January 02, 2007 13:01

「土・水に還る」

1月2日。
朝の9:45AMからやっていたTV番組。
“地球新世紀〜月尾嘉男の文明大冒険〜「水と土の循環」”

この番組。見ようと思ったきっかけは、マヤ文明についてやると書いてあったから。丁度この冬休み、2週間くらい使って、中米か南米に旅に出かけようと思っていたので、マヤ文明と聞いて、「これは見なきゃ!」とテレビをつけた。

しかしこの番組。ただの文明詮索の内容ではなかった。

グアテマラのTikal(ティカール)で昔繁栄した、マヤ文明。
その文明が、何故、滅びたかから始まり、
次は、日本の伝統。
そして、最後はケルト文明にまで話が及んだ。

******

15世紀以上も栄えたマヤ文明が、たった一世紀の間に滅びてしまった理由は、当時の王様が、水の循環を支配しようとしたせいであった。
その王としての力を見せびらかせようと、巨大なピラミッドを作り、
その建物の原材料に使われる、漆喰(しっくい)。
その漆喰を作るためには、膨大な量の木々が使用される。
そのため、当時、土地拡大のために、ただでさえ少なくなって来ていたジャングルを、更に伐採し始めた。
それが故、水の循環という自然のサイクルは崩れ始め、
また、“白”というピラミッドの色は、太陽の光を吸収し、
土地の温度は下がり、雲が出来にくくなり、
それもまた、水の循環率を低めた。

その結果、地上には何と、
200年以上もの間、降雨量が極端に減るという現象が起こった。

それまで自然が作り上げてきた、広大なジャングル。
それを、人間が、権力保持のため、
木々を切り倒し、コンクリートの建造物を建て、その結果、
自然のサイクルを壊し、最後には、その土地の人々も滅びた。

同じ様な現象が、今、世界の違う場所でも起こっている。
それは、日本。
東京を始めとした、巨大都市に見られる、異様に高い高層ビルの数々。
また、アメリカ。
コロラド州に広がる、巨大トウモロコシ畑で、その土地で育てる農作物に水を撒くために、地下水が、汲み上げられる。
しかし、その地下水は、隣に位置するロッキー山脈に昔から降り続いて、それが溜まった、地下からの水を使っているに他ならない。
その、オガララ滞水層と呼ばれる水郡も、わずか100年ほど前に発見されたばかり。
しかし、その水を今の農夫が使う量は、ハンパではない。
その結果、地下水は一気に減少し、
その被害が、遠く離れたテキサスの土地に出ている。
地下水を汲み上げても、空気が混じった水しか出ないという。
そう、確実に、アメリカ中西部の土地のサイクルは崩れ始めている。

番組の中で、学者が言っていた。
「農夫は、自分たちの代のことしか考えていない」と。
しかし、その農夫たちが作っている作物はどこへ行っているのか。
そう、それは、90%の食料を輸入に頼り、更にはその内の40%がオガララ滞水層から来ている作物という、日本である。
つまり、私たちが、その食料を消費するが故、その水を使っていると言っても、過言ではない。

その後番組は、では実際に、自然の循環システムを守ったまま行う農作方法は?ということで、日本のある農家を取材する。
その農家では、全てが、自家作成。
その土地の土で生まれたものを使い、そこから生まれたもの全てを無駄にせず使い、そこで残ったものは、その土に還す。
そう、全てがそこから生まれ、そこへ還る。
その農家の夫婦の、奥さんが言っていた。
「私たちが野菜を“作れる”のではない。
この土地の“土”が作り、その力を私たちは借りているだけ。
全ては土から始まる。
そのことを忘れるな。」と。

番組はその後、ヨーロッパに足を運び、
その昔ローマ軍に追われ、最後はアイルランドで残った、ケルト文明を辿る。
その人々が、生き残っていくために、取った手段。
それは、「共存」という方法。
当時入ってきたキリスト教を受け入れ、
“循環”という思想を自分たちの中に取り入れる。

