December 04, 2006 20:45

Leann Family〜旅5日目〜

2006年11月25日@2:30pm〜

Weedから車を走らせていた。
Weedから更に北に30分ほど走ると、Yreka(ワイリカ)という町に出る。
この町のExitで高速を降りて、右に折れ、
更に走ると、山が見え出す。
この山を越えると、出てくるのが、
Scott Valley(スコット・ヴァリー)。
Fort Jones(フォート・ジョーンズ)がある、小さな町だ。

me






ここに住むのは、Leann, Megan, Zak.
彼らとは、4年前、俺がCOSにいた頃に出会った。
ある日、学校の留学生を集めたグループで、町のアイススケートに行ったとき、
彼らも参加していたのだ。
その時、メーガンは13歳。ザックは、9歳だった。

Zak and Megan in April 2005(1年半前)
Zack Spring 2004
メーガン











二人とも本当に小さくて、まるで人形のようだった。
ザックは、その頃は全然喋らす、とてもシャイな子だった。
彼らの住んでいる場所の関係上、周りに遊ぶ子もそんなにおらず、
上のお兄ちゃん二人は、もう二十歳を超えていたので、
町からは出ていた。
彼にはお父さんもいない。
自分の尊敬する兄貴、父親も近くにいない環境で、
明らかにこの子は、“男友達”に飢えていた。
俺と初めて知り合ったとき、最初は少し人見知りをして避けていたものの、
すぐに打ち解けて、その日、仲良くなった。

Leann Family 2003

2003年6月当時の写真(3年半前)





メーガンは、その頃は町の中学校に通っていた。
綺麗な金髪と可愛い顔が特徴的で、
まるでそれは、エンジェルだった。
俺は、マジで惚れたよ、この子に。
その頃、彼女は13歳。俺は19歳。
これでつきあったら、確実に犯罪やな・・・
でも、あと5年待てば、彼女が18歳、俺が24歳。
これは大丈夫だろう!
そんなことを、真剣に考えていた 笑
そんなメーガンも、出会った始めの頃はかなりシャイで、
あまり喋ろうとはしなかった。
でも、打ち解けて行く内に一気に仲良くなり、
その日には、ザックとも、メーガンとも、
本当に仲良くなれた。
二人して、スケートのできない俺の手を引いて、支えてくれた。
“Hey Shun, you do it like this!”
“・・・Wow!!”
何回こけたか・・・笑
でも、めちゃくちゃ楽しかったな。

その日、彼らとほとんど一日を一緒に過ごして、
彼らとの帰り道、学校の寮まで送ってもらった。
子供たちは、”It was so great seeing you”と言ってくれ、
またすぐに会おうといって、その場を去った。
それが、1月。

しかし、お互いに連絡をせず、約3ヶ月が経った。
4月。学校の先生の一人が、日本の歴史のクラスを開くといい、
俺が、そのアシスタント役に呼ばれた。
そのクラスの中には、日本語を教えるパートもあったため、
実際の発音をやってほしいとのことだ。
クラス初日。教室に行くと、
なんとそこにいたのは、メーガンとザック!!!!!
「あれ!!!????」
二人も俺に気付いた。
“Wow!!!”
そこで、感動の再会。
お母さんのリエンもいて、訳を聞くと、
このクラスのことを、その時の留学生カウンセラーのキャシーから聞き、
興味があったので、取ることにしたそうだ。
子供たちも一緒に。
そんな訳で、それから、毎週金曜日の3時から5時は、
彼らと会える楽しみができたというわけだ。

その後、5月に学校が終ってからも、
彼らは卒業式の日に学校に来てくれたりと、
何回か足を運んでくれた。
しかし、まだ彼らの家に遊びに行った事はなかった。
俺はその時、車を持っていなかった。
いつも、どこかへ行くときは、
誰かに車で迎えにきてもらうしかなかったのだ。
そんな訳で、いつも、その小さな町、Weedに、スタックしていた。

その頃、Yreakから少し走った、エトナという町で、
完全なボランティアーで、町の小学校で日本語や日本の伝統を教えていた、
一人の日本人女性がいた。
彼女の名前は、寿美(すみ)さん。
彼女は、日本で仕事を辞め、溜めたお金で、わざわざこの辺鄙な村まで来て、
完全なボランティアで、学校で教えていたのだ。
そんな彼女とも、実は1月のアイススケートの際に、一度だけお会いしていた。
その寿美さん。メーガンが通っている学校に、一度、
派遣として、お茶を教えに行ったらしい。
その際に、彼女たちの家にも寄ったそうだ。
学校の卒業式が終って、寿美さんと電話で話していたとき。
「俊君、あの家は、絶対に行った方がいいわよ!
“大草原の小さな家”ってあったでしょ?本当にあんな感じなんだから!」

