August 31, 2006 17:25

「JCキャリアをやるに当たって」


自分は今学期、自分の今の学校にあるジャパンクラブ(略JC)という学生団体の役員として、「キャリア・コーディネーター」というものを担当する。
それは、アメリカにいる日本人留学生の、卒業後の進路を助けるというもの。
その“助け方”とは、
1. 日本に直接帰って、日本の企業で働く場合。
2. アメリカに残って、アメリカにある企業で働く場合。
それらのオプションに行く人用に、それらの企業の情報、または、履歴書の書き方、面接の受け方のこつ、自己分析の仕方等を教えるというもの。

しかし、こうしてやっている事は、非常に視野が狭い。
まず第一に、「学校を出た後、“企業”に入って働くという人」しか相手にしていないからだ。
ここでいう“自己分析”も、「どんな会社に入ることが自分に合っているか」という事が前提となっている。
どこかの会社に入って働くだけが人生の選択肢ではない。
自分が自分の人生を設計するオプションは、限りなくある。
今回自分が夏、日本で日本の企業を相手に就職活動してみて、俺は気づいた。
自分は、日本の会社に入ることには、興味がない、と。

全くその可能性を否定しているわけではない。
ただ、今は、自分が、「会社に入って働く」というオプションより、他のことに、自分の魂が燃えるものがあることに気づいただけだ。

だからこそ、俺は、JCで「キャリア・コーディネーター=進路選択の手助け役」となるに当たって、中途半端にはやりたくない。
その狭いオプションの情報だけをただ伝える役には絶対になりたくない。
何故なら自分自身が、その“道”に興味をもう感じないからだ。
よって、できることと言えば、自分の信念があるままに、自分の経験を人に伝えるまでだ。

そんな訳で、JCのキャリアを今回やるに当たって、俺が持っている考えが以下のもの。カンボジアからタイ行きへのバスの中で、頭がスパークして、薄暗いバスの中で、殴り書きした日記より。




{JCキャリアをやるに当たって}


まずは、自分の心と対話し、「自分の心が、自分の人生で何を一番求めているのか」を知ること。
また、「自分が人生において、何に一番価値を置くのか」に気づくこと。
それが、一番肝心な第一ステップとなる。

「あなたが求めているのは、
“金”なのか?“時間”なのか?
“名声”なのか?“拡大志向”なのか?
もし“金”なら、それで何が欲しいんだ?
いい車か?いい家か?
それが、自分の“幸せ”に、
本当に繋がるのか?

あなたが求める、本当の“幸せ”とは、何だ?」と。

これを自分でもはっきり分かっていない奴、勘違いしている奴が多い。
これがハッキリしないと、一生、本当の意味では“幸せ”にはなれない。

「“あなた”は、どう考えるんだ?」と。


これを最初にせずに、もしJCキャリアで、
“インタビューの受け方”
“履歴書の書き方”
などだけを教えていては、「不自由な社会人」「歯車として、いかに優秀に働くか、周りに認められるか」を教えるだけとなってしまう。
俺は、これはやりたくない。

俺のように、「本当はやりたいことが違うのに、器用であるが故に、“周りの認める人生”を演じて生きてしまう奴」、また、その、「“演じられていること自体”に気づかない奴」も沢山いるはずだからだ。
(その“周りが認める人生”とは、親や世間一般、そして社会が俗に言う、“有名企業に入って、お金をたくさん稼いで、いい車、いい家を持って、裕福に暮らすことが、幸せ・・・”という様な生き方だ。親が望んだり、世間一般が認めるが故に、本当は自分は好きではないのに、その道へ行くことを選んでしまう人のことだ)

俺はこの夏旅をして、運良くこの“常識”の考えから抜け出せた。そして、気づけた。
しかし、気付きたくても、気付くチャンス、きっかけすらない奴もいる。
“気付くこと”どころか、
「そうやって生きる(会社で働く)のが当たり前」と思ってる奴らの方が多い。

そいつらにまず、考える時間を与えることだ。
「お前が“本当”に、人生でやりたいことは何だ?
お前が一番、輝けることは?
お前が一番、“やりたい”ことは? 
誰の意見もなしで。」

それをまず、聞くこと。
そして、考えさせること。
「折角アメリカに来たんだろ?日本を、折角飛び出したんだろ?
また、自ら、日本の狭い“常識”に自分をはめようとするのか?」と。

俺は、自分が行かない、“会社=牢獄”の道への近道、ディレクションを教えるガイドにはなりたくない。
自分が心から好きではないものは、教えられない。それは、俺の心に反する。

