January 15, 2007 08:47

一夜限りの幻のレストラン ”龍宮”

シェフ&パティシエ

2007年1月14日。
この日は、一生忘れられない日となった。
”龍宮”。この日限りの、幻のレストランを、
今滞在している大阪の、龍のシェフの家でオープンした。


*******

1月7日、8日を岩手で過ごし、おばあちゃんのお見舞いに行った後、
8日の夜に東京に戻り、そのまま深夜バスで大阪に向かった。
9日の朝から、ずっと大阪にステイしている。

毎日余りにも濃くて、しかも色々な事が起こって、
書きたい内容ばかりだが、何しろ中々書く時間が取れない!!
だって、毎日やること、話すこと、行く所がありすぎて、
パソコンを触る時間が全く取れないから。
後で思い返して書く事もできるけど、今日の熱い思いは、
忘れないうちに残しておきたいので、
ここに書く事にした。

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1月14日。午後5時。
この時間に、今夜限りの幻のレストラン、”龍宮”はOPENした。
なぜ、幻か?
それは、このレストランが開かれるのは、「今日だけ」だから。
今まで、数回、龍のシェフの家で、親しい人達を集めて、
晩餐会なりを開いていた。
しかし、それらの時は、龍のシェフである伊吹さん一人が料理を作り、
後は他の人が、ゲストとして迎えられ、その料理を心行くまで楽しむだけだった。

しかし今回は、いつもはゲストとして迎えられるメンバーの内何人かが、
スタッフとして、働く事となった。
それは、今までとは風潮を変えて、
龍のシェフ一人では出来なかったサービスをするため。
そのために、ジェネラルマネージャー、ウェイトレス2人、
そしてパティシエの、4人が選ばれた。
そう、今日のメンバーは、龍のシェフを入れての5人。
この5人で、数週間前から企画が始まり、
前日に仕込みや準備を始め、
今日の午後5時、”幻の店”はオープンした。

5人のスタッフ

5人のスタッフ





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ま、今回、なぜこれを開く事になったかというと、
いつも俺が、俺の兄貴である伊吹さんを大阪に訪ねに来る際に、
彼が、彼の友達や親しい人達を招いて、食事会を開いてくれていたのだが、
今回も同じ事を企画しようとした時、
いつもと同じで行くのはやめて、今回の企画でやった方が、
もっと面白くなるし、さらに俺達の未来のシュミレーションのためにもなると考えたからだ。

実際に、近い将来に確実に開く予定の、レストランのシュミレーションをする。
どういったレストランを作るのか。
どんな空間を作るのか。
来てくれるお客さんに、どの様な食べ物を出し、
どんな雰囲気の中で、どの様に楽しんでもらえるのか。
それを、今日は間近で感じる事ができた。

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書くと長くなってしまうので、簡単にまとめるが、
今日やって思ったのは、「やって本当によかった」ということ。
来てくれた人一人一人が、本当に心から楽しんでくれ、
みんな、終電が終わるまで、(というか乗り遅れた人も多数続出 笑)
時間ギリギリまで、その”場”を楽しんでくれた。

自分が、”サービス”を提供する。
しかし、お客さんから返ってくるものの方が、確実に大きい。
その空間にいる誰もが、その場を楽しみ、
全ての人が、満足の笑顔で帰って行く。
これほど、素晴らしい時間の過ごし方はないと思う。

人との縁ができ、その時間が、
”その時”だけの価値を持って、
過ぎ去ってゆく。

11時完全クローズのはずが、11時45分頃まで人が居座り、
深夜12時。
全ての人が帰ってしまったとき、
そのレストランの、楽しかった面影は、跡形も無く消え去った。
さっきまで目の前で繰り広げられていた、あの温かい、楽しい光景が、
まるで夢だったかのように感じられた。

