう。


*****


LA, Getty Museum.
興味のある方は、
ぜひ、足を運んで見ては如何だろうか。


3・04・07




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コメント一覧

2. Posted by SHUN   March 06, 2007 13:32
あにき、
俺も彼の写真を見てびっくりしたよ。
丁度今年の頭、成田から帰って来るときに、飛行機の中の雑誌の特集で取り上げられていた。
彼の作品は、すごく神秘的で、まるで「写真」ではないみたいだね。
教えてくれてありがとう。
1. Posted by あにき   March 05, 2007 22:13
去年の夏辺りからグレゴリー・コルベールという写真家にハマってるよ。
彼の写真には他の写真家では表現できない『何か』がある。
また、展示会場の崇高かつ神聖な雰囲気が彼の作品とあっている。
特にヴェネツィアの展示会場は想像を絶する美しさだ。
僕らはもしかしたら稀代の天才に会っているのかもしれない。
http://www.ashesandsnow.org/jp/index.php?page=/vision/biography.php

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