俺がやるなら、
・自分と対話することの大切さ。
・自分の将来を、ビジュアライズすることの大切さ。(できるだけ細かく、鮮明に自分の未来の像を描くこと)
・プランを立てることの大切さ。そして、いつもフレキシブル(即の変更可能な状態)であること。
・周りの声、“周りの望む声”に惑わされないこと。(他人との境界線を持つこと)

・自分の道を見極めるのなら、まずは、
1. 自分の持ってる、“人生でやりたいこと=夢、目標”のオプションの中で、一番やりたいことから、“全力投球”で、トコトンぶつかっていくこと。
2. それがダメなら、次のオプションを、やはり、“徹底的”にやること。

        その繰り返しであること。

 そして“必ず”、チャンスは訪れること。
 もし“全力投球”でいつもやっていれば。

 決して、他力本願にならないこと。
“誰かが教えてくれる”
“いずれ、待ってれば、チャンスは来る”と思わないこと。

      “常に、自分から、動くこと。”

これらの大事さを教える。


そして、それでも「会社に入りたい」という人には、今度は、“会社の見極め方”を話せばいい。(俺の今年の夏の経験より)

自分の名刺が武器になること
(相手は、こっちが名刺を持っていないよりも、名刺をこちらから差し出すほうが、“一人の人間”として見てくれる。名刺なしでは、“就職活動中の学生その1”のように見られてしまう確立が高い。つまり、相手の自分への意識をよい方向へ変える“武器”となるのだ。)

その人の“本質”を見抜くこと
(その人の役職、地位、部下の数、やっている仕事の大きさなどではなく、その人の“本質”を見抜く。つまりは、例えば実際にその人と銭湯で会って、お互い素っ裸な中、お互いが肩書きも何も知らない状態で話したときに、どういった印象を受けるか、そんな感覚でその人と話すのだ。
その人の肩書きに影響されては、(例えば社長だから、「うわあこの人は社長か」などの様にこっちが変な先入観を持ったり、勝手に自分を下に見たり、ひるんだりしては、)相手の“本質”を見ることはできない。その人を、“その人以上”に見てしまったり、その人の肩書きに惑わされたり、その人の持っているお金や、部下の数に影響されたりしてしまう。)

その会社の、“人”を見ること
(会社は、そこで働く一人一人の“個人”から成り立つ。そこに自分が魅力的だなと思う人が沢山いれば、それは、その会社自体も、あなたにとって“魅力的”となる可能性が高い。だから、実際にその会社に何度も足を運んで、会社の細部まで見させてもらって、社員一人一人の動きを見ることだ。もしできるなら、社員の人たちと食事に行ったり、いろんな話をして、その人たちを人間として近く知ることだ。そうして、自分が認められたり、憧れることができるような人が多ければ、その会社で働くことは、あなたにとってプラスとなるだろう。逆に、そこの社員の生き様や考え方に魅力を覚えないのであれば、その会社はあなたにとってお門違いとなる可能性が高い)

給料、その会社の有名度に捉われないこと
(“給料が高いから”とか、“その会社が有名だから”とか、などの理由で会社を選んでしまっては、すぐにそこで働くことが不満となってしまう。何故なら、お金で選んだ場合、自分への給料は、“慰謝料”として取ってしまう。「こんなに金もらってんだから、仕方ないか」と、自分の仕事に対して、マイナスの姿勢となってしまう。そんな状態では、いい仕事はできない。
また、“その会社が有名だから”などで選ぶとしよう。その場合、“有名”=“安定している”“安心できる”などの動機が自分の心の裏に隠れている可能性が高い。なぜ“安定”を選ぶか?お金に食いっぱぐれる可能性が少なくなるからだ。“あんなに有名な企業だから、まさか潰れることはないだろう”“そこそこのポジションで、そこそこの仕事で、そこそこの給料がもらえるはず”―――それらの“会社まかせ”の考えが生まれてしまう。その会社の“肩書き”で働けるという安心感、また、そこで働いていることを誰かに言うと、“すごいね”と言われるという、密かな優越感、満足感などもその原因の一つだろう。)

実際に、何度も会社に足を運ぶこと
(一回だけ見たのでは、その会社の本質は絶対に分からない。いくらでもその会社の社員たちは、あなたが見に来たときだけ“いい子”ぶれるからだ。
何回も見に行け。そして、同じ人だけとではなく、毎回違う人と話せ。会社のフロア、全てを見させてもらえ。もしダメと言われたら、なぜダメなのかを聞け。その理由に納得できない場合、筋が通っていない場合は、そこを指摘しろ。社員全員が自分の仕事に誇りを持って働いている会社、社長がしっかりした考えを持っている会社、それらの会社は、正々堂々としているから、隅の隅まで、いくらでも見せてくれるはずだ。逆にそれが無理なら、何か問題があるはず。それは、自分がいくつもの会社を見るに連れて、段々と分かってくるはず)