それはまさに、幻となった。

********

今日来てくれたお客さんの中で、嬉しかったエピソードを一つ。
最初に来てくれたお客さんで、とも子さんとそら君の親子。
その2人は、5時に来てくれて、8時くらいまでいてくれた。
他のお客さんがみんな大人の中、
そらくんは、みんなと遊べて楽しそうだった。
最後、彼らが帰るとき、自分が外まで送って行った。
駅の方向が分かる場所まで一緒に歩いて行って、最後、さよならを言うとき。
今まで元気だったそら君が、なぜか俺の目を見てくれない。
あれ、おかしいな?と思い、「どうした?」と聞くと、
お母さんが、「この子寂しくなるからすねてるのよ」と。
「そら、今日は楽しかったか?」と聞くと、「うん」と。
そこでお母さんが、「ほら、お兄ちゃんにありがとうは?」と聞くと、
そら、俺の方を見てくれて、「ありがとう」と笑って言ってくれた。
まだ3歳のそら。名前の漢字が「壮良(そら)」と書くように、
人見知りせず、誰からも好かれる、本当に可愛らしい男の子だった。
将来必ずでかくなるな、そんな事を思わせる彼とそのお母さんに手を降り、
姿が見えなくなるまで見送った後、帰って来て、他のお客さんのお相手が始まった。

WITH SORA

そら君と






最後、伊吹さんが言う。
「そら、本当に楽しかったみたいだな」
聞くと、彼のケータイに、お母さんのとも子さんからメールが来ていた。
そのメールには、こうあった。
「しゅんすけさんと別れた後、そらは泣いていました。
 相当楽しかったようです。
 今日は本当にありがとうございました」と。

そのメールを見せてもらったとき、本当に嬉しかった。
来てくれていた大人の皆さんはもちろんのこと、
3歳の男の子までもが、完全に楽しんでくれたこと。
その男の子の涙が、俺に取っては、何よりもの「ありがとう」の言葉だった。

また、必ず今日来てくれた皆さんと会える日を楽しみにして。

1/15/07

〜おまけ〜写真集:
直道


パティシエ直道










オペラ


直道の作ったオペラ。
昨日の夜から仕込みをして、
今日の朝も早く起きて、
焼き上げた生地で、”オペラ”を作って来てくれた



刺身


馬場先生たちのオーダー、
刺身の盛り合わせ




寿司


伊吹シェフ、寿司を握る。
終電ギリギリ前で、焦って食べる皆さん




伊吹 寿司

伊吹さん
「みんな、電車乗り遅れるで!」
皆さん
「分かってます!でも食べたいんです!!」




馬場先生と伊吹さん

元テニスコーチ仲間
親友同士の馬場先生と伊吹さん









4ガイズ


楽しそうな笑顔





足立先生1足立先生2







足立先生3


最後まで写真を撮り続けた足立先生。
みんなにかなりツっこまれてました。笑





最後、4人で打ち上げ。
直道は終電があるため、帰らなければなりませんでした。
皆さん、お疲れさまです。

打ち上げ

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コメント一覧

2. Posted by 考える足   January 15, 2007 22:28
はじめまして!早速昨日のお礼を言わせてもらいに来ました!昨日は本当に素晴らしい時間をありがとうございました。
おかげさまで私は終電に間に合いましたので、ご安心を♪

そして記事ではこんなに登場させていただいてありがとうございます。
大阪滞在はもう残り少ないんですね。でも昨日でお知り合いになれたし、このブログでもまた言葉を交わせるようになったので、正直ホッとしました(もちろん喜びもです)。今までは私の中で俊輔さんは、話を聞くだけ、ブログを見るだけの存在でしたから。

ということで、これからもよろしくお願いします。
そして、昨日の疲れをしっかり癒して、良い旅を!
1. Posted by 青瑛   January 15, 2007 10:04
俊輔さん

昨晩は挨拶もそこそこに“逃げるように”去ってしまい、面目ない。あんなに必死で(足は動いてない)走った割りには、私の終電には間に合わず、2駅手前からタクシーでした(^o^;)

おいしいお料理と心のこもったサービスと、本当に嬉しかったです。どうもありがとう。俊輔さんのGMぶりは、身のこなしも含めて、将来の姿を彷彿とさせるものでしたよ。夢にまた一歩近づいたね!

後残りの大阪滞在、そしてインド旅行、楽しんでくださいね〜♪ 今回はまたお会いできて、よかったです! どうもありがとう。

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