そして番組の最後に紹介された、左官技能士の方の仕事。
岐阜・飛騨高山に存在する、「車田」という神聖なる田んぼから話は始まり、
(その田んぼは、円形になっている)
そこからアイディアを得る彼が、東京のコンクリートの建物の中に、
「土」の壁を作り上げる。

彼が言っていた言葉。
「全ては、土から始まる。
私たちの体も、乾いたら、土になる。
私の作品も、作っては戻り、作っては戻る。
全ては、土から始まり、土で終る。」

********

大分端的にこの番組の内容を要約させてもらったが、
この2時間の内容が言わんとしていたことは、
土と水の循環の大切さ。そして、自然と人間が、共存していくことの、大切さ。
人間だけが、特別ではない。
自然を、あるがままの姿で残す。
その昔、人の手で真っ直ぐに変えられた北海道の水路は、
その結果、干ばつ、ひび割れが始まっているという。
今はまた、それを人の手で、元の曲がりくねった形に残そうという話も出ているという。
人が、自分たちの都合の良い様に、自然の姿を変え、
その結果、自然のサイクルが崩れ、やがてその土地の人も滅びる。

この、消費社会である日本。そしてアメリカ。
この二つの国に暮らし、日々感じる事は大きい。
“自分だけ”
“自分の会社だけ”
“自分の国だけ”
“自分たちの時代だけ”
を考えているだけでは、
必ずいずれ、ひびが生じ、破滅に走る。

これからの時代は、地球、そして自然のことを考え、
土・水の循環を頭に入れた、
“全てに取って良くなる”仕事が大事になってくるのではないか。

*******

正月ということもあり、モノが飛び、金が飛び、
テレビは、まるで世界中がめでたいかの様な番組を流し続ける。
しかし、それはあくまでも、“正月気分”というぬるま湯に慣れきり、
その居心地の良さに自らをマヒさせた、一部の人々の妄想でしかないと言うこと。

また、世界的に利益を上げ、自分の社員たちだけが儲かる会社も続出する。
その人々が作る製品は、世界の一部の人々の生活を潤しはするものの、
世界全体のこと、また、後世の人々のことを考えたとき、
果たして、プラスとなっているのであろうか。
それとも、地球のバランスを崩す、マイナスの力となっているのであろうか。

そこで生まれた利益で、自分たちだけがいい思いをするのでは、
決して、心から、いい思いはしない。

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今の時代を生きる自分にとって、
そして、これから自分の人生を使って、何を成し遂げていくかを決める時期に置いて、
その根底の部分を考えさせられる機会を与えてくれた、番組となった。


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コメント一覧

3. Posted by みつなみのり   January 04, 2007 06:12
「あなたは、顔に汗を流して糧を得、
 ついに、あなたは土に帰る。
 あなたはそこから取られたのだから。
 あなたはちりだから、
 ちりに帰らなければならない。」

           創世記 3章19節

って、聖書の始めにも書いてありますね。

ちなみに、聖書に書いてある一番大きな罪はなんだと思いますか?  殺人?裏切り?

答えは下のほうに、、、




















答えは 「自己中心」です。
2. Posted by Shun   January 03, 2007 18:27
青瑛さん、

こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね。土の中には水が含まれ、それがまた上に出てきて、空に雲として上がり、雨として振って、そしてまた土に帰るんですね。番組でもそれを説明していて、感心しました。

地球は丸い!その通りですね。
自然のリズムを守ることの大切さ。そして、その自然のリズムに沿った生活をすることの大事さも、改めて身に染みました。大阪に行った際にお会いできることを楽しみにしています。

俊輔
1. Posted by 青瑛   January 02, 2007 16:10
水は万物の始まり、そして土は万物の終わり。
それですべて終わりなのか? と思いきや、土の中には水が含まれており、また最初に戻って、ぐるぐるぐるぐる、廻るのですね。というのが東洋の思想。

遠いグアテマラで起っていることは、実は自分の足元で今起きていることなのでしょう。地球は丸い!

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