January 01, 2007 13:17

「原点に帰る」


元日。
朝起きて、家族と朝食を取り、
去年お世話になった方々へ、メールを打っていた。
1時間ほどして、頭も痛くなってきたので、
気分転換にと、新鮮な空気を吸いに外へ出た。

少し歩き出して、ふと、自分が通っていた小学校へ足を運んでみようと思った。
自分が通っていた小学校は、家から歩いて30秒の距離にある。
幼稚園は反対の距離に歩いて30秒。
中学校は、少し遠くはなったが、やはり歩いて5分以内だった。
高校は一気に遠くなり、自転車、電車、徒歩も含め片道1時間半。
そして大学は、飛行機で12時間の距離となった。

そんな小学校へ、足を向けた。

門の前に行き、立ち止まる。
こんなに近かったのに、長い間、ここへは戻ってきていなかったことに気づいた。
門を開け、中へ入る。
一歩踏み入れると、当時の記憶がよみがえってくる。
小学校一年生の入りたての頃。
鉄棒。花壇。ニワトリの小屋。
その頃は、全てが大きく、遠く、果てしなく広い校庭だと思っていたのに、
今見ると、かなり小さい。
あれ?と思い、しゃがんでみた。
そうそう、この光景だ。
自分の背が高くなったせいで、同じ景色でも、全く違って見える。
一歩ずつ歩くたびに、当時の記憶が、どんどんとよみがえってくる。
考えてみた。当たり前か。
6年間も、この空間で過ごしたんだからな。
しばらく歩き、校庭の奥に近づく。
その間にも、目にする全てのものが、自分に当時の記憶を思い出させる。
「懐かしいなあ・・・ 懐かしいなあ・・・」
その言葉だけが、口から思わず漏れる。
あの頃、高くて届かないと思っていた登り棒も、
今となっては、凄く低く見えた。
当時の身長に戻ってみる。
あの頃は、自分の周りのもの、全てが大きく見えたこと。
そして、自分の世界も、ものすごく小さかったこと。
朝起きて、学校へ行って、帰ってきて、友達と遊びに行って・・・
夜は習い事。水泳に行ったり、サッカーに行ったり、書道にいったりと・・・
ドラゴンボールを楽しみにして・・・
あの頃は、将来のことなど、不安に思わず、
毎日、その日、その瞬間を、生きていた気がする。

更に奥へ行き、そこにあった、石の山に登った。
そこから、周りの情景を見渡す。
何と、そこから、自分が通った中学校も、更にその奥にある高層団地も、
当時は果てしなく遠くにあると思っていた建物が、
全て近くにあったことに気づいた。
あれ・・全てがこんなに近かったなんて・・・
その空間の中で、自分が、高校に行くまでの大半を過ごし、
しかも、高校に行って、たった3年で、次は違う国。
そしてそこであっという間に4年が過ぎて、今に至るのか・・
小学校の6年間なんてあっという間だったし、中学校の3年間もあっという間だった。
そして高校。
そのたった12年間で、あの小さな子供が、ここまで変わったのか。
その期間の短さと同時に、その短い間でここまで人間は成長するもんかと、
何か、変な感覚を覚えた。

その山から周りを見渡している間、自分は、
完全に、当時の自分に戻っていた。
小学校の頃の自分に。

山を降りて、気づいた。
今、自分が日々生きている中で、
常に、「今」現在、自分を取り囲む、人、環境、考え、常識、
そういったものに、頭を支配されて、生きていること。
今の自分の総体性というのは、
自分がこれまでの人生で過ごしてきた時間の中で、
受けてきた刺激、会ってきた人、
聞いてきた考え、見てきたもの。
それらが、一つの「固定観念」となり、
それが「自分」となって、毎日を生きているのかもしれない。

しかし、こうして自分の小さい頃に戻り、
自分の原点を確かめること。
当時の情景を思い出し、
当時、感じていたことを思い出す。
そうやってしていくと、
自分の中に大切に隠してきた、やわな部分。
何か、やわらかい部分。それが、出てきたようで、
何だか、自分に、心から素直になれた。

毎日、自分は、自分に言い聞かす。
強くならなきゃいけないと。
新しい環境に入り、新しいことを覚え、
新しい人に会う。
その時その時で、新たな風に、吹かれる。
そんな環境の中、自分を持ったまま、強く進んでいくには、
己の心を、強くするしかない。
時にはひどいことを言われたり、批判されたり、
バカにされたり、否定されたり。
自分のことを誤解されることもしばしばかも知れない。
だが、その中でも、
それを気にせず、前に向かう強さ。
その、心の強さ。それが、常に前へ進み続けるには、
必要とされる。

そうやって毎日、自分を鼓舞していくわけだが、
やはり、自分の原点である、「核」の部分には、
昔、明日のことを一切心配せず、
その「瞬間」だけを見て、その瞬間を思いっきり楽しんで遊んでいた、
純粋な気持ちの、素直な自分がいるのだ。

そんな自分に、自ら、素直になって、
久しぶりに会った。
そんな気がした。

*******

「原点に戻ること。」
これは、凄く大事なことなのかもしれない。
これから、更に大きな世界、見知らぬ世界へ行く岐路において、
もう一度、自分が生まれ育ってきた環境を見つめ、
その「自分」という人間の、成長過程を見つめること。
そして、自分が一番分かっていないであろう人間、
「自分」という人間のことを、
もう一度見つめなおすこと。

その必要性を感じた。

1・1・2007


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