October 12, 2006 17:25

魔の"Trick or Treat!!"??


もうすぐハロウィーン。
ハロウィーンと言えば、アメリカではみんな大人から子供まで仮装をする。
学校に、気合を入れた格好で来る人たち。
夜は、子供たちが、華やかな仮想をして、家々を周る。
“Trick or Treat!!”と叫びながら。
パーティー会場には、もちろん、みんな飛び切りの格好で現れる。


俺が一年目を過ごした学校で、数学のチューターをやっていたとき。
その日はハロウィーンだった。アメリカ初のハロウィーンのため、
まさか人々が本当に変装をしてくるなんて思いもせず、朝から普通に学校に行った。
朝の8時。自分が受け持つ生徒の予約が入っていたので、
チュータールームに行き、彼女を待つ。

8時ちょっと過ぎに、
「Sorry sorry, It's been late, huh?」
と言いながら、急に俺の前に“死神”が現れて、俺が待っていたテーブルの反対側のいすに座った。

「・・・・・!!」

ビックリして、口も聞けなかった自分。
黙ってその死神を見ていると、そいつは、
「Oh, it's me」
と言いながら、黒いフードを下ろし、仮面を脱いだ。
そう、それは、俺が待っていた数学のチューターの生徒だった。
「ごめんね、遅くなって。今日こんな化粧をしたから、
 子供がびっくりして泣きそうだったわよ」
当たり前だ。目の周りは真っ黒に塗りたくられて、
その顔は見るものを凍らせる。
俺だってチューター中、泣きたかったよ。

さてさて、

そんな一年目のハロウィーンだったが、
去年、そう4年目のハロウィーンも、面白かった。

確か去年のハロウィーン、10月31日は平日だったので、
パーティーなどは、その前の週末にすべて行われていた。
その日。学校から帰ってきて、帰り道、スーパーに寄った。
疲れていて、しかも寒かったので、今日は特別にステーキでも食おうと、
近くのメキシカンのスーパーに行き、牛肉を特売で買ってきた。
そのとき、店の入り口に、うまそうなマフィンが4つで1ドルで売ってたので、それも買ってきた。
後で食おうっと♪
ルンルン気分で家に帰る自分。

家に着くと、(そのときは部屋を間借りしていたのだが)
家は真っ暗である。
「あれ、誰もいないのかな?」と思いながら、中に入り、電気をつける。
すると、奥のガレージ兼、書斎から出てきたその家の家主のおじさん。

「あれ、いたんじゃないですか、何でこんなに暗くしてるんですか?」と聞くと、
「今日はハロウィーンだから、電気を付けてると、子供たちがお菓子をもらいに家にくるんだよ。
あいにく今家には何もお菓子を用意していなくてね。
あげるものがないから、こうやって電気を消して、いない振りをしているんだよ」

・・・・そうなんすか。

まあ、でも俺は早くこのステーキを調理せねば!と、
キッチンの電気だけ付けて、料理に取り掛かる。
煙が家に充満して、玄関のドアを開けたいのだが、
おじさんがしつこく、「いない振りをしなさい」と言いに来るので、
仕方がなく、キッチンに充満した煙の中で料理をした。

*******

いざ、ステーキがそろそろ出来上がるころ!!
よだれが出そうになって、もう耐えられない、
その時!

ピンポーン!!の音とともに、
「Trick or Treat!!」

・・・やべえ、キッズがやって来た!!


どうやって家にいることが分かったんだ?と一瞬思ったが、
バレて当然。外から見たら、自分の調理姿は余裕で、
電気に照らされ、影となって見えていた。
やべえな、あげるものもないし。
ステーキもこげちまうし、シカトシカト。
しかし!キッズは中々去らない。
さらにインターホンを何回も押しまくりやがって、
「Tirck or Treat!!」の連続!

もう、居留守は利かないようです。
仕方なく、やつらに会うしかない。
しかし、あげるものがない。
キッチンを見渡すと、俺のその時持っていた食料であったのは、

・・・バナナ。以上。

そして、今目の前で焼いているステーキ・・・?
このステーキは何があってもあげられん。俺の命だ。
仕方ない、バナナをあげるか・・・
お菓子の代わりにバナナってなんやねん。

・・・と思ったら、そう、さっき買ったマフィンがあるじゃないか!
う〜ん、俺のマフィンだが、仕方ない。やつらにやるしかない。
マフィンが入った袋を持って、玄関に行く。
ドアを開けると、そこに立っている、とてもかわいい3人の女の子。
ちくしょう、可愛くなかったら、追い返すのに。

俺の大事なマフィンをあげる前に、最後の反逆。
「あのね、今お菓子がないんだけど・・・」
子供たちは、そんなの関係ないわよ、あたしたちはお菓子をもらいにきたのよという顔で、立ち尽くす。
ったく、クソが。
仕方なく、大事なマフィンを、ひとつずつ、子供たちが持っていた馬鹿でかい布の袋に入れてあげる。
ちょっとびっくりした顔で、俺がマフィンを袋に入れる姿を見る子たち。
何だ、文句あんのかコラ。
子供たちの大きな袋の中を見ると、たっぷりのお菓子で埋まっている。
こいつら、こんなにもう集めてるじゃないか・・・
俺のマフィンくらい勘弁してくれよ・・・涙

「これで、満足したか?」と聞くと、「Thank you !」と叫んで、
その子供たちは駆け足で去っていった。
ふう。これでやっと、食事ができるぜ。

・・・あ!俺のステーキ!!!

急いでフライパンの中を見に行くと、すでにステーキは焦げていた・・・

もうこれ以上、俺の夕飯の邪魔はさせん。
調理を終えると、さっさとサラダを作り、自分の部屋にかけこむ。
「電気を付けると、また子供たちがくるよ」とおじさんが言いに来る。
分かってるっちゅーに!
仕方なく、机の上の小さな勉強用デスクランプだけ付けて、
その中で、真っ暗な中、ステーキを食う。

なんなんだこの夕食は・・・・


********


この話を後でアメリカ人の友達にすると、爆笑された。
何が可笑しかったかって、
俺が一人でステーキを部屋で食ってたことより、
子供たちにあげたお菓子が、「マフィン」だったと言うことだ。
「そんなのをあげる奴は聞いたことがないぞ!」
しかもある人は、
「普通ハロウィーンの時にあげるお菓子は、ラッピングされてなきゃいけないのよ。
 衛生上の問題もあるしね。
 そのマフィン、裸だったんでしょう?よく捕まらなかったわね。」

・・・・・。
俺の大事なマフィンをあげた上に、捕まってたまるかい!!


さて、今年のハロウィーンはどうなるやら??

10.11.06


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コメント一覧

3. Posted by Shun   October 13, 2006 13:16
あにき、
その通り。この日は子供たちは、「イタズラ悪魔」さ。今年は俺もやっちゃおうかな?

Toshi-san、
Yeah, it was pretty hard for me to let them go. Kids these days....
2. Posted by Toshihiro Koga   October 13, 2006 08:02
Oh, I love muffins, too! It must be so hard for you to let them just go.
1. Posted by あにき   October 12, 2006 22:46
笑わせてもらったぞ(爆)

そいつは最悪な日だったな(汗)

その日だけは普段、「天使のような子供達」が「本物の悪魔」に見えてくるだろうなw

去年、一部の地域でお菓子に毒を入れた人ならず者がいたそうじゃないか・・・

今年はそうならないことを祈る。

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