それは行かねば!と、
速攻リエンに電話をした。
「今度遊びに行ってもいいですか・・・?」
「もちろんよ!!子供たちも喜ぶわ!!!」
リエンは二つ返事でOKしてくれた。

そして、実際に彼らが迎えに来てくれる日となり、
リエンの運転する車で、彼らの家へと向かった。

その時、彼らの家に着いたのは、夜中の12時ごろ。
家に行く前に、俺らは他のキャンプ場へ行って、遊んでいたからだ。
そこでは、馬に乗ったり、湖でボートを漕いだり、
夜、キャンプファイアーでマシュマロを焼いたりと、
色んなことをした。
いや、4年前だってのに、よく覚えてるもんだね。笑

その夜、真っ暗な中、リエンの運転する車は、彼らの“家”についた。
俺は、疲れて、車の中で寝ていた。
「シュン、着いたわよ!」
ほとんど寝ぼけ眼で歩き、キッズに案内してもらって、家に入る。
その“建物”に入って、目を開けた。
・・・・あれ・・? これって、小屋かな?
その“小屋”には、足の踏み場が、なかった。
そう、本当に、“なかった”のだ!!
どこもかしこも、本なり、洋服なり、おもちゃなり、
とにかく、何かしらが落ちていて、
そこに、実際の床が見えるスペースは、一つもなかった。
う〜ん、きっと俺は寝ぼけてるんだべ。
明日になれば、大丈夫さ。
その日は、案内されるままに、メーガンの部屋で寝かしてもらった。

次の日。
起きると、あれ!?メーガンが床で寝ている!
やべ!俺、彼女のベッドを取っちゃったじゃん!
彼女が起きて、ごめんねと誤ると、
いいのよ、と、彼女は素敵な笑顔で答えてくれた。
この子はやっぱり、エンジェルだ・・・(←アホ顔)
そんな中、光の入った家を見ると、やはりそこは、“家”だった。
そう、そこは、恐ろしく汚い、家だったのだ!!
俺の驚き様を察したのか、リエンが言う。
「ごめんね、こんなに汚くて。普段忙しすぎてね、掃除をする余裕がないのよ」
いや、でも、ここまで汚れるか・・・?笑
後で俺は、そのお母さんが、なぜそこまで忙しいのかを、よ〜く理解するようになる。

後に、寿美さんも俺と一緒にこの家に遊びに来る機会があった。
その時は、その家の“汚さ”は、俺が最初に見たものと比べたら、
何でもなかった。
“床”は至るところに見え、もちろん、どこがどこなのか、はっきりと分かる。
俺が最初に来たときは、物が落ちすぎていて、一体部屋の境がどこなのかさえ、
分からなかった。
しかし、寿美さんはそれでも、ショックだったらしい。
「・・・え? これって・・・」
早速寿美さんは、掃除をし出した。笑
俺は小声で、
「いや、寿美さん。これはまだいい方っすよ。
俺が最初に来たときなんて、本当にすごかったんだから」
でも、寿美さんは、それが信じられないようだ。
「こんなの見たことないわ・・・」
彼女の、とても目の前の状況を信じられないという、ひきっつた笑顔が、
とても可笑しかった。

そんな、3人の家。
その汚さはともかく、俺がアメリカで一番に好きな家だ。
なぜか? そこには、無駄なものは一切無い。
そこには、家族の、愛情が溢れているから。
そんな家に、今回、また行くことが出来た。
本当に、この家を訪れる旅、幸せな気分にさせてくれる。

********

車を走らせ、山を越え、
小さな道を右に入り、やっと、彼らの家の前に着いた。
その、とてつもなく広い“庭”、というか、大草原の中から、
一人の少女が、馬に乗って現れた。
そう、それは、メーガン!
長く綺麗に伸びた髪をなびかせながら、
その子は近づいていきた。
うおお。まるで夢の世界のようだ。
“Hey Megan!!”
“Hey Shun!!”
その大きな、黒光りする馬に乗って、メーガンは目の前まで来た。
“Good seeing you again! How’s everything?”
“Everything is going well!!”
相変わらず、元気そうだ。
その馬の名前は、Jose(ホゼ)。
本当に綺麗で、いい馬だった。
“Wow, he is beautiful!”
“Yap, I think so!”

メーガンに近況を聞く。
今年も、レスリングのシーズンが始まったようだ。
毎日練習があり、月・水は、3時間。
火・木は1時間半。
家に帰ってくるのは、遅いときは8時半以降。
彼女の今通う高校は、ここから片道20マイルの距離にある。
そして、今彼女の運転していた車は壊れているため、
毎朝、お母さんが、彼女を送り、
そして、リエン本人が働く仕事場所は、別の方向へ、またもや20マイル。
一日に最低80マイルの往復に、
リエンも本当に疲れきっているらしい。

megan






メーガンは、去年のシーズン、カリフォルニア州の競合メンバーに選ばれ、
オハイオまで遠征に行った。
今年も、選ばれるかな?
この子は本当に何でもやる。
家の中の仕事はもちろん、動物たちの世話、
学校、仕事、スポーツ。
銃やボーガンの大会でも、毎回一位などを取り、
豚を育てて競うフェアでも、何回も一位を取った。
そして、何よりも美しい。
今回会ったときは、今までの少女らしさは無くなり、
もう一人の女性となっていた。

メーガンがくれたニンジンをホゼに食べさせていると、
向こうから誰かが一生懸命走ってきた。
「Zak!!!!」
そう、ザック。
近くまで来ると、何と、でかい!!
半年前に会ったときは、まだまだ小さかったのに、
今じゃ、あれ? 俺ぐらいあるんじゃない?
「おいザック、でかくなったな!!」
ザックは嬉しそうに笑っている。
本当にかわいい子だ。
外はとてつもなく寒いのに(少なくともロングビーチから来た俺には)
ザックは、半そでのタンクトップ一枚しか着ていない。
「ザック、寒くないのか?」
「うん、大丈夫だよ」
すげえな・・・強くなるはずだぜ・・

外で立ってるのもなんだからと、家の方に招かれる。
ザックが、家の大きな門を空けてくれて、
そこから車を入れる。

way to house








門から家までは、車で走って1分くらい。
歩いたら、3分はかかるのかな?
本当にでかいんだから!!

on a way to thier house







こればっかりは、写真じゃ伝わりません。
本当に、実際の目で、見て欲しいな。
本当に、いいところなんです。
空一面に広がる雲。
青い空。
黄金色に輝く、草原。
ところどころにいる、牛たち。
そして、子供たちの元気な声。
ここに来る度に、
何て世界は素晴らしいところなんだろうと、
本当に実感する。

niwa 1niwa 2








niwa 3niwa 4







家につくと、出てきたのは、リエン。
“It’s so good seeing you again!!”
挨拶をするままに、飼っている動物みんなを、とんとんに紹介してくれる。
とんとんは、家でも猫を飼っているせいか、猫が大好きみたいだ。
リエンたちは、牛を追いかける猟犬から始まり、
豚、ネコ、鶏、七面鳥、インコ・・・その他もろもろ、
何でも飼っている。
飼っている動物全部を、名前も丁寧に教えてくれた。

dogpig







cat






俺が、相変わらず広い庭だねというと、
“Yap, that’s why we like this house!”とリエン。
この家は、130年の歴史があるそうだ。
家の上には、ハシゴでしか登って開けられない扉があり、
そこには、屋根裏部屋がある。
その中に昔は、ヘイ(わら)を入れ、
家を暖かくするために使っていたらしい。

house







ちょっと外にいたが、俺は寒すぎて、凍えそう。
家の中に入った。
相変わらず、暖かい家。
入ってすぐ、ザックは、最近手に入ったもの、
自分が描いた絵、お気に入りのナイフ、日本刀、銃、ボーガン・・
色々と見せてくれる。
“Wow!! This is cool!!”
ザックは嬉しそうだ。

ザックが言う。
“You wanna go shoot the gun!?”
もちろんやんけ!!
22などの銃を3本ほど用意してくれて、
それからメーガン専用のボーガンも貸してくれた。

me and zak







二人で、外に出て、下にマットを敷き、
その上で、ターゲットを狙い、銃を放つ。
22を撃ったのは初めてだったが、その銃声の大きさには、
マジでびっくりした。
耳がもげるかと思ったよ 笑
俺らが銃やボーガンを撃っている間は、
メーガンととんとんは、二人で色々と遊んでいた。
いつも、俺が遊びに来る度に、大体俺はザックに付きっ切りになる。
ザックは、お兄ちゃんがいないから、本当に嬉しいらしい。
でもその代わり、メーガンとは、あまり遊ぶことができない。
でもその代わり、今回は、とんとんが来ていて、
メーガンもかなり嬉しかったみたいだ。
女の子同士ってのもあり、
二人で、ネコをなでたり、庭を歩いたり、
色々と話をしたりしていた。

bogan with zak








銃を撃ち終わり、ザックと外で遊び終わった後は、
家の中に入って、暖まる。
俺はガタガタ震えていた。しかしザックは、ずっとタンクトップ一枚のままだった。
中に入ると今度は、ザックがゲームをしようという。
出てきたのは、“鬼武者3”。そう、PS2のTVゲームだ。
プレイするのは初めてだったが、ザックに教えてもらって、
二人で遊んでた。
“Here’s how you’re gonna be Onimusha!!”
ザックは一生懸命に教えてくれる。
その間、とんとんとメーガンは、チェスをしていた。

me and zak at chair







4人とも遊び終わった頃に、リエンの声が。
“Dinner is ready!!”
その日のメニューは、メーガンが庭で討ち取ったシカの肉と、
ハム、コーンに、パン。
そしてデザートには、リエン特性の、パイ。
いやあ!めっちゃうまかった!!
鹿の肉といえば、面白いエピソードが。
前のブログにも書いたが、
メーガンが、学校のGraduation Partyに行く直前。
綺麗にドレスを着て、おめかしもして、
いざ、出かけるとき。
メーガンは、庭に鹿を見つけた。
“Hey Mom!!!!! There’s a dear in a front yard!!!”
(ママ!!庭に鹿がいるわよ!!!!)
“But you got to go to the party!!”
(でもアンタ、パーティーに行かなきゃいけないでしょ!!)
”Screw the party!! This is more important!!”
(いいわよそんなの!!こっちの方が大事だわ!!)
そしてメーガンは、ドレスを着たまま、銃を抱えて、
鹿を撃ちとめに行った・・・
その時の写真は、ドレスを来た彼女が、
血を流した鹿の頭を捕まえて、満面の笑顔。
すげえ・・・


5人ともお腹一杯食べ、満足。
時計を見ると、もう行かねば。
次の家に行かないといけない。
本当は6時くらいまでいる予定だったが、
7時半までいることとなった。
ザックは、隙あれば、次の遊びへと俺を誘う。
“Hey Shun, let’s play “Life”!!”
時間がないことを言うと、残念そうだった。
ごめんな。今度またゆっくり、遊ぼうな。
俺も本当は、全然帰りたくなかったけど、
日程の都合上、仕方ない。
また、必ず会いにくるよと行って、その場を去った。
帰り際、家の外に出ると、“本当に”真っ暗だった。
そう、街頭なんて、この町にはないのだ。
もう、真っ暗すぎて、何も見えなかった。
この晩は雲がかかっていたので、星はあまり見えなかったが、
普段は、これでもか!というくらいの星が、
夜空いっぱいに広がる。
しかも、冬は、なんと、オーロラが見えるのだ!!
それに気付いたのは、リエンたちも、ついほんの3年前あたりだそう。
ある晩、空を眺めると、上にユラユラと浮かぶのは、
・・・オーロラ??
まさか、こんなところで見えるわけがないと、目を疑ったが、
どう見てもそれはオーロラだったそうだ。
それ以来、毎年冬は、オーロラが出ると、
庭に寝袋を敷いて、親子3人で、夜空を眺めることになったそうだ。
いつも見えるのは、11月か4月ということだったので、
今回、もしかしたら見えるんじゃないかと期待してきたのだが、
明日から来る、吹雪のため、視界は遮られていた。
ま、次の機会さ!楽しみがまた増えた!

キッズとお母さんに、大きなハグをし、
その場を後にした。

帰り道、楽しさと悲しさが交互していた。
なんか、この家を後にするときは、いつもこの感じに陥る。
子供たちの、暖かいハート。
本当に真っ直ぐに育っている、本当にいい子たち。
余りにも遠いため、中々会いにこれないけど、
それでも、こうして運転すれば、会いにこれるんだ。
丁度あの子達の子供時代にこうして会えて、
毎年、成長を見守れることは、
すごく幸せなことだと思う。
そして、毎回遊びに行くたびに、キッズたちも、大喜びで迎えてくれること。
本当に、幸せだと思う。

俺の、大事なアメリカの家族の、ひとつ。

11・29・06

Leann ファミリー


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2. Posted by Shun   December 10, 2006 19:04
龍のシェフ、
そうですね。仕事も大切ですけど、それはあくまで、生きていくため、大切な人と一緒に生きて行くために、働く、というのが本当の意味ですからね。
仕事だけに追われて、気付いたら、子供は大きくなっていて、残ったのは、金とモノ以外何もない・・・過去に戻りたくても、戻れない・・
そんな人生は、俺は嫌です。
今、就職活動中で、色々な会社から誘いが来ますが、この根本的なところは常に忘れず、俺は自分の人生、「どう生きたいのか」。これを常に中心に置いて、選択をして行きたいと思います。
そして、この大事な家族との思い出と、彼らと一緒に過ごせる時間も、大事にして行きます。
俺の宝物です。
俊輔
1. Posted by 龍のシェフ   December 04, 2006 00:12
幸せそうだな。いい事だ。
今の時間、そして、この経験はSHUNの人生の想い出となり、一生残るだろう。
大切な人達と過ごす事の出来る、人生を生きなければな。
仕事も大切だ。でも、人はもっと、大切な事を忘れてしまう。そうならないように、心を強く鍛えろよ。
龍のシェフより

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