面接は、所詮、“お見合い”でしかないこと
(俺のブログにも書いていたが、面接なんてものは、そのとき限りの“化かしあい”でしかない。もちろん、その人の本質を見抜こうとする面接もある。面接が3次4次と段々とあがって行くにつれて、相手は手強くなっていく。しかし、所詮は、“その何分〜何十分”の間に、相手のほんのちょっとの表面上を見ているに過ぎないのだ。それは、会社にとっても、あなたにとっても。
面接なんてものは、相手(その会社)が欲しい人材像に合うかどうかを会社は見ているだけ。それは、大企業になればなるほど、その傾向は強い。会社が小さくたって、その社長がその会社に欲しいなと思う人材かどうかを見極めているかどうかに変わりは無い。
 よって俺は、“よい面接の受け方、How to〜”などは一切教えない。そんなものを教えても、何の役にも立たないからだ。
例え自分を偽って、その場だけ合格しようが、自分が本当にその会社の中身を見極めきれてなかったら、そして、自分が本当にその会社で“働きたいのか”を確かめられなかったら、最終的には会社にとっても本人にとっても、不幸になるからだ。自分を面接で素のまま見せずに、“いい子ちゃん”ぶって、その会社に好かれるように演じていれば、いくらでも、どんな会社だって入れる。しかし、面接はゲームではない。駆け引きではない。相手にそんなとこで勝ってどうすんだ? 相手を見事負かして、自分を採用してもらえる様になったからって、それが“勝ち”なのか? 面接の意義は、相手を“見極める”ためにあるんだろう?
だからこそ、面接を、“お見合い”と捉えると、全てがシンプルになり、本質が見え出す。あなたが結婚して、これから残りの人生を全てを供に暮らしていく相手を見極めることが、お見合いの意味だよね? 相手に、自分を偽って、いいとこだけ見せて、例えその場だけ好かれても、実際に一緒に生活しだして、お互いの隠していた嫌なところが見え出したら、結局は“離婚”=“退職”になっちゃうんじゃないの? そして、またそこを改善せず、上辺だけのお見合いをしていては、“離婚→再婚”=“転職”のサイクルを何度も繰り返すだけ。だから、最初から、全てぶっちゃけて潔く話すことだ。自分のありのままを見せろ。面接で、嘘は絶対につくな。自分の心が思うこと意外は、絶対に言うな。たとえその面接で不利になろうと。そこで自分が思ったままを言って不利になるくらいなら、あなたとその会社が合っていない、ただそれだけの問題。あなたの心を素直に出して、それが認めてもらえない会社は、最初からあなたには合っていない。何故なら、例えあなたが自分を偽って入っても、必ず不満は溜まってくるからだ。自分の心に、嘘をついて毎日働くこととなるから。)

これらはほんの一例だ。


 だが、一番大事なのは、常に、

“自分一人の力で戦う”という強い意志と、
“自分の人生を見極める”という真剣さだ。

それが無い奴、
初めから、“誰かにやってもらおう”と他力本願な奴は、
どの会社と、何百社面接しようが、絶対に受からないし、
受かっても、決して幸せにはならない。
何故なら、“人まかせ”だからだ。

己の人生に対して、“真剣”ではない。
“責任感”がないからだ。

自分の生きたい道、自分が幸せになれる道、自分の“幸せ”とは。
それらの答えを見つけてくれるのは、会社ではない。親でもない。国でもない。政府でもない。学校でもない。
“自分自身”で見つけるしかない。

  “己の人生に対して、本気になれ”
  “どう生きたいのか、真剣に考えろ”

これが、モットー。


8/31/06

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コメント一覧

2. Posted by ayano   September 02, 2006 16:50
この夏やっと自分の人生に本気になったよ。周りを見た限りの就活は、相手に評価されるために媚の売りあいにしか見えてなかった。自分を高める努力は必要だけど、自分と対話してそれを行動に行かせる力が大切だよね。ありのままの私を見てください、それで駄目なら縁がないんだ,と今は思っています。就活で相手からポイント稼ぐだけじゃ何のために生きてるのか分かんないよね。またエネルギーもらった!thanx!!
1. Posted by ryota   August 31, 2006 19:38
おとつい無事帰宅しました。
これを読んで色々反省しました。
明日から仕事がはじまります。
心と気合を入れなおすいいきっかけになりました。感謝します。

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