December 31, 2006 21:54

「家族」


これほど大事なものはないと思う。
家族。
この存在を、当たり前と思っている人も多いのではないだろうか。
自分は、4年半前に日本を出て、アメリカへ渡った。
初めて家族と離れ、その存在の大きさを知ることになったのも、
これがきっかけとなった。

大晦日である今日。
朝起きて、家族4人で、朝食へ出かけた。
いつもは外食なんて殆どしない家だが、
今日は親父のおごりで、近くのレストランへ。
そこで、お茶を飲みながら、話が始まる。
最初はたわいもない話題から始まり、
「字」を書くことの大切さ、会社で働くということ、
それぞれ個人が持つ価値観の違いをどう受け止めていくか、
などなど、様々な分野に渡り、話が弾んだ。
まあ、自分と母親、そして姉貴の3人が話しているだけであり、
親父はたまに口を挟むくらいだが。

そうやって4人で話をしている中で、
普段自分がいるアメリカでの生活では得られない状況にいることを実感する。
こうして、歳がそれぞれ違う4人が、
お互いの意見を口にし、
それぞれが持つ違う視点から、
一つの話題について、話し合うこと。
これが拡大家族であれば、更に、おじいちゃんおばあちゃんの意見と視野も加わるだろう。
昔はこうして、「家族」というものの時間を大事にしていたであろうこと。
そして、こういった時間の中で、
自分の中での考えが発達していき、
間違ったところは直され、
よりよい考えを持つ人間へと成長していくこと。

そして何より大きいのは、
こうして、自分の「ルーツ」を確かめることだ。
自分の性格、そして考えは、どこから来たのか。
「日本人」である以上、その日本での文化の中の考えが根底にあることは確かだが、
それ以上に、自分が生まれ、育った環境。
その、「家族」という人々が、一体自分にどういう影響を与えてきたのか。
自分の芯の強さは、母親から来た。
自分の優しさは、父親から来た。
人に気を遣うところは、姉貴から来た。など・・・

こういったことを、家族と話し、
お互いの性格を分析する中で、
自分のルーツ、つまり根元を、しっかりと確かめていく。

海外へ出て、様々な国へ行き、
多くの文化の人たちと交わる中で、
自分という人間は、一体どこから来たのかを知ることが、非常に大事となってくる。
全く違う国、違う環境、違う文化、違う人々の中へ入る度に聞かれる。
「何でお前はそう思うんだい?」
そのとき、どう答えるのか。
自分は日本人だからか?
自分の家族がそうだったからか?
そうやって、元を返していくと、
これからどこかへ「向かう」自分が、
向かう場所を突き止める前に、
どこから「来たのか」、そっちの方を確かめることの方が、
すごく大事なことに。
それに、気づくのだ。

また、途中で母親が指摘したことだが、
こうして4人、どこか外に出て、そこで同じテーブルを囲んでこそ、
あそこまで話が盛り上がったこと。
普段、これを家の食卓でやることは、殆どない。
何故なら、各自が、他に気を引かれるものを周りに持っているから。
テレビ。ケータイ。パソコン。本。・・・
そういったものに、食事が終わった後すぐに、
もしくは、食事中までも、気を奪われる。
一体今の時代、何パーゼントの家族が、
食事中、テレビに気を取られずに、食事をするだろうか。
この光景。どこかで見た。
そう、俺の元ルームメイト。ロイの家である。
あの家には、食卓の周りには、何もない。
ただでさえ家は小さいのに、その更に小さなキッチンには、
テーブルと、家族の写真意外、何もない。
だからこそ、家族同士の話に、花が咲く。
食事を始め、一時間ほど、必ず話をする。
その環境が羨ましくて、俺は彼の家に行くのが好きだった。
しかし、今日、その状況が、
うちの家族にも起こったのだ。
それは本当に嬉しかった。


2時間ほどそのレストランで時間を取り、様々な話をした後、
その店を出る自分は、非常に嬉しかった。
家族で、心置きなく話ができたこと。
そして、自分のルーツがしっかりしたこと。
自分のルーツを確立させることは、
自分への自信へと繋がる。

******

その後、家族でひたすら買い物に出かけた。
楽しかった。

*******

大晦日。
海外へ出て、自分の「ルーツ」以外の国、文化、人、考えを散策してきた中、
今日こうやって、自分のルーツである、家族と時間が過ごせたこと。
俺にとっては、最高の時間の過ごし方だ。
贅沢な時間だった。

12・31・06


PS. 家に帰って来て、晩御飯。
次から次へと出てくるおかずの品々。
食う、食う、食う・・・
皆さん、食べますねえ。
全て食べ終わった後も、親父は更に、そばをすする。
え!?まだ食うんかい!?笑
俺は普段、余り食べないせいか、ついて行けません。
その後は、テレビ三昧。
そのうるささに、頭が痛くなって来た・・
一人静かな部屋に逃げ込んだ。

この辺は合わねえや・・・